【画像一覧】 2014.11.30 (Sun)
2014年11月の画像一覧
【アカデミー賞全作品】 2014.11.29 (Sat)
『ウェストサイド物語 (1961米)』

≪感想≫
時代にそってミュージカル映画を追っていくと、いかに本作が規格外の躍動感にあふれていたかを実感できます。当時はちょうど、戦後生まれのベビー・ブーム世代が思春期に入る頃。パワーがハンパじゃない。
カメラも上から下から、躍動します。整然とした摩天楼からうす汚れた下町へ・・・、N.Y.の空撮から指パッチンにポンポンポンと寄るopシーンからゾクゾクもの(ワイズ監督は『サウンドオブミュージック』でもっとすごいことやりましたね)。そして例のチャキリスたちのダンス! 低い位置から仰ぎ見るさまは、舞台劇場にいるかのような奥行き感。それがカメラの目の前まで迫ってくるのだから。映画と舞台劇の良さをぜいたくに見せてくれます。
作曲バーンスタインがつくる中南米のリズムも好き。一方で、古典を題材にしたお話は安心感があるけど、今となっては新味に欠けるのが乗りきれなかった理由です。
オスカー度/★★★★
満足度/★★☆
『ウェストサイド物語 (1961米)』
監督/ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ
主演/ナタリー・ウッド (マリア)
リチャード・ベイマー (トニー)
ジョージ・チャキリス (ベルナルド)
ラス・タンブリン (リフ)
リタ・モレノ (アニタ)
≪あらすじ≫
リフ率いる“ジェッツ”とベルナルド率いる“シャークス”、両ギャング団が対立するニューヨークの下町ウェストサイド。一触即発の中で催されたダンス・パーティで、リフの兄貴分トニーとベルナルドの妹マリアが恋に落ちる。人目を忍んで愛を歌うふたり。しかし両派の抗争は激化の一途をたどる。
≪解説≫
舞踏家ロビンズ、作曲バーンスタイン、監督ワイズ・・・、英米の名手が結集したN.Y.版 『ロミオとジュリエット』。
有名な 『トゥナイト』 をはじめとする名曲群、スタジオを飛び出しての市街ロケ、ダンスを体のパーツごとにとらえる大胆なカメラ、若さの暴力的な爆発・・・すべてが従来のスケールを超えるダイナミズムにあふれ、ミュージカル俳優のバイブルに。ハリウッド伝統のMGMミュージカルを完全に過去のものに追いやった。
またイタリア系*にヒスパニック(プエルトリコ)という、不当な差別を受けてきた少数派移民の社会とその対立を、娯楽の前面に据えたのも挑戦的だった。(*原作ではジェット団はポーランド系。)
≪受賞≫
アカデミー作品、監督(ワイズとロビンズ)、助演男優(G・チャキリス)、助演女優(R・モレノ)、撮影、ミュージカル音楽、美術、編集、音響、衣装賞の計10部門を受賞。(候補11部門中) またロビンズの振り付けに対して名誉賞。
(他の作品賞候補 『ニュルンベルグ裁判』 『ハスラー』 『ナバロンの要塞』 『ファニー』)
『ベン・ハー('59)』11勝に次ぐ2ケタ勝利。最大のライバルであった硬派歴史政治劇 『ニュルンベルグ裁判』 (2/13勝)を圧倒した。逃したのは脚色賞のみ(勝者は「ニュルンベルグ」)。
主要部門は初めてづくし。ふたりの監督の受賞は史上初(ほか'07年コーエン兄弟の例あり)。
演技賞の4人はみな 「初ノミネート初受賞」。 うち主演女優賞はイタリアの人気女優ソフィア・ローレン(『ふたりの女』)、主演男優賞は独墺のマクシミリアン・シェル(『ニュルンベルグ裁判』)と欧州勢がW制覇。ローレンにいたっては非英語映画で初の演技賞。
またプエルトリコ人のR・モレノはヒスパニック系初の演技賞(プエルトリコはアメリカの自治領。助演男優チャキリスはギリシャ移民2世)。
『WEST SIDE STORY』
製作/ソウル・チャップリン
監督/ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ
脚本/アーネスト・レーマン
原作/ロバート・E・グリフィス
撮影/ダニエル・L・ファッブ
音楽/レナード・バーンスタイン(作曲)
ソール・チャップリンほか(音楽監督)
美術/ボリス・リーヴェン、ヴィクターA・ギャンガリン
編集/トーマス・スタンフォード
音響/フレッド・ヘインズ
衣装/アイリーン・シャラフ
ミリッシュ、B&P=ユナイト/151分
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【 禁煙物語】 2014.11.25 (Tue)
禁煙物語・2ヶ月 『甘い生活』

禁煙2ヶ月経過 (※2005年5月)
何かとタバコを意識していた最初の1ヶ月に比べると、続くこの1ヶ月はむしろタバコがないほうが普通に。
油断して1本・・・という心配もなし。
ただし、タバコの麻痺作用が薄れたのかどうか、体のあちこちに小異常がちらほら。
また、不摂生が過ぎて太ってしまった。これは禁煙のせいにしたくない。
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【このアート!】 2014.11.21 (Fri)
ウフィツィといえばボッティチェリ

上野の東京都美術館で開催中の 『ウフィツィ美術館展』。
かのメディチ家がつくらせたルネッサンスの至宝の数々。それらを一手に受け継いだイタリアを代表する美術館ですが、意外にも日本ではじめての本格展とか。
とにもかくにも 「ウフィツィといえばボッティチェリ」・・・
・・・その2大傑作 『ヴィーナスの誕生』 と 『春<プリマヴェーラ>』 はさすがに来ていませんが (来てりゃ世の中ひっくり返ってるよね)、もうひとつの代表作 『パラスとケンタウロス』 は晴れて来日してくれました。(上の写真)
『春<プリマヴェーラ>』 もそうですが、女性の体のラインなり肉付きの不自然なこと。ケンタウロスの首のかたちもヘンなので、ボッティチェリって実はヘタだったんじゃ?とすら勘ぐってしまいます。(当時は工房の分業制なので、今のマンガ・アニメ界にもある「作画崩壊」ってやつかもしれない。)
晩年は、「メディチ・バブル」 の反動で起こった超・禁欲ブームに感化され、自作の数々を火にくべて喜んでいた歴史的アホな人。一時の熱狂から覚めた時はすでに遅し。フィレンツェも彼ボッティチェリも、次世代のダ・ヴィンチやミケランジェロらローマ派に時代の主役を明け渡してしまっていた。
でもそれを抜きにしても、名作群の代表者・シンボルとして他に代わりのない圧倒的な存在感と求心力。やっぱりポスターや教科書の表紙はこの人でなくちゃ。一方で親しみやすいというか、俗っぽい素顔が伝わってくるような人と作風だから不思議なんです。
もちろん、「ウフィツィといえばボッティチェリ」 だけではありません。
ボッティチェリの師匠フィリッポ・リッピの、おごそかさと血の通った人間味が同居する宗教画や、ルネサンスをしめくくる巨匠ヴァザーリの重厚・華麗な大作も素晴らしかった。むしろ今回、こっちのほうが収穫だった。(本音を言うなら、ラファエロのやわらかく美しい 『ひわの聖母』 や、ティッツィアーノの挑発的・官能的な 『ウルビーノのヴィーナス』 、このあたりも来てくれたらもっとボリューム満点、腹持ちもよかったのだけど・・・。)
以前、現地のウフィツィに行ったことがあるのですが、ミーハーな、観光旅行的な見かたをしただけでした。今回も出品が少し物足りなかった。だからもし 「3度目のウフィツィ」 にめぐまれるなら、もっとゆっくり、1週間くらい現地に通いつめて楽しみたいです。
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【アカデミー賞全作品】 2014.11.16 (Sun)
『アパートの鍵貸します (1960米)』

(白黒作品)
≪感想 (ラストにも言及)≫
ワイルダー作品といえば、前作 『お熱いのがお好き』 のような変化球が飛び交うドタバタ劇が好きなので、直球勝負の本作は拍子抜けでした。この同じチーム作品なら'63年 『あなただけ今晩は』 の荒唐無稽な「魔球」にこそハマった。
ラストは、ようやくふたりの恋が始まってハッピーエンド。そこからの山あり谷ありじゃないのね。熱烈な求愛もキスもなし。露骨なセックスを扱う話なのにセックスの露骨さをまったく!感じさせないのは褒めるべきなんでしょうか。
風刺と人情とペーソス、こっちの路線のほうが日本人好みだろうとは思います。
オスカー度/★☆☆
満足度/★★☆
『アパートの鍵貸します (1960米)』
監督/ビリー・ワイルダー
主演/ジャック・レモン (C・C・バクスター “バド”)
シャーリー・マクレーン (フラン・キューブリック)
フレッド・マクマレイ (シェルドレイク部長)
≪あらすじ≫
大都会ニューヨークの大手保険会社。平社員バドはアパートの自室を上司の逢引き用に提供しては、そのご機嫌取りに追われる毎日。彼はうわさを聞きつけた人事部長シェルドレイクにも部屋を貸し、念願の昇進を果たすが、部長の相手はバドが想いを寄せるエレベーター・ガールのフランだった。
≪解説≫
生き馬の目を抜く大企業を舞台に、しがないサラリーマンの悲哀と奮闘を描いた風刺喜劇。コメディの名匠B・ワイルダー監督が、前年の爆笑ドタバタ劇 『お熱いのがお好き』 から一転、ニューヨーク社会派の視点を交えてシニカルに描く。
名コンビ、J・レモンとS・マクレーンの軽妙なやり取りが光る。テニスラケットをパスタの湯切りに使うシーンが楽しい。
≪受賞≫
アカデミー作品、監督、オリジナル脚本、美術、編集賞の計5部門を受賞。(候補10部門中)
(他の作品賞候補 『アラモ』 『エルマー・ガントリー』 『息子と恋人』 『サンダウナーズ』)
諸作オスカーの決め手に欠ける中、保守派の大御所ジョン・ウェインの大作 『アラモ』 が有力とされたが、愛国心を問うようななりふり構わぬ宣伝工作が問題になり、都市部層の支持を固めた本作に勝利が舞いこんだ。
ワイルダー監督は製作(作品)・監督・脚本賞の3冠('45年作品賞 『失われた週末』 では監督・脚本2冠)。ヒロイン役のマクレーンはヴェネツィア映画祭の主演女優賞を受賞。
白黒映画としては最後の作品賞 (あえて白黒で撮った 『シンドラーのリスト』 『アーティスト』 などの現代作品を除く)。
『THE APARTMENT』
製作/ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
監督/ビリー・ワイルダー
脚本/ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
撮影/ジョセフ・ラシェル
音楽/アドルフ・ドイッチュ
美術/アリグザンダー・トローナー(美術)、エドワード・G・ボイル(装置)
編集/ダニエル・マンデール
ミリッシュ=ユナイト/125分
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【めざせ東大 !?】 2014.11.12 (Wed)
サマータイム、and the livin' is easy?

(フリーWikipediaより画像拝借)
11月はじめ、今年のアメリカの 「サマータイム(夏時間)」 が終わりました。
いつもなら向こうの知人から「終わったよ」っていう一言があるんですが、どっちも忘れていたので一瞬あわててしまいました。
反対に、これから夏に入る南半球オーストラリアではサマータイムが始まっています。日豪(アデレード)の時差は30分と元々めんどくさいので、こっちは忘れずにすみました。(時間に追われてちゃ意味ないって!)
サマータイムは 「日の長い夏期は時計を1時間早めて、日中を有効に使おう」 という制度。
緯度の高い欧米諸国では、夏と冬では昼夜の長さが大きく違うので、お日さまの有効利用はのっぴきならない問題。
反対に、昼夜の長さがあまり変わらない赤道近下の国には必要ない、って言われています。
≪向かない国≫
暑い国・・・早く帰宅してもまだ日があるので、各家庭で冷房をガンガン回すことになる。電力のムダ。
貧しい国・・・もともと日中に余暇をつくって有効に使う制度。そんな余裕のない国には向かない。
きっちりした国・・・コンピューター社会や、寸分狂わぬ規律を美徳としている社会。
日本の場合、夏は梅雨や酷暑・ヒートアイランドのほうが大変だから、昼間が増えてもありがたくなさそうです。子供にとっては1時間早まる放課後、PM2~3時の炎天下まっさかりに部活動やらせるのかよ、ってことにもなるし。・・・日本の教育や労働の過酷さを改善する方が先ですね。
それでも緯度の高い北海道ならサマータイム向きと言われています。 (年の半分だけど)金融市場は1時間早く開いて有利になるとか。日韓が組んだらより効果がありそう。
ぼく個人はと言うと、正直どっちでもいいです。高緯度にいると 「昼間が増えてラッキー♪」 の気持ちはよく分かる。でも四季折々の 「時間」 は経済効率だけではかれるものじゃないしね。
まずは意識の高い人たちから、自分の会社・学校だけでも試してみたらいかがですか? 毎度毎度の 「一億総右にならえ」 じゃなくてもいいでしょ。外国のサルマネも、「日本には向かない」と決めつけるのもいやだ。
アジアの北に、国境を越えた 「サマータイム経済圏」 なんて夢があるじゃない。
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【 禁煙物語】 2014.11.05 (Wed)
禁煙物語・1ヶ月 『新しい風』

禁煙1ヶ月経過 (※2005年4月3日)
1.古傷の歯がズキズキ。たばこの麻痺効果が切れたから? 完治を期して歯科医へ。
2.肌のモチモチ感に気付く。乾燥の冬が終わっただけだったりして・・・?
3.しまっておいた春服に、タバコ臭が残っていてショック。
4.残存するタバコを回収・整理。けっこうな数が集まったので、周囲の喫煙者に大盤振る舞い。
これって親切なのか?
5.今、この場のように回顧すると吸いたくなる。禁煙初期の「肺にガツン」欲求や、
中期の「何となく吸いたい」気分など、これまでの心理が同時によみがえってくる。
ただ実行するつもりはない。
--そうだ、“喫煙”することは“勇気”がいることと考えたらどうだろう?
6.1年ぶりに献血に行く。・・・後日、血液検査の結果が届いたが、特に変化なし。
今までどおり、すこぶる健康。
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【 ベランダでメダカ】 2014.11.01 (Sat)
メダカ新加入
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ベランダ飼育のメダカたち。
今年の稚魚は1匹しか生き残れなかったので、現在わずか5匹。
ストレスなく過ごすには少ないほうがいいんだけど、子孫繁栄には心もとないし、
ちょうど新しい血を加えるいいチャンス。
そこで夏のうちに3~4年ぶり、新入りを買ってきました。
近所の金魚屋さんで4匹100円。一番安いただの 「ヒメダカ」。
これ以上安いと他種のエサ用らしい。病気予防の薬を投与されていなかったり、
店頭に並ぶまでぞんざいに扱われていたりするので注意。
その点、お店の人に確認するのをおすすめします。
写真のメダカは、少し太めでお腹が白みがかっている左がメス、スリムな右がオスです。
(お腹の下の尻ビレを比べるとカンタン。細いほうがメス、ヒラヒラ大きいほうがオス。)
・・・あ、どっちもオリジナルメンバーでした。
ひと回り小さい新加入組と仲良くできるかな。
毎年特別な備えはしてないのだけれど、あとはメダカたちが無事に冬越えしてくれるだけ。
水草アナカリスがちゃんと残ってくれるか、そっちの方にやきもきしています。
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