【ニュース&カルチャー】 2018.04.21 (Sat)
秀作ドキュ 『えん罪弁護士 (NHK)』
このところ、社会派の優れたテレビ・ドキュメンタリー番組を観たのでいくつか――。(番組名は正確ではありませんが、ネット検索すればより詳しい情報にたどり着けるでしょう。)
NHK 『えん罪弁護士』
放火や痴漢容疑など、金にも名誉にもならない小さな刑事事件をあつかう異色の弁護士・今村核さんを紹介。
戦中ではなくこの21世紀にも、警察官の決めつけと恫喝がまかり通る取り調べ。やましい事はないから大丈夫とひとたび出向けば、「自白するまで家に帰れない」という恐怖のシステム。
「身に覚えのない痴漢に間違われたらとにかく逃げろ。捕まった時点で終わり」というどこかで聞いた不謹慎な忠告は、あながち不謹慎ではなかったのか。これではひどい目にあった肝心の被害者たちも救われないだろう。
裁判所も同様。起訴されたら「有罪率99.9%」という恐るべき数字。
「疑わしきは罰せず」「推定無罪」の理念の逆を行く、閉ざされた日本の司法の怠慢と変質に戦慄した。録画しておいた番組が終わってもしばらく立ち上がれなかった。
政治家の腐敗と暴走すら止められない日本国民が、この密室の権力を正す術などあるのだろうか。市民ひとりひとりによる、地道な権力監視と発信・連携・・・。地道だがひとりひとりの不断の努力と良心が試されている。
「民主主義は誰かが守ってくれる」 と思っている時点で、それは民主主義ではない。
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