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【このアート!】 2019.05.02 (Thu)

レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年

『モナ・リザ』
Mona Lisa (Men have named you)

 2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年。(1519年5月2日没、67歳。)

 西洋絵画史における彼の最大の功績は、「スフマート」と呼ばれる輪郭線を「ぼかす」技法と、背景が遠くになるほど靄(もや)がかって見えなくなる「空気遠近法」、そして人体の「解剖学」に通じた科学的視点の導入にあります。

 ぼかしによって絵の輪郭線がなくなることで、単なる「線で描いた絵」からまるで写真のようにリアルな表現の領域――その第一歩へ。(ひと世代前の巨匠ボッティチェッリ作品と比べれば一目瞭然。)
 またぼかした輪郭の、その色と色の境界をミクロまで探ろうとする欲求は、ずっとのちに「光」のかたちを分解・再構成した印象派絵画にまで通じるといっても過言ではありません。

 そして背景がモヤがかる「空気遠近法」。
 従来の「線」遠近法(ある一点に向かって狭まっていく、基本の遠近法)のように、建物の線などに頼らなくても背景の奥行きをよりリアルに描くことができる。
 遠くになるほど青みがかって見えるのは、光の波長の理屈にもかなった表現。レオナルドは500年も前にそれを感覚的・経験的につかんでいるのだから、天才やおそるべしです。


 彼の『モナ・リザ』が西洋絵画史上最大の傑作とされるのは、この「スフマート」と「空気遠近法」の2つが最高の形で示されたから。
 レオナルド以前のルネサンス初期にも、リアルな人体の描写や遠近法など技法の向上が模索されていましたが、科学者としても知られる彼の専門的な医学・科学的視点が加わることによって、世の画家に求められるレベルが格段に高いところへ進化しました。

 飽きっぽい?性格なのか、あれこれ手を出すけど完成品と呼べるものが少ないのが珠にキズ、な生涯でしょうか。だからこそ余計に『モナ・リザ』に価値があると言われています。
 
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