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【アカデミー賞全作品】 2015.06.24 (Wed)

『ゴッドファーザーPARTⅡ(1974米)』

第47回アカデミー作品賞~~アメリカ新世代の苦悩

47 ゴッドファーザーPARTⅡ

 ≪感想≫
 人間的・家族的な大河ロマンを漂わせた先代ヴィトーの時代に対し、このマイケルの物語は複雑にして冷徹な政治劇です。これは現代アメリカ文化がもっとも得意とするドラマ分野ですが、それと引き換えに、彼らは大きなアイデンティティを失くしたのではないか。
 貧しくとも夢にあふれていた移民・開拓時代はすでに過去のもの・・・。組織を合法的にせんと奔走するマイケルの苦悩は、そんなロマンなきアメリカ現代社会を担うコッポラら新世代の苦悩とそのまま重ねることができて、より生々しい痛みを感じます。

 また本作は、あろうことか家族や仲間を自らの手で葬っていく、孤独な王様の愚かしいまでの悲劇。それは同時に、優れた俳優が作品から去っていくことも意味しています。
 Ⅱ~ⅢにかけてM・ブランド、R・カステラーノ、J・カーン、J・カザール、R・デュヴァルら存在感のある実力派が次々と降板(↓ 下の【続き・・・】参照)。これで "老残" PARTⅢにはアル・ネリと妹コニー程度しか残らなかった事を思うと、映画作りの上でももう生々しくて痛々しくて・・・。
 ラスト、マイケルのあの表情はコッポラの代弁でもある。心が壊れるギリギリのキワまで追い詰められた人間の顔です。

 オスカー度/★★★★
    満足度/★★★



 『ゴッドファーザーPARTⅡ(1974米)』

 監督/フランシス・フォード・コッポラ
 主演/アル・パチーノ (マイケル・コルレオーネ)
      ロバート・デ・ニーロ (若き日の父ヴィトー)
      ダイアン・キートン (妻ケイ・アダムス・コルレオーネ)
      ロバート・デュヴァル (トム・ヘイゲン弁護士)
      ジョン・カザール (次兄フレド)
      タリア・シャイア (妹コニー)
      リー・ストラスバーグ (ハイマン・ロス)
      マイケル・V・ガッツォ (フランキー・ペンタンジェリ)

 ≪あらすじ≫
 かつてはマフィアの非情さを嫌悪していたマイケルも、今ではその中心にあって血の抗争を繰り広げていた。しかし敵対勢力を粛清しながらも、募る孤独感や無情感はぬぐえない。貧しい境遇から渡米し、がむしゃらにファミリーを築き上げた父ヴィトーとは、時代も立場も違うのだ。
 ――ニューヨークからラスベガスに拠点を移したコルレオーネ家。しかしいまや全米へと拡大した利権をめぐって、マイアミの大物ロスと対立する。そしてマフィア撲滅に乗り出した政府の追及・・・。組織を合法的なものにするため苦難を忍ぶマイケルの足元に、思いもよらぬ裏切りの影が迫る。

 ≪解説≫
 新たにドンの座についたマイケルの苦悩と、先代ヴィトーの若き日を並行して描く大河<サーガ>・ロマンの続編。前作以上に人間心理や政治闘争を深く掘り下げ、シリーズ最高とも言われる評価を得た。
 作品の続編を「パート2」と呼ぶのは本作が広めた。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、助演男優(R・デ・ニーロ)、脚色、音楽、美術賞の計6部門受賞。(候補11部門中)
 (他の作品賞候補 『カンバセーション…盗聴』 『チャイナ・タウン』 『タワーリング・インフェルノ』 『レニー・ブルース』)

 正編に続き、続編も受賞した快挙。('90年の『PARTⅢ』はノミネート止まり。)
 本作でスターの仲間入りを果たした受賞者R・デ・ニーロのほかに、好々爺フランキー役のガッツォ、宿敵ロス役のストラスバーグが助演男優賞にトリプル・ノミネートされた。

 コッポラ監督は作品、監督、脚色賞の個人3冠達成。また 『カンバセーション…盗聴』 でも作品、オリジナル脚本賞ノミネート(無冠だったがカンヌでは最高賞パルムドール)。
 そして父カーマインがN・ロータと連名で作曲賞を受賞し、妹T・シャイアは助演女優賞ノミネート。さらに言えば、編曲と衣装賞受賞 『華麗なるギャツビー』 の脚本を手がけたのもコッポラその人で、まさに「コッポラ・イヤー」きわまれりの印象だった。



 『THE GODFATHER PARTⅡ』

 製作/フランシス・フォード・コッポラ、グレイ・フレデリクソン、フレッド・ルース
 監督/フランシス・フォード・コッポラ
 脚本/フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ
 原作/マリオ・プーゾ
 撮影/ゴードン・ウィリス
 音楽/ニーノ・ロータ、カーマイン・コッポラ
 美術/ディーン・タヴァラリス、アンジェロ・グレアム
     ジョージ・R・ネルソン
(装置)

 コッポラ=パラマウント/178分
 
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