【エンタメ&テレビ】 2012.08.29 (Wed)

太陽にほえろ!第65話 『マカロニを殺したやつ』

 
タイトル(50)

  太陽にほえろ!第65話 『マカロニを殺したやつ』

 山さん(露口茂)に本庁栄転の話が持ち上がるが、彼にはひとつ心残りがあった。マカロニ刑事(萩原健一)を殺した犯人が、いまだ逮捕されていないことだ。一係の刑事たちの熱心な捜査も空回りするばかり。ところがマカロニの血がついたシャツが発見されたことから、事態は急展開を迎える。



 視聴者からも問い合わせが殺到したという、「マカロニ刺殺事件」 の決着編です。 ショーケンこと萩原健一さんは直接は出演していませんが、「殉職」 の瞬間など、思い出のシーンが随時挿入されます。
 立ち小便の最中にいきなり刺される 「カッコ悪い犬死に」 は、ショーケン自身が望んだ死に方だったそうですが、今回の結末も、ショーケンらしい 「やるせない皮肉」 にあふれています。
 それでも残された仲間たちの深い愛に見送られて、天国のマカロニ刑事も少しは浮かばれたのではないでしょうか。 同時に、ショーケンら学生運動世代の 「挫折感とその美学」 はそろそろ薄れつつあることも感じました。

 ところでその残された刑事さんたちですが、愛する仲間を殺した犯人を捕まえるためなら、何だってします。 理由も言わずいきなり街の不良を殴り倒し、人が行き交う往来でも平気で銃をぶっ放します。山さんは不良に向かって 「好き勝手なことを・・・」 と怒りの叫びを発しますが、あんたらに言われたかない。 途中、ボスが 「それじゃ暴力団と一緒だ!」 と叱ってくれたので、胸がスカッとしました。

 ただ、ラストはすばらしかった! シリーズ全話でも屈指ではないだろうか。(事実、『太陽』 名場面集で見た記憶がある。)
 署の屋上で、ボス(石原裕次郎)と山さんふたり・・・。栄転の話がご破算になり、お互い 「出世できない人」 と苦笑い。しかし山さんは言う、「私には仲間がいる」。
 そんなふたりの脳裏に浮かぶ、元気に走る在りし日のマカロニ刑事の追憶 (なつかしい旧opシーン)。 ふと街に目をやると、がむしゃらに駆けまわるジーパン(松田優作)の姿が。 今を生きる若い刑事のひたむきな情熱・・・、そうやって七曲署の刑事魂は受け継がれていくのだろう。ジーパンの力強い疾走で、完。

 監督:山本迪夫  脚本:長野洋、小川英  初放送:1973/10/12
 (参考・姉妹ブログ≪クラシック正倉院≫


 
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【ヒッチコック全作品】 2012.08.26 (Sun)

『サボタージュ (1936英)』

(ヒッチコック全作品) 
20.サボタージュ

 ≪感想 (※ネタバレあり)≫
 ヒッチ自身も悔いているように、映画の中とはいえ子供を殺すことに関しては問題があるが、そのシーン、「時計」と「少年」と「包み」を順に見せて時限爆弾の緊張を盛り上げるのは、ほれぼれするようなスリル演出のお手本 (しかも、当の少年は少年で、命じられたお使いの時間に遅れないか焦っているのだ!)。
 そのあと一言も発することなく復讐までもっていく、ヒロインの心理と行動の描写もさすが。(-‐-いつもの、ただのナイフが凶器になることに気付いた瞬間。良心と復讐心の狭間で揺れ動く手の動き-‐-) 派手なカメラワークだけではない、見る人すべてに意図が伝わる映像演出の確かさ・丁寧さにこそ、ヒッチコックが巨匠たるゆえんがある。
 また夫のためらい、焦り、見苦しい言い訳など、憎むべき犯罪者の側の人間像にも血が通っていてリアルだ。
 イギリス時代の作品で一番好きかも。



 A・ヒッチコック監督第20作 『サボタージュ (1936英)』

 出演/シルヴィア・シドニー (シルヴィア)
     オスカー・ホモルカ (ヴァーロック)
     ジョン・ローダー (スペンサー刑事)
     デズモンド・テスター (スティーヴ)

 ≪あらすじ≫
 シルヴィアの夫ヴァーロックは、映画館主に名を借りた破壊工作員。しかしスペンサー刑事に追い詰められた彼は、シルヴィアの弟スティーヴに爆弾を託す。何も知らないスティーヴ少年は・・・。

 ≪解説≫
 明るい市民生活にひそむ恐怖の影を描く。
 社会不安を煽るとして軍政日本やブラジルなどでは劇場公開が大きく遅れたが、ヒッチの優れた演出力をあらわす秀作として、今日では企画上映やヒッチを取材したドキュメンタリーなどでしばしば取り上げられている。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 不明。 (wikipedia には 「9分ごろ、停電から復旧した瞬間、明かりを見上げて左に見切れていく通行人」 とあるが、本当にこれか??)



  『SABOTAGE』

 監督/アルフレッド・ヒッチコック
 脚本/チャールズ・ベネット
 原作/ジョセフ・コンラッド
 撮影/バーナード・ノウルズ
 音楽/ルイ・レヴィ
 製作/マイケル・バルコン

 ゴーモン・ブリティッシュ社 76分
 
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【きょうのごあいさつ】 2012.08.23 (Thu)

なつやすみにっき⑳

 8がつ23にち (もくようび) はれ

 おふろのいすが割れました。

 おしりのおにくをはさみました。

 よぞらに ながれ星がながれました。

 おわり。

 
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【ヒッチコック全作品】 2012.08.13 (Mon)

『第3逃亡者 (1937英)』

(ヒッチコック全作品) 
21.第三逃亡者

 ≪感想≫
 「巻き込まれ型」の冒険劇はヒッチコック的なテーマの典型なのだが、主演の男女が文字通り「ヤング・アンド・イノセント」すぎて、とても話が軽く感じた (3年前の『暗殺者の家』では娘役だったピルビームはこの時18歳)。 スリルの中の軽妙なやり取りは、ケーリー・グラントくらいのオトナじゃないと似合わない。
 それでも冒頭、死体が発見された瞬間、カモメの映像をはさむセンスがかっこいい。踏切や炭鉱でのカー・スタントも「おっ」と思わせた。最後のクレーン撮影もしかり。 全体的に見せ場には欠くけれど、テンポはいいので退屈せず観ることができた。



 A・ヒッチコック監督第21作 『第3逃亡者 (1937英)』

 出演/デリック・デマーニー (ロバート)
     ノヴァ・ピルビーム (エリカ)
     パーシー・マーモント (エリカの父バーゴイン大佐)
     エドワード・リグビー (ウィルじいさん)
     ジョージ・カーズン (被害者の夫ガイ)

 ≪あらすじ≫
 偶然にも愛人の水死体を発見したため、殺人犯として逮捕されたロバート。しかし裁判所の混乱に乗じて逃亡、そこで警察署長の娘エリカと出会う。若く無邪気な彼女はロバートの無実を信じ、ともに真犯人を探して奔走する。

 ≪解説≫
 無実の罪で追われる主人公が真犯人を探して冒険する、ヒッチ初期の“巻き込まれ型”サスペンス。 若い男女に個性的な悪役・・・、渡米後に似た構成で練り直されたのが 『逃走迷路('42)』
 クライマックスのクレーン撮影がお見事。カメラが探索者の目となってさまよいながら、ググッと物語の核心にクローズアップするという映像表現は、このとき発明されたのだとか。

 ・・・ところで、邦題の意味は何だ? 『第三の男 ('49英-'52日)』 か? それともナチスの 「第三帝国」 に乗ったのか?(前'36年ベルリン五輪、同'37年日独伊防共協定。 日本劇場初公開は1977年。)

 ≪裏話≫
 この撮影時、ヒッチが契約していたゴーモン・ブリティッシュ社は、経営不振により製作部門を廃して配給事業のみに。ヒッチ育ての親マイケル・バルコンは社を去り、売れっ子のヒッチも身の割り振りを迫られる。
 撮影後の同'37年8月、ヒッチ一家は初めてアメリカを旅行。そこでハリウッド各社からオファーを受け、翌年、若き辣腕プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニック (『キングコング』 『風と共に去りぬ』 そして 『レベッカ』) と契約を交わす。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 15分、裁判所の入り口で、小さなカメラをかまえてオロオロしている記者。



 『YOUNG AND INNOCENT』

 監督/アルフレッド・ヒッチコック
 脚本/チャールズ・ベネット
      エドウィン・グリーンウッド、アンソニー・アームストロング
 原作/ジョセフィン・テイ
 撮影/バーナード・ノゥルズ
 音楽/ルイ・レヴィ
 製作/エドワード・ブラック

 ゲインズボロー製作、ゴーモン・ブリティッシュ配給 84分
 
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【アメリカ映画】 2012.08.08 (Wed)

『トータル・リコール (1990)』 吹き替え版

『トータル・リコール』


 テレビ東京系のBSジャパンで、映画 『トータル・リコール』 (1990米) をやっていました。
 主演はごぞんじ、アーノルド・シュワルツェネッガー。
 未来の火星を舞台に、人間の 「記憶操作」 をめぐって独裁者と戦う大ヒットSF映画。・・・もっともストーリーより映画の出来より、豪華声優陣の日本語吹き替え版に釘付けになりました。

☆  ★  ☆


 シュワちゃん役はもちろん!玄田哲章さん。 野太い 「うおおー!」 の叫びは、シュワちゃん本人よりシュワらしい。 鉄板。
 本作では悪役に向かって 「死ねぇぇ!」 とか、やたら物騒な決めゼリフも聞かせてくれます。


 その悪役コンビは、中村正羽佐間道夫のダブル大御所。
 『奥さまは魔女』 ナレで有名な 「ミスター紳士声」 中村さんは、冷酷な悪のボスも得意の役どころ。 知的で上品だからなおさら鼻につく (…って中村さんがじゃなくて)。
 かたや羽佐間さんはその野蛮な片腕として、民間人殺しまくりです (…ってハザマさんが、じゃなくて!)。
 鉄板2枚追加。


 主人公の相手役ヒロインは弥永和子さん。 『エイリアン』 のシガニー・ウィーバー役が有名かな。
 彼女はこういう 「ヒーロー映画を引き立てる相手役」 が多いのでなかなか目立たない方ですが、それだけ安心して聞ける指折りの実力派です。 本作もラストのキャスト欄で気付いて、「あぁ弥永さんか、そりゃ上手いわ」 と一番の納得でした。
 ちなみにご主人の大塚芳忠さんも、悪の子分でちょっとだけ出演してた。


 もうひとりのヒロイン、売れる直前のシャロン・ストーン役は小山茉美さん。 さすが、シャロンにぴったりの華のある声の演技。
 字幕版でも思ったのですが、ぼくはどこか地味ィなメインのヒロイン女優より、ぜったい脇のシャロン派です。 シャロンならだまされても文句言わない。言えない。


 ・・・ほか小川真司さんとか、麦人さんとか、辻親八さんとか、阪脩さんとか、ぼくが気付いたチョイ役の声だけでも豪華豪華。 おかずいっぱいの松花堂弁当より豪華でした。

☆  ★  ☆


 肝心の内容はというと、むかし 『日曜洋画劇場』 で何度も観たのに 「おばちゃんの顔パカパカ」 とシュワちゃんの 「出目金」 しか覚えていなかったのですが、今回、敵味方問わずの撃ちまくり殺しまくりにアゼンとしました。
 そりゃそうだ、監督はポール・ヴァーホーヴェン。
 さすが。 真骨頂。 別の意味で鉄板。 (バカまるだしのテレ東・木曜洋画劇場予告CMも、いい仕事してる!)


 今2012年、『トータル・リコール』 はリメイクされたそうですが、'90年当時からチャチかったCG特撮は、ずいぶん進化したんだろうな。
 でもぼくはこの 「黄金の日本語吹き替え」 がある限り、無駄にグロくてチャチい 「おばちゃんの顔パカパカ」 な旧版を愛しつづけます。
 有名なテーマ曲もカッコいい! ジェリー・ゴールドスミス!

 
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【なつやすみにっき】 2012.08.06 (Mon)

なつやすみにっき ⑲

鼻から麦茶(30)

 8がつ6にち (げつようび) あめ

 むぎちゃをいっきのみしたら、鼻からでました。

 ぼくのききかんりのうりょくは原発以下です。

 おわり。

 
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【ヒッチコック全作品】 2012.08.02 (Thu)

『バルカン超特急 (1938英)』

(ヒッチコック全作品) 
22.バルカン超特急

 ≪感想≫
 シンプルな構成、テンポの良い展開、あふれるユーモア、バラエティに富んだ登場人物たち。 誰にでも分かる誰にでも楽しい、娯楽映画のカガミ。何度も見たのに今回も90分があっという間だった。

 物語構成は分かりやすく3部。まず、カンヅメにされた山岳ホテルの珍騒動で、登場人物たちの人となりが紹介される。そこへ忍び寄る殺しの影が、何事かと気を引き締めさせる。
 それからいよいよ、列車内に消えた老婦人の怪。設定じたいが面白いし、それぞれに「理由」がある登場人物たちの個性がしっかり効いていて無理がない。
 そしてクライマックスの銃撃戦。 架空の国という設定ながら、時代は第2次大戦前夜。強大な敵にもひるまない勇敢な戦いぶりには、ただのドンパチではない意義や興奮が当時こめられていたのだろう。
 小道具使いなど細かい演出は意外と粗っぽかったが、楽しむにはじゅうぶんだった。



 A・ヒッチコック監督第22作 『バルカン超特急 (1938英)』

 出演/マーガレット・ロックウッド (アイリス・ヘンダーソン)
     マイケル・レッドグレイヴ (ギルバート)
     メイ・ウィッティ (フロイ)
     ノーントン・ウェイン (英国人カルディコット)
     バジル・ラドフォード (英国人チャーターズ)
     ポール・ルーカス (ハルツ博士)

 ≪あらすじ≫
 東欧バルカン山脈の小さな駅。雪で立ち往生をくらった旅行客が泊まるホテルで、人知れず男が殺される。翌朝、英国貴族の令嬢アイリス、青年音楽家ギルバートらさまざまな人たちを乗せて列車は出発するが、同乗した老婦人フロイがこつ然と姿を消す。アイリスは周囲にフロイの行方を尋ねてまわるが、皆が皆その存在すら知らないと言う・・・。

 ≪解説≫
 イギリス時代の代表作のひとつ。 翌年の渡米を控えて、ヒッチの名声をさらに高めた。
 謎に満ちたストーリーが実に奇想天外で楽しく、英米では後に幾度となくリメイクされている。(水野晴郎さんのあの怪作も、本作が元ネタだとか!?)
 後のイギリス映画界の御大M・レッドグレイヴが映画初出演 (若い! 3人の子ヴァネッサ、コリン、リンもそろって名優に)。 また、息の合った英国人コンビは、実際この役名で活躍していた喜劇コンビだそうだ。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 90分、列車が到着した物語終盤、ロンドン駅のホームをタバコを吸いながら歩いている。ちょこんと肩をすくめて。



 『THE LADY VANISHES』

 監督/アルフレッド・ヒッチコック
 脚色/シドニー・ギリアット、フランク・ローンダー (コンビで主筆)
      アルマ・レヴィル (ヒッチ夫人。夫妻は細かい直し)
 原作/エセル・リナ・ホワイト
 撮影/ジャック・コックス
 音楽/ルイ・レヴィ
 製作/エドワード・ブラック

 ゲインズボロー・プロ 97分
 
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