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【アメリカ映画】 2018.05.20 (Sun)

大女優競演 『何がジェーンに起ったか?』 『ミルドレッド・ピアース』

『何がジェーンに起ったか?』


 老いて忘れ去られた女優姉妹のグロテスクな愛憎を描く、1962年のアメリカ映画 『何がジェーンに起ったか?』
 監督ロバート・アルドリッチ。主演はベティ・デイヴィスジョーン・クロフォード、ハリウッド史上の大女優どうしがまさかの共演。

 ハリウッドの邸宅に引き籠って暮らす老姉妹。車いすの姉をいじめたおす、妹ジェーン役デイヴィスの醜悪なメイクと演技!(『燃えよドラゴン』ばりのサッカーボールキック!)
 時代は世界的な「ニューシネマ」運動の黎明期。人間のリアルな悪や醜さをもてはやす時代だったとは言え、彼女ほどの人がここまでする必要があったかは、いまだに疑問に思います。
 このふたり、戦後のワーナー所属中はバチバチのライバル同士で、本当に仲が悪かったというのは有名な話。

 2時間超もかけたアルドリッチの演出は無駄が多い。30分は削ってほしい。やはりヒッチコックやワイルダー、マンキーウィッツからは落ちる。
 でもラストはよかった。一瞬だけ変わるメイクと表情。謎を呼ぶタイトルに合点。


☆  ★  ☆


 じつはこの前に、同じクロフォード全盛期の作品 『ミルドレッド・ピアース』 をはじめて観ていました。その連想で(ほとんど忘れていた)『ジェーン…』を観なおしたというわけ。
 1945年の 『ミルドレッド・ピアース』 はその年のアカデミー作品賞候補になったというだけで、それ以外はまったく知らなかった。

 冒頭いきなりの銃声をきっかけに浮き彫りになる、ひとりの女ミルドレッドの波乱の半生。
 前夫の失業と離婚。平凡な主婦の身から飲食事業を立ち上げ、成功を収めたこと。わがままに育った娘、下心が見え見えの支援者、さらには後に再婚する(そして殺される)名士との出会い・・。
 大ヒットした 『風と共に去りぬ(1939)』 に触発されたのだろう、「みずからの手で人生を切り拓く女」の一代記が、サスペンスの形を借りて描かれます。

 クロフォードにとってはMGMからワーナー社への移籍第1作とあって、スタッフともども力が入っているのが分かる(彼女は本作でオスカー)。スターを美しく撮るカメラ、照明、美術、演出・・・ハリウッドでも名だたる名手が勢ぞろい。いかにも大げさなメロドラマ演出も多々ありましたが、『ジェーン…』の頃になるとそういう職人の伝統が廃れてしまうだけに、よけいに古き良きハリウッドの仕事ぶりにうならされました。個人的にはこっちのほうが良かった。
 ただ、取っつきやすいサスペンス&メロドラマ調にしたことは功か罪か。第二の『風と共に去りぬ』になれたかもしれないが、なれなかった。おもしろく、良く出来ていただけにむずかしいところです。
 日本では劇場公開もされていないらしい。
 
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