【めざせ東大 !?】 2012.09.26 (Wed)

悪魔の数学 「リーマン予想」

リーマン・ゼータ関数
(これを「ゼータ関数」と言うらしい。合ってますか?)


 NHK-BSの再放送でやっていた≪リーマン予想≫の特集がおもしろかった。
 ≪リーマン予想≫とは、もうこれ以上割り切れない数 「素数」 に関する、数学最大の難問のひとつ。


 「ゼータ関数のゼロ点は、すべて一直線上に存在する」



 2、3、5、7、11、13、17・・・521、523、541、547、557・・・
 ・・・8100259、8100263、8100283、8100343、8100349・・・

 一見、飛び飛びの不規則な並びで現れる 「素数」 ですが、これを 「ゼータ関数」 という数式に当てはめてチョチョイと計算すると、答えがぴったり一直線上に並ぶのだとか。

 「素数の並びには法則性がある?」

 ・・・実際はまだ正しいと証明されたわけではないけど、19世紀ドイツのリーマンという人が 「そうなんじゃない?」 と予想したので、これを≪リーマン予想≫と呼びます。


 ところがもし、これが100%解明されたなら、世の中は大変なことになります。
 「素数」 は各種暗号にも広く使われているので、軍事、経済、個人情報保護が丸裸にされてすっぽんぽんに。 「リーマン予想を解いた者は人類の敵」 とジョーク半分で言われるほどで、アメリカなどは国ぐるみで動いているのだとか。

 また 「素数」 の数式は 「原子核」 の数式にも似ているとされ、それは万物の創造をつかさどる 「宇宙の設計図」 かもしれないと言うのです。


 こんなにすごいらしい素数さん、ぜひ仲良くしておかなければ。
 ネットで「リーマン予想」 と検索しても、ろくな説明が返ってこない。この番組は、これだけ分かりやすく噛み砕いて説明してくれたことがありがたかった。

 あと、精神を病む者、自ら命を絶つ者、「リーマン予想などウソだ」 と言い出す者・・・、この難問に挑み、むなしく散っていった天才たちの系譜も鬼気迫るものがありドラマチックでした。 数学には芸術にも似た・・・いやそれ以上の、人生と人格を狂わす 「悪魔」 「魔性」 「タブー」 の魅力があることがひしひしと伝わりました。 芸術と違って、答えがひとつしかない事のおそろしさ・・・!

 ちょうど先日、「≪ABC予想≫という難問も解明か?」 というニュースがあったばかり。時間をかけて、この特集番組も作ってほしいです。

 
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【ヒッチコック全作品】 2012.09.22 (Sat)

『三十九夜 (1935英)』

(ヒッチコック全作品) 
18.三十九夜

 ≪感想≫
 初見が遅めだったのが災いした。あれこれ詰め込んだ割には小ネタばかりでほとんど印象に残らない。 「“巻き込まれ型”の原点」 「イギリス時代の代表作」 と言われるとのちの傑作群と比べてしまい、スケールの見劣りばかりが目立つ。
 そもそも、行きずりの民間人に国家機密をベラベラしゃべる女スパイの設定がバカげている。追われる身となった主人公も、態度や行動がわざわざ事を荒立てる方向ばかり。作為が過ぎて不自然。盛り上げ方・つじつまの合わせ方が無粋だ。(*【続き…】へ)

 何より、主演の男女2俳優は華があってとても魅力的なのに、粗暴な男と軽い女、あてがわれたキャラクターが好きになれずもったいなかった。
 (男女が手錠でつながれるアイディアは色っぽくてワクワクするのに、ヒロインの胸ぐらを締め上げて 「なぜ信じない?俺の言うことを聞け」 って、なんてひどい男だ。 ヒロインもさんざ乱暴されたのに、男が無実だと分かった途端、うっとりとその寝顔をのぞきこむなんて!)

 ラストの 「記憶男」 は個性的でドラマチックだった。本筋がどうにもイマイチなので、あの幕切れで十分いい。



 A・ヒッチコック監督第18作 『三十九夜 (1935英)』

 出演/ロバート・ドーナット (ハーネイ)
     マデリン・キャロル (パメラ)
     ゴッドフレー・タール (ジョーダン教授)
     ルッチー・マンハイム (アナベラ)

 ≪あらすじ≫
 ロンドンで暮らすカナダ人外交官ハーネイは、謎の美女アナベラと知り合うが、悪の陰謀を阻止するスパイだという彼女は何者かに殺されてしまう。殺人犯の汚名を着せられたハーネイは、アナベラ最期の言葉 「39階段」 の意味を解くためスコットランドに向かう。

 ≪解説≫
 イギリス時代の代表作のひとつ。
 普通の人間が事件に巻き込まれ、無実の罪を着せられるという 「巻き込まれ型」 サスペンス。これはヒッチ作品の重要なスタイルで、後の傑作『北北西に進路を取れ』の原型にもなった。
 ヒロインのM・キャロルは、ヒッチコック作品初の“クール・ビューティ” (知的でクール&セクシーなブロンド女優)であったと、ヒッチ自身が公認している。
 また主役のR・ドーナットもハンサムな色気とユーモアがあり、ヒッチお気に入りの俳優であった。(契約の問題やドーナットが病気がちなためこの1本だけに終わったが、のちに 「彼を使いたかった」 「彼を想定した」 としばしば名前を挙げている。)

 原作のバガンはヒッチが最も影響を受けた作家であった。その作品は、冒険の中にも詩的な奥ゆかしさやユーモアをたたえていたという。ヒッチはそれをイギリス的な 「understatement」 (「嫌い」 を 「好ましくない」 、「良い」 を 「悪くない」 と言い換えるような、慎みや皮肉が込められた表現) だと説明している。

 ≪この頃・・・≫
 当時のイギリス映画界は、デヴィッド・リーンやキャロル・リードら名匠が世に出る直前の低迷期。演劇界が強い同国では、映画は労働者階級の娯楽として軽視されていた。その中で36歳ヒッチは孤軍奮闘、イギリス映画界を背負って立つ存在にまでなる。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 6分、ミュージック・ホールの外、やってきたバスの前を通り過ぎる。ゴミをポイ捨て。



  『THE 39 STEPS』

 監督/アルフレッド・ヒッチコック
 脚本/チャールズ・ベネット、アルマ・レヴィル(ヒッチ夫人)
 原作/ジョン・バカン
 撮影/バーナード・ノウルズ
 音楽/ヒューバート・バス
 製作/マイケル・バルコン

 ゴーモン・ブリティッシュ社 81分
 
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09:24  |  ヒッチコック全作品  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【北斗さんちの拳】 2012.09.19 (Wed)

北斗さんちの拳 ④

ジャギの好き嫌い(70)


「ジャギちゃん、しいたけも食べなさい」
「うっせー、バーロー」
「きざんだら食べられるっていってたでしょ」
「くそあにき」


  
『北斗の拳』
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18:51  |  北斗さんちの拳  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【北斗さんちの拳】 2012.09.17 (Mon)

北斗さんちの拳 ③

トキの牛乳(70)


「にいちゃん、ぼく牛乳ぜんぶのめたよ」
「トキはえらいねえ」



  
『北斗の拳』
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【北斗さんちの拳】 2012.09.14 (Fri)

北斗さんちの拳 ②

ジャギのいじめ(70)


「これ、ジャギちゃん やめなさい」
「きっと あかちゃんがえりなんだよ」


  
『北斗の拳』
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20:06  |  北斗さんちの拳  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【北斗さんちの拳】 2012.09.11 (Tue)

北斗さんちの拳 ①

ケンのべんぴ(70)


「にいちゃん、ケンのうんち まだ出ないの?」
「秘孔がきくのは3日後なんだ」


  
『北斗の拳』
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19:51  |  北斗さんちの拳  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【ヒッチコック全作品】 2012.09.08 (Sat)

『間諜最後の日 (1936英)』

(ヒッチコック全作品) 
19.間諜最後の日

 ≪感想≫
 目的が定まらず盛り上がりに欠く冒険・・・。ヒッチ自身の 「主人公は任務に消極的なうえ、その失敗は不愉快で度が過ぎた」 という指摘がすべて。(邦題の意味はそういうことなのね。)

 ただ、スパイがチームで暗躍するという設定は、現代アクションにも通じていて楽しかった。それぞれの 「温度差」 も心理スリルとして利いていた。 とにかく好色のメキシコ人スパイを演じたピーター・ローレ! その存在感で、中途半端な主人公と軽いヒロインをカバーしてくれた。
 雪山の暗殺シーンで、離れた場所にいる愛犬が主人の危機を察して騒ぐというアイディアも面白い。 またチロリアン・ショーの場面、ヒロインの不安感をコインのガラガラ音があおったり、明るいヨーデルはミスマッチのショック効果をもたらしたりと工夫が見られた。



 A・ヒッチコック監督第19作 『間諜最後の日 (1936英)』

 出演/ジョン・ギールグッド (ブロディ/アシェンデン)
     マデリン・キャロル (エルサ)
     ピーター・ローレ (モンテスマ将軍)
     ロバート・ヤング (マーヴィン)
     パーシー・マーモンド (ケイファー)

 ≪あらすじ≫
 第1次大戦下、敵スパイ暗殺の命を受けたイギリス諜報部員ブロディは、アシェンデンと名を変えてスイスに飛ぶ。そこでアシェンデン夫人役のエルサや“将軍”と呼ばれる男と合流し、謎の紳士ケイファーを追いつめるのだが・・・。


 ≪解説≫
 風光明媚なスイスを舞台にしたスパイ・サスペンス。自身も諜報員だったモームのスパイ短編集が原作で、主人公「アシェンデン」はいくつか映像化されているらしい。

 本作は出演俳優とそのキャラクターに特長が見られる・・・
   ① 若き日の名優ギールグッドが映画初挑戦。
   ② ヒッチコック作品初の 「クール・ビューティー」(ヒッチ公認)のM・キャロルが、
     前作 『三十九夜』 に続いて登場。
   ③ 本作の悪役は、ヒッチ作品の重要な傾向のひとつである 「上品で紳士的な
     魅力ある悪役」 の第1号であった。(のちの 『ダイヤルMを廻せ!』 のR・ミラ
     ンド、『北北西に進路を取れ』 のJ・メイソンなど。)

 ・・・が、その肝心のキャラ作りがことごとく軽い。 救いは個性派P・ローレ、彼の怪演に尽きる。


 ≪裏話≫
 ヒッチは理想の女優像 「クール・ビューティー (知的でクール&セクシーなブロンド女性)」 であったマデリン・キャロルに対し、かしずかんばかりに尽くしたかと思えば、サディスティックにしごいたり、わざと奇抜で醜い演技をやらせたりと、病的なまでにご執心だったという。
 のちのI・バーグマンほかお気に入り女優にも同様の態度で接しており、中にはあからさまでマズいセクハラ・エピソードも。
 醜く太った自分への嫌悪と、それでも絶世の美女を支配したいという攻撃的な欲望・・・、その欲望を芸術に叩きつける偉大な才能があり、それが許された時代ではあったのだが。


 ≪ヒッチはここだ!≫
 不明。
 序盤、船を降りる主人公の前のヒゲの男かもしれない・・・という情報があるが別人では?



  『THE SECRET AGENT』

 監督/アルフレッド・ヒッチコック
 脚本/チャールズ・ベネット
 原作/サマセット・モーム
 撮影/バーナード・ノウルズ
 音楽/ルイ・レヴィ
 製作/マイケル・バルコン

 ゴーモン・ブリティッシュ社 83分

 
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【アメリカ映画】 2012.09.03 (Mon)

ジャームッシュの 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』


 ジム・ジャームッシュ監督の出世作 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』 をはじめて観ました。1984年米・西独。
 ぼく自身、色気づいたお年頃にはジャームッシュはもうオシャレの最先端じゃなくなっていたので、ずっと見そびれたままだったのですが、いや~よかった、評判どおりよかった。


 国を捨て、言葉を捨て、名前も変えてあこがれのニューヨークで暮らすウィリーのもとに、故郷ハンガリーからいとこのエヴァが身を寄せてくる。はじめは迷惑がるウィリーだったが・・・


 乾いたモノクロ画。ぶっきらぼうな沈黙と、映像編集。

 ・・・はオシャレなんですが、ヒロインのロングコート、男たちの帽子やカーディガン・・・、彼らのとにかくダサいファッションからは、東欧っぽいニオイがプンプンしてきます。(終盤の、ヤク中の黒人男のカッコには笑った。「メ~ン、ピース!」
 それに、それにだよ・・・


 ・・・はじめは迷惑がるウィリーだったが、再びエヴァが旅立つとなると、途端にさびしさが込み上げてくる。エヴァ会いたさに、親友のエディとクリーヴランドまで車を飛ばすウィリー。そこですっかり盛り上がった3人は、バカンスを気取って 「パラダイス」 フロリダへと繰り出すのだが・・・。


 ・・・それよりなんだ? アメリカなのにアメリカっぽさゼロのロケーションは!?
 ここがニューヨーク?
 北のエリー湖は一面霧で何も見えず。雪に覆われた駅の操車場は、旧ソ連の労働風景みたい。
 夢のフロリダはというと、「Welcome to Florida」 というペンキ看板だけでフロリダってことになっています。

 「西ドイツ製作」 ともあるし、ぼくはこの日実際に見るまで、ずっとヨーロッパの話だと思っていました。ほんとにここはどこなんだ!?

 ・・・でも、そこに打ち抜かれた。

 それが「パラダイス」と呼ばれる夢の国の、真の正体なのかもしれない。
 よそに生きる 「異邦人<ストレンジャー>」 にとって、自分たちの居場所やアイデンティティが不安定なように、それを受け入れる夢の 「パラダイス」 の側だって、内心ビクビクして足元が危うかったりするのではないか。

 ぼくは 「感覚的なおしゃれ趣味」 だとか 「大胆な編集」 は実はどうでもよくて、「薄っぺらなパラダイス」 をこういう形で表現するのか、というジャームッシュの視点のユニークさにこそハートを打ち抜かれました。


 ・・・3人は 「パラダイス」 フロリダへ向かうのだが、話すこともない長旅、安宿、あげくの果てにギャンブルで有り金をスッてと踏んだり蹴ったり。 退屈な町の退屈な部屋で留守番ばかりさせられるエヴァは、その足でハンガリーに帰る決意をする・・・。


 (以下ネタバレ・・・) 最後、ウィリーはエヴァを追いかけてハンガリー行き飛行機に乗ってしまうのですが、誰よりもアメリカに憧れ、誰よりもアメリカに染まろうとしていた男が一番、故郷に帰りたがっていたのではないか、そう思わせる 「オチ」 が哀しくも滑稽だった。

 一方のエヴァはというと、結局飛行機には乗らず元の安宿に戻ってくる。とくに目的もなく、夢の国アメリカを冷めた目で見ていたこの女は、それでも意外としぶとく、この国で生き抜いていくのだろう。

 見せかけだけのパラダイスに飛び込んできた、孤独なストレンジャーたちの人生の皮肉。
 物語はそこで唐突に終わりますが、センスのいい絶妙の幕切れでした。

 
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