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【アカデミー賞全作品】 2014.05.08 (Thu)

『紳士協定 (1947米)』

第20回アカデミー作品賞~~ユダヤ人差別にメス

20 紳士協定

 ≪感想≫
 説教くさいセリフにG・ペックの大根芝居、その退屈さは教育映画を見るよう。この描き方では当時の米国内の社会状況が断片的にしか伝わらないので、主人公の苦心やら名案やら奮闘やらが浮いて見える。説明的なくせに説明不足だ。
 そもそもユダヤ人と偽って近親者をも欺き、その良心を試すようなやり方はいかがなものか。独善、偽善すぎる。

 オスカー度/★★☆
    満足度/★☆☆



 『紳士協定 (1947米)』

 監督/エリア・カザン
 主演/グレゴリー・ペック (フィル・グリーン)
      ドロシー・マクガイア (婚約者キャシー・レイシー)
      セレステ・ホルム (フィルの同僚アン・デットリー)
      アン・リヴェア (フィルの母)
      ジョン・ガーフィールド (フィルの旧友ゴールドマン)

 ≪あらすじ≫
 アメリカ国内でも根強いユダヤ人差別。ニューヨークに赴任したルポライターのフィルは、その実情を知るため、自身がユダヤ人に成りすましての生活を試みる。しかし暗黙のうちに張り巡らされた差別の「紳士協定」は、想像を越えるものだった。一方で彼の奮闘は、婚約者のキャシーをも混乱させる。

 ≪解説≫
 それまでタブーとされてきたアメリカ国内のユダヤ人差別に、初めてメスを入れた社会派ドラマ。
 ――ハリウッド内に大きな力を持つというユダヤ系。そもそも彼らのアメリカへの移民は、ヨーロッパ各地での差別・弾圧が強まった19世紀末からと、比較的遅め。金融や娯楽産業で地位を成したのは、大きな土地がもう残っていないハンディの裏返しでもあった。
 そしてあの忌まわしきホロコーストからの解放・・・。しかしイスラエル建国を目指す 「シオニズム」 思想の高まりは、当のユダヤ人たちにとっても賛否の分かれる、腫れものに触るような難題だった。その映画化を危惧する声もあがる中、自身ユダヤ系である大プロデューサー・ザナックの肝いりで、同じユダヤ系のカザン監督や脚本家を揃えて本作はつくられた。(ちなみに主演G・ペックは、アングロサクソンやアイリッシュなど英連合内の各系を継いだ人だったと記憶しています。)
 '46年に結審したニュルンベルク軍事裁判、授賞式('48.3)直前には同じ会場で映画人たちの反「赤狩り」決起集会、そして直後のイスラエル独立宣言('48. 5. 14)・・・、そんな終戦後の 「政治の季節」 に支持を集めた。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、助演女優賞(C・ホルム)の計3部門受賞。(候補8部門中)
 (他の作品賞候補 『十字砲火』 『大いなる遺産』 『三十四丁目の奇蹟』 『気まぐれ天使』)

 主人公の良き理解者となるクールな編集者を演じたC・ホルム。大戦後あたりからこういう 「強い女」 像が評価されるようになったが、じつにカッコイイ。

 ライバル作 『十字砲火』 も同じくユダヤ差別を扱い、出来は上とされたが、製作陣が 「赤狩り」 の犠牲になり完敗した。
 ほか、V・デ=シーカ監督のイタリア映画 『靴みがき』 が特別賞。事実上の 「外国語映画賞」 として毎年選出されるようになり、'56年に正式に賞が設置(F・フェリーニ監督 『道』 が第1回受賞)。



 『GENTLEMAN'S AGREEMENT』

 製作/ダリル・F・ザナック
 監督/エリア・カザン
 脚本/モス・ハート
 原作/ローラ・Z・ホブスン
 撮影/アーサー・C・ミラー
 音楽/アルフレッド・ニューマン

 20世紀FOX/118分

 
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