【画像一覧】 2017.03.31 (Fri)

2017年3月の画像一覧

≪2017年3月の画像一覧≫

江崎礼二 『赤ん坊1700人のコラージュ』
圧巻!『赤ん坊1700人のコラージュ』


SAスパーズ
NBAスパーズ'16-17③≪新時代のエースたち≫


SAスパーズ
NBAスパーズ'16-17②≪バックコート陣の世代交代は?≫


SAスパーズ
NBAスパーズ'16-17①≪新加入のフロントコート陣≫


79 ディパーテッド
アカデミー賞全作品79 『ディパーテッド (2006米)』


クリスティー『カーテン』
最後の名探偵ポワロ~『カーテン』

夏目漱石イラスト
吾輩は赤ちゃんである (第4話)

 
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【このアート!】 2017.03.30 (Thu)

圧巻!『赤ん坊1700人のコラージュ』

江崎礼二 『赤ん坊1700人のコラージュ』


かわいい赤ちゃんも、ここまでやりすぎると異様な迫力。

江崎礼二 『赤ん坊1700人のコラージュ』。1893年。


江崎は “日本写真史の父” 上野彦馬にも師事した明治の写真家。

早撮りを得意とし、「じっとしていられない子供でもきれいに撮りますよ」という腕を宣伝するための

作で、浅草にあった自身の写真店の店先に展示されていたらしい。


本当に1700人が写っているのかは分からないが、それだけの数をこなしてきたという事なんだろう。

こんな赤ちゃんじごくなら堕ちてみたい。かわいすぎて悶絶しそう。


人様の著作物をまるまる載せるのは気が引けるので、申し訳程度に縮小しました。ごめんなさい。

作品は、飯沢耕太郎 『深読み! 日本写真の超名作100』 という本に掲載。

彦馬の幕末から現代までの名作写真が紹介されていて、気軽にパラパラめくるだけでもおもしろい。

この「赤ちゃん1700人」と、棺に納められた我が子の写真。ぼくが魅かれたのはくしくも「子供」2作。

後者は胸が詰まった。

 
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【  NBA】 2017.03.27 (Mon)

NBAスパーズ'16-17③≪新時代のエースたち≫

SAスパーズ

 NBA2016-17公式戦は残り10試合を切り、意識は早やプレイオフへ。わが応援するサンアントニオ・スパーズ、新時代のエースたちについて。



 ≪エースたち≫
 ◆2年連続オールスター先発出場を果たすなど、いまや押しも押されもせぬ大エースに成長したクワイ・レナードは、今まで以上に攻守に大車輪の活躍。初の年間MVP(昨季は投票2位)そして守備MVP連覇の有力候補でもある。
 何より素晴らしいのは好不調の波がないこと。連続2ケタ得点試合は100試合を超えて球団の歴代3位に(上はG・ガービンとD・ロビンソン)。ここぞの決勝弾を決める勝負強さも光り、高まる名声に浮かれる性格でもないので、欠点らしきものは見当たらない(不愛想なくらい)
 怖いのは酷使による疲労とケガ、そしてチームが彼に頼りすぎること。今の時代、特定の超人的活躍はそれほど怖くない、控えが出ても勝てる総合力の怖さを示したのがスパーズのはず。ポポヴィッチ監督のこと、そのへん抜かりはないだろうがくれぐれもよろしく!


 ◆昨季鳴り物入りで移籍してきたラマーカス・オルドリッジは、レナードと並ぶ新エースとして、年俸20億円としては物足りなく映るが、数字に表れない守備も含めて無くてはならない大黒柱に。あまり爆発はせず時々「空気」になるものの、大きなスランプもないのはこの人らしい。
 移籍2年目、チームにすっかりなじんだと言うべきなのか。分かりやすいエースの目安として、平均20得点に乗せてほしいと願うのはぜいたくなのか(いま17点7リバウンド)
 3月に持病の心臓病再発が心配されたが、幸い大事に至らずすぐに復帰。


 ◆3pシューターにして名ディフェンダーのダニー・グリーンは、エースではないが彼もスパーズ新時代の中軸となるべき存在。
 ところがこの2年シュートが絶不調で、10本打って得点1ケタなんてのもザラ。たまにポンポン入るものだから、成績上には表れにくくて余計に厄介だ。レナードがエースとして前面に出だしたので、彼は裏方に下がっただけ、という見かたもできるのだが・・・。
 あまりの不調に「先発から降ろせ」なんて声も聞こえるが、スパーズは先発と控えが同等。まず守備から固めて、攻撃タイプはベンチから出撃する戦法なので、堅守の彼は先発のままでいいと思う。
 ・・・だとしてもシュートが入らなさすぎる! あと3点、せめて平均得点2ケタに乗せてくれればチームがずっと楽になるのに。せめてプレイオフでは、R・ウェストブルック、J・ハーデン、S・カリーらを止める“神”ディフェンスを見せてほしい。せめて。


 ◆名将グレッグ・ポポヴィッチHCは今季、20年連続勝率5割超のNBA新記録と、同一チームでの監督最多勝記録(1000勝超)を成し遂げた。
 T・ダンカン(引退)、B・ディアウ(⇒ジャズ)、D・ウェスト(⇒ウォリアーズ)、B・マリヤノヴィッチ(⇒ピストンズ)などインサイドを中心に選手が流出したが、ドゥエイン・デドモン(C)、ダヴィス・バータンズ(F)、デジョンテ・マーレー(PG)など、国内外から未知の人材を発掘してうまく使っている。ここは控え組の「セカンド・ユニット」がしっかりしているので、彼ら新人は先発で経験を積ませてもらえるのは大きい。

 一方で、強豪チームによるあからさまな選手温存が相次ぎ問題に。健康な選手を休養のために欠場させるのはポポヴィッチのスパーズがやり始めたこと。たしかに、広大な国土を飛びまわっての連日連戦はハードの極みで、リーグは開幕を早めて日程をゆるめるなど対策が練られているが、それで温存策がなくなるとは思えない。
 「試合に出るのはお前の仕事」というある選手OBの言葉はごもっとも。高いチケット代や放映権料を払わされるファンの身にもなってほしい。せめて会場で握手会でもさせたらどうだ?


 いまスパーズは勝率8割弱で、全体2位以上はほぼ安泰。一時は“目の上の”ゴールデンステート・ウォーリアーズと並んで全体首位に立った(※直接対決で勝ち越し確定のため、勝率で並べばスパーズが上位になる)。プレイオフでの地元優先権を得るためには首位であるほうがいいが、対戦相手との相性を考えると西2位でもいいという見かたもある。さていかに。


 
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【  NBA】 2017.03.24 (Fri)

NBAスパーズ'16-17②≪バックコート陣の世代交代は?≫

SAスパーズ

 NBA2016-17シーズンのサンアントニオ・スパーズ。世代交代を迫られているガード陣について。



 ≪バックコート陣≫
 ◆キャリアの最晩期にある“生ける伝説(リビング・レジェンド)トニ・パーカーマヌ・ジノビリは、衰えが目に見えて分かるように。それでも出場時間をセーブしつつ、ピンチの時にはさすがの手綱さばき。(引退したダンカンがそうであったように)「主砲」から「チームの1ピース、ロールプレイヤー」にうまく身を退いているので、衰えを悲観・非難するほどでもない。
 むしろ問題は、その後継者がまだ見つからないことだ。以前ラプターズに出したコーリー・ジョセフを買い戻すなんてウマイ話ないかな??

 ◆第2司令塔のパティ・ミルズは、3p長距離砲の好調もあっていつでもパーカーの代わりができるが、守備力はパーカーとどっこいどっこいなので、今までどおり控えのシックスマン役が合ってるようだ。
 ◆今季のドラフト29位、20歳の新人デジョンテ・マーレーはまったく粗削りだが、おじさん軍団にはない元気の良さは見ていて気持ちいい。パーカー欠場時には先発PGに大抜擢され、キレのいい突破力を見せている。(後半戦にケガで長期欠場。)
 スパーズは控えの“セカンド・ユニット”が充実しているので、彼ら若手はむしろ先発で自由にやらせてもらっている、テストされている感じ。本気で彼に「パーカー後」を託すようには見えないが、とにかく経験の場を与え続けてあげてほしい。

 ◆ともに2年目、雑草スラッシャーのジョナソン・シモンズと若き頭脳派カイル・アンダーソンは、悪くはないけど期待されていたほど目立っていない。シモンズは良くも悪くもプレイに大ざっぱなところがあり、カイルは将来いい指導者になりそうだが個人成績に無頓着。大器晩成型だからもう少しかかるのかな。
 ◆ドラフト外の新人シューター、ブライン・フォーブスはまだ1軍の当落線上。
 ◆ユタ・ジャズから24歳のカナダ人ガード、オリヴィエ・ハンランの交渉権を獲得。(年俸枠を空けるため)B・ディアウをトレードに出してまで得たその対価は、よほどの逸材なんだろうか? 入団は来々季くらい。

 ◆なお、今季限りで引退と思われるジノビリの年俸が昨280万ドルから1400万ドルに大幅アップしたのは、シクサーズから高額で引き抜かれそうになって上げざるを得なくなったため (本人はカネは二の次で、スパーズに骨を埋めるつもりでいる)。思わぬ出費で巨人B・マリヤノビッチ(⇒ピストンズ)を手放すことになったのは誤算だが、長年の功労者だけに仕方ない。


 得失点差は8点ほどで首位GSウォーリアーズ(2ケタ!)に次ぐ2位。3ポイント長距離砲は数こそ平均的だが、フリーを生む組織力で効率よく決めてリーグトップの成功率。ただしエースのK・レナードが無理をしなくなった終盤戦、チーム攻撃の迫力がなくなった感あり。
 ほか弱点は、R・ウェストブルックやJ・ハーデンなど規格外の点取り屋を止める「個」の守備力の高齢化。プレイオフまでに「組織」を磨くか? レナードやグリーンに負担させるしかないのか?

 次回ラストは、その新時代を担うエースたち――レナード、オルドリッジ、グリーンについて。See you!


 
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【  NBA】 2017.03.21 (Tue)

NBAスパーズ'16-17①≪新加入のフロントコート陣≫

SAスパーズ

 米プロバスケNBA、わが応援するサンアントニオ・スパーズは、20年来の大黒柱ティム・ダンカンが引退しながら変わらぬ強さだが、他にも入れ替わりが多く、各人の契約内容なども細かく見るとやはり「再編期・過渡期」な印象。(再編期でこれだけ強いのはさすがだが。)
 彼らの目標は「優勝」あるのみ。だからこういう地味な戦い方でも高く支持されている。しかし今季はその迫力や威圧感を感じず、今季の優勝を望むには頼りない。



 ≪新加入のフロントコート陣≫
 ◆ダンカンの後釜として入ったベテランのパウ・ガソルは及第点(年俸10ナン億円にしてはヌルいが)。2月のチーム恒例 “ロデオ・ロード・トリップ(敵地連戦)” 時に負傷欠場したが、無名の新加入ドウェイン・デドモンがしっかり後を守った。掘り出し物のデドモンはスパーズ好みの地道な肉体労働型。(ちなみにこの2月は敵地8連戦にもかかわらずポポヴィッチHCが月間監督MVP。)
 後半戦から復帰したガソルはもっぱらベンチからの出場。守備ができないわけではないが、スパーズレベルの堅守を求めるのは酷なので、控えのほうがおあつらえ向き。攻撃面でのびのびとやってる印象だ。(ただし今度は、先発に定着したデドモンがバタバタと乱調ぎみになった。)

 ◆同じくインサイドの新加入デヴィッド・リーは、元オールスター選手ながら破格の低年俸で黙々と献身。ふだんの出場時間が抑えられているので、先発陣の欠場時にはがっつりと働いてくれる。このガソルとリーがベンチに控えているのは頼もしいことこの上ない。

 ◆「スモール・ラインナップ」のご時勢とはいえ、今季はインサイドの層が薄い。
 ラトビア代表の新加入デイヴィス・バータンズ(ダヴィス・ベルタンズ)は、先に引退した赤毛のマット・ボナーと重ね合わせてマニアなファンのアイドルに。ヨーロッパ系らしく器用な万能手だが、PFにしては弱くSFにしては遅いというヨーロッパ系の悪い典型も受け継いでいる。3p長距離砲はじゅぶん武器になるので、組織戦術への適応力でカバーしてほしい。ヒザじん帯を2度も切っているのが不安。
 ◆なおガソル欠場時に、MIAヒート2連覇時の控えセンターだったジョエル・アンソニーと契約。通常は出番のない非常時用の戦力として。


 平均失点はユタ・ジャズに次ぐ2位。2ケタ台に抑えているのも彼らのみ。お家芸の堅守は健在。「小型化」のご時勢なので、このインサイドは優位を保てるだろう。ただ主力は軒並み30歳代で替えもきかないので、くれぐれもケガだけはないよう。あまり休ませすぎても昨プレイオフのように乗り損ねてしまうので難しいところだ。

 3連投稿の次回はバックコート陣(パーカー、ジノビリ、若手組)、その次はエース陣(レナード、オルドリッジ、グリーン)について。好きな人だけつきあって。See you!


 
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【アカデミー賞全作品】 2017.03.20 (Mon)

≪アカデミー賞全作品≫書庫もくじ

  ≪アカデミー作品賞レビュー≫もくじ

  『ムーンライト('16米)』
  『スポットライト 世紀のスクープ('15米)』
  『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)('14米)』
  『それでも夜は明ける ('13英米)』
  『アルゴ ('12米)』
  『アーティスト ('11仏)』
  『英国王のスピーチ ('10英豪)』

  『ハート・ロッカー('08米)』
  『スラムドッグ$ミリオネア ('08英印)』
80 『ノーカントリー ('07米)』 ('07-08アカデミー賞授賞式を見て)
  『ディパーテッド ('06米)』
  『クラッシュ (’05米)』
  『ミリオンダラー・ベイビー ('04米)』
  『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 ('03米)』
  『シカゴ ('02米)』
  『ビューティフル・マインド ('01米)』
  『グラディエーター ('00米)』

  『アメリカン・ビューティー ('99米)』
  『恋におちたシェイクスピア ('98米)』
70 『タイタニック ('97米)』
  『イングリッシュ・ペイシェント ('96米)』
  『ブレイブハート ('95米)』
  『フォレスト・ガンプ/一期一会 ('94米)』
  『シンドラーのリスト ('93米)』
  『許されざる者 ('92米)』
  『羊たちの沈黙 ('91米)』
  『ダンス・ウィズ・ウルブス ('90米)』

  『ドライビング・MISS・デイジー ('89米)』
  『レインマン ('88米)』
60 『ラストエンペラー ('87伊英中)』
  『プラトーン ('86米)』
  『愛と哀しみの果て ('85米)』
  『アマデウス ('84米)』
  『愛と追憶の日々 ('83米)』
  『ガンジー ('82英印)』
  『炎のランナー ('81英)』
  『普通の人々 ('80米)』

  『クレイマー、クレイマー ('79米)』
  『ディア・ハンター ('78米)』
50 『アニー・ホール ('77米)』
  『ロッキー ('76米)』
  『カッコーの巣の上で ('75米)』
  『ゴッドファーザーPARTⅡ ('74米)』
  『スティング ('73米)』
  『ゴッドファーザー ('72米)』
  『フレンチ・コネクション ('71米)』
  『パットン大戦車軍団 ('70米)』

  『真夜中のカーボーイ ('69米)』
  『オリバー! ('68英)』
40 『夜の大捜査線 ('67米)』
  『わが命つきるとも ('66米英)』
  『サウンド・オブ・ミュージック ('65米)』
  『マイ・フェア・レディ ('64米)』
  『トム・ジョーンズの華麗な冒険 ('63英)』 (※未見なので後日)
  『アラビアのロレンス ('62米英)』
  『ウェストサイド物語 ('61米)』
  『アパートの鍵貸します ('60米)』

  『ベン・ハー ('59米)』
  『恋の手ほどき ('58米)』
30 『戦場にかける橋 ('57英米)』
  『80日間世界一周 ('56米)』
  『マーティ ('55米)』
  『波止場 ('54米)』
  『地上より永遠に <ここよりとわに> ('53米)』
  『地上最大のショウ ('52米)』
  『巴里のアメリカ人 ('51米)』
  『イヴの総て ('50米)』

  『オール・ザ・キングスメン ('49米)』
  『ハムレット ('48英)』
20 『紳士協定 ('47米)』
  『我等の生涯の最良の年 ('46米)』
  『失われた週末 ('45米)』
  『我が道を往く ('44米)』
  『カサブランカ ('42米)』
  『ミニヴァー夫人 ('42米)』
  『わが谷は緑なりき ('41米)』
  『レベッカ ('40米)』

  『風と共に去りぬ ('39米)』
  『我が家の楽園 ('38米)』
10 『ゾラの生涯 ('37米)』
  『巨星ジーグフェルド ('36米)』
  『戦艦バウンティ号の叛乱 ('35米)』
  『或る夜の出来事 ('34米)』
  『カヴァルケード ('33米)』
  『グランド・ホテル ('32米)』
  『シマロン ('31米)』
  『西部戦線異状なし ('30米)』

  『ブロードウェイ・メロディ ('29米)』
 1『つばさ ('27米)』

 
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【アカデミー賞全作品】 2017.03.14 (Tue)

『ディパーテッド (2006米)』

第79回アカデミー作品賞~~お情けのオスカー

79 ディパーテッド

 ≪感想≫
 ただの荒唐無稽な商業娯楽アクション。脚本はお子様向け(脚色賞だって!?)。娯楽作でもかまわないが、香港のオリジナルのように自分たちの「今」を切り取ったわけでもない。無冠の人気監督への同情だけで、その年の最高賞を取った。アカデミー会員のいい加減な投票は、ハリウッドの低迷と比例して今後も続くだろう。
 受賞の瞬間、下品に指笛を鳴らす若い関係者の醜態が、すべてを象徴していた。

 オスカー度/★☆☆
    満足度/★☆☆



 『ディパーテッド (2006米)』

 監督/マーティン・スコセッシ
 主演/レオナルド・ディカプリオ (ビリー・コスティガン刑事)
      マット・デイモン (コリン・サリヴァン)
      ジャック・ニコルソン (コステロ)
      ベラ・ファミーガ (マドリン)
      マーク・ウォールバーグ (ディグナム刑事)
      マーティン・シーン (クイーナン警部)

 ≪あらすじ≫
 犯罪者一家に生まれた過去を振り払うように優秀な刑事となったビリー。かたやマフィアのボス・コステロに育てられ、その忠実な片腕となったコリン。
 ふたりは警察とマフィア、それぞれ互いの組織に潜入して重きを成すが、やがて対決の時を迎える。

 ≪解説≫
 香港のサスペンス・アクション 『インファナル・アフェア('02)』 をリメイクした娯楽作。香港返還の時代性をからめ、逃れられぬ宿命を大仰に描いたオリジナル版に比べ、これはティーン向けのギャングものに終わっている。製作に人気俳優B・ピッドやJ・アニストンが名を連ねている。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、脚色賞の計3部門受賞。
 (他の作品賞候補 『バベル』 『硫黄島からの手紙』 『リトル・ミス・サンシャイン』 『クィーン』)

 またも本命不在の中、過去5度候補で無冠そして『ギャング・オブ・ニューヨーク('02)』では10部門全敗など不運だったスコセッシ監督に同情のオスカー。大手ワーナー社による後押しがあり、彼らには身近で理解しやすい内容だったせいもあるが、リメイクの商業娯楽作品の受賞はきわめて異例 (『ベン・ハー』などは時代が離れていた)。新企画を創造できないハリウッドの低落が、あらためて明白になった。
 なお、これまでスコセッシと組んでオスカー獲りに励んできた主演のL・ディカプリオは、同年 『ブラッド・ダイヤモンド』 のほうで主演賞候補になったが、またも残念(3度目)。



 『THE DEPARTED』

 製作/マーティン・スコセッシ、ジェニファー・アニストン、ブラッド・グレイ、グレアム・キング、ブラッド・ピット
     (候補者登録は1部門2名までのため、G・キングのみが受賞。)
 監督/マーティン・スコセッシ
 脚本/ウィリアム・モナハン
 原作/アラン・マック、フェリックス・チョン
 撮影/マイケル・バウハウス
 音楽/ハワード・ショア

 プランB、イニシャル・エンタ、バーティゴ・エンタ=ワーナー/152分
 
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【この本!】 2017.03.09 (Thu)

最後の名探偵ポワロ~『カーテン』

クリスティー『カーテン』


 英ドラマ 『名探偵ポワロ』 シリーズの最終話、『カーテン』 を観ました。NHKで再放送。

 「ポワロ最後の事件」 と銘打たれた本作は、原作のアガサ・クリスティにとっても遺作になったが、亡くなる30年前に書かれながら長く出版を許さなかったがゆえの、いわくつきの「遺作」。(1975年刊、翌'76年クリスティ没。)


 “灰色の脳細胞” エルキュール・ポワロ、その鮮烈デビューの舞台となった「スタイルズ荘」で再会したポワロとヘイスティングス大尉――
 ホームズとワトソンに比肩する、軽妙なやりとりで親しまれてきた名コンビも今は昔。それぞれ身体に、家庭に問題を抱えるふたりの老いが痛々しい。 『ポワロ』ものの執筆にうんざりし、お世辞にも家庭に恵まれたとは言えなかったクリスティ自身による、残酷な皮肉なのだろうか。


 物語は、シェイクスピアが生んだ大悪役、『オテロ』のイアーゴーのような狡猾さで殺人が行われていく。
 それはまるで、戦争を始める人間のやり方にも似る。本作と2度の大戦を重ね合わせる指摘は、ハヤカワ文庫あとがきにもあるとおり。クリスティが本作を執筆したのも、まさに第二次大戦中の1943年だった。
 イアーゴーのセリフのひとつ 「嫉妬は緑色の目をした怪物」 も劇中で引用される。ポワロもまた緑色の瞳をしていたのだがそれはさておき・・・


 この幕引きはやっぱり受け入れられない。
 それでもポワロとヘイスティングス、ふたりの友情と絆は当の作者の仕打ちにもめげず、深くあたたかく強い。独り歩きを始めたキャラクターの、ひとつの完成形と言えるか。
 ホームズやルパンにはない、複雑に濁った余韻と感傷を残した。


 このあと、ずっと後回しにして避けてきた原作小説をはじめて読んだ。「助手ヘイスティングスの手記」 というおなじみの体裁は罪深いくらい、よりストレートに痛みが伝わってきた。余計な予備知識が耳に入る前に読んでおきたかった。この記事も、ネタばらしはしたくないので核心に触れなくてごめんなさい。

 とにもかくにも、ファンが求めるポワロ像を見事に体現してくれた主演のデヴィッド・スーシェさん、そしてこれもハマリ役、日本語吹き替えの故・熊倉一雄さん、25年間おつかれさまでした。

 
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【どうわ】 2017.03.03 (Fri)

吾輩は赤ちゃんである (第4話)

夏目漱石イラスト

 わがままで思い出したから、ちょっと吾輩の父がこのわがままで失敗した話をしよう。
 元来この父は何といって人に勝(すぐ)れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。ブログをやってFC2へ投稿したり、名作文学をパクったり、間違いだらけのアカデミー賞映画批評を書いたり、時によるとNBAに凝ったり、ジャズを習ったり、またあるときはヴァイオリン曲などをブーブー論じたりするが、気の毒な事にはどれもこれも物になっておらん。その癖やり出すと胃弱のくせにいやに熱心だ。
 後架(=便所)の中でラップをうたって、近所で便所先生とあだ名をつけられているにも関せずいっこう平気なもので、ペパポだYo!を繰り返している。みんながそらMCバカーだと吹き出すくらいである。

 この父がどういう考えになったものか、吾輩が生まれてから一月ばかり後のある月の月給日に、大きな包みを提げてあわただしく帰って来た。何を買って来たのかと思うと一眼レフカメラとハイビジョン・ビデオカメラで、今日からブログやツィッターをやめてインスタグラムを始める決心と見えた。果たして翌日から当分の間というものは、毎日毎日書斎で昼寝もしないで写真ばかり撮っている。しかしその撮り上げたものを見ると、何を撮ったものやら誰にも鑑定がつかない。

 当人もあまり甘くないと思ったものか、ある日その友人で美術とかをやっている人が来た時に下のような話をしているのを聞いた。
 「どうも甘く撮れないものだね。人のを見ると何でもないようだが、自らカメラをとってみると今更のようにむずかしく感ずる」
 これは父の述懐である。なるほど詐(いつわ)りのないところだ。彼の友は金ぶちの眼鏡越しに父の顔を見ながら、
 「そう初めから上手には撮れないさ。第一、室内の想像ばかりで写真が撮れる訳のものではない。昔イタリーの大家アレッサンドロ・デル・ピエロが言った事がある。絵をかくなら何でも自然その物を写せ。――天に星辰あり。地に露華あり。飛ぶに禽あり。走るに獣あり。池に金魚あり。枯木に寒鴉あり。自然はこれ一幅の大活画なり――と。どうだ君も写真らしい写真を撮ろうと思うなら、ちと写生をしたら」
 「へえアレッサンドロ・デル・ピエロがそんな事をいった事があるかい。ちっとも知らなかった。なるほどこりゃもっともだ。実にその通りだ」
 と父はむやみに感心している。金ぶちの裏には嘲(あざ)けるような笑いが見えた。

 つづく

 
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