【きょうのごあいさつ】 2012.01.29 (Sun)

どこかで聞いたような話

サザエさん
『サザエさん』

 買い物しようと街まで、出かけたが、財布を忘れてしまいました。


 連れに払ってもらって事なきを得ましたが、肩身が狭い。

 どうせ中身は入ってないじゃんか、という話はさておいて。


 みんなに笑われた。

 子犬にも笑われた。

 るーるる るるっるー。

 今日も大寒波。

 
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【ヒッチコック米時代】 2012.01.26 (Thu)

『見知らぬ乗客 (1951米)』

(ヒッチコック全作品) 
37.『見知らぬ乗客』

 ≪感想≫
 何と言ってもロバート・ウォーカー!
 悪玉ブルーノは今日でいうストーカーのような偏執狂だが、得体のしれない怪物などではなく、育ちのよい洒脱さと、盲人の手を引いてやる優しい人間らしさも備えている。その一方で、極端な父への憎悪と母への偏愛・・・。その多面的な人間描写が画期的で、かつ現代社会の病理にも通じていて今なお怖ろしい。
 また、彼の母(マリオン・ローン)の不気味な過保護ぶり、ガイの妻ミリアムの「あばずれメガネっ子」な色気など、それぞれのキャラ造形と演技も光る。とくにヒッチの実娘パトリシアが演じた、ズケズケと残酷なことをいう犯罪マニアな妹のキャラクターが、辛口ユーモアとしても利いていておもしろかった。 (※山田康雄ほかのTV吹き替え版がお薦め! 下の【続き…】参照。)

 ヒッチの演出も、前作までの地味な英国ミステリー調から一転、アメリカ的な娯楽サスペンスに開眼して新境地を開拓。 事件のカギとなる眼鏡やライターといった小道具使いの巧さが冴え渡る。首を絞める手つきや遊園地のボート池での悲鳴など、細かいスリルを積み重ねる盛り上げ方もニクい。(唯一チェンバロ音楽が間抜けで興を削いだ。)



 A・ヒッチコック監督第37作 『見知らぬ乗客 (1951米)』

 出演/ファーリー・グレンジャー (ガイ・ヘインズ)
     ロバート・ウォーカー (ブルーノ・アントニー)
     ルース・ローマン (アン・モートン)
     パトリシア・ヒッチコック (アンの妹バーバラ)
     ローラ・エリオット (ガイの妻ミリアム)

 ≪あらすじ≫
 妻ミリアムとの離婚を望んでいる人気テニス選手のガイ。家路に向かう列車の中、ブルーノという見知らぬ男から、「父を殺してくれれば、ミリアムを殺してやる」と交換殺人を持ちかけられる。ガイはその申し出を一笑に付すが、ひとり暴走するブルーノは・・・。

 ≪解説≫
 「交換殺人」 をめぐってまとわりつく見知らぬ男の影・・・。 ヒッチはそれまでの低迷期を脱し、ヒッチ史における黄金時代の到来を告げた。
 原作は後の 『太陽がいっぱい』 で有名なハイスミスの長編第1作。 この映画がヒットしたおかげで人気作家としてブレイクした。 原作では (『太陽がいっぱい』にも通じる) ブルーノのガイに対する同性愛的な崇拝が強調されている。
 一方、ハードボイルド小説の雄チャンドラー (『探偵フィリップ・マーロウ』シリーズ) が脚本を任されたがヒッチとソリが合わず、ヒッチと若手オーモンドがほとんどを手直しした。

 撮影のR・バークスがヒッチ作品初登場。 彼は本作から(『サイコ』をのぞいて)『マーニー('64)』までを手掛けたヒッチ最高の右腕。本作でアカデミー白黒撮影賞ノミネート、『泥棒成金('55)』 では念願のオスカー受賞。

 ≪裏話≫
 愛人アンの妹バーバラを演じるのはヒッチの実娘パトリシア。父母両方の面影。ヒッチは縁故採用だと思われないよう、娘の応募を知った時から極端なくらい他人行儀で接したのだとか。
 また、悪役R・ウォーカーはこの怪演で一躍脚光を浴びるが、妻の女優ジェニファー・ジョーンズと大プロデューサーD・O・セルズニックの不倫に悩んで酒びたりになっており、本作の公開直後に32歳で急死してしまった。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 10分すぎ、列車から降りる主人公と入れ違いに、コントラバスを抱えて乗り込む。



 『STRANGERS ON A TRAIN』

 監督・製作/アルフレッド・ヒッチコック
     脚本/レイモンド・チャンドラー (初稿のみ)
         チェンチ・オーモンド (およびバーバラ・キーオン、ヒッチ&アルマ夫妻による)
     原作/パトリシア・ハイスミス
     撮影/ロバート・バークス  (アカデミー白黒撮影賞ノミネート)
     音楽/ディミトリ・ティオムキン

     ワーナー 101分
 
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【JAZZ】 2012.01.22 (Sun)

and, ジョン・コルトレーン

バグス&トレーン
トレーンとバグス

 ジャズ・サックス史上最大の巨人ジョン・コルトレーンは、他のいろんなジャズ・ジャイアントとの共演作を残しています。
 もともと下積みが長かったので、売れてからもサイドマンとしてあちこち顔を出していた。 勉強熱心な人だ。 また、人様の軒下を借りているので、奇をてらわず親しみやすい演奏が多い。 「はじめてのコルトレーン」 にもぴったりです。
 そこで、ぼくが知っている主な 「○○・アンド・コルトレーン」 作品を聴き比べてみました。

♪  ♪  ♪

 『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』 (1957)
 哲人モンクの下で学んだコルトレーンが、その師匠と肩を並べた事実上の出世作。
 ぼくはモンクの、あのトツトツとしたピアノがどうにも苦手です。ホント受けつけないんです。 ただ、後に 「シーツ・オブ・サウンド」 と呼ばれた音の洪水コルトレーンとは真逆の芸風に思っていたのですが、底辺でその哲学は通じ合っていたのかな、それくらいは感じました。
 ちなみに、あのタモリさんはぼくと逆の好み。大のモンク信者で、トレーンは 「はっきり言ってキライ」…だそうです。


 『ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン』 (1958)
 バレル(guiter)やトミー・フラナガン(p)ら、気心の知れあった仲間たちと軽やかに飛ばす快作。
 ぼくは 「機会均等」 を旨とする 「インタープレイ」 演奏より、俺が俺がとバトルしあう方が好きなのですが、これはインタープレイの理想的な成功例でしょう。 リーダー2人だけではなく全員が主役。 飛び出せ青春。
 この中では下の 『バグス&トレーン』 と並んで一番好き。 気軽に日常のBGMにできるヘビローな愛聴盤です。


 『バグス&トレーン』 (1959)
 ヴァイブラフォン(鉄琴)の第一人者、「バグス」 ことミルト・ジャクソンとの華やかな共演。 (※上の写真)
 両雄の正面衝突は避けた様子で、これもバトルというよりスマートに仕上がっていますが、演奏はスリリングでスピーディ。 ミルトのヴァイブはクリアーに冴えているし、トレーンも力強く自信に満ちている。 だからこそ、もっと両雄のカラミが聴きたかった。
 1959年は、歴史的名作 『カインド・オブ・ブルー (M・デイヴィス)』 と 『ジャイアント・ステップス』 の年。 コルトレーン版 「傑作の森」 時代の充実した一枚です。


 『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』 (1962)
 まさか、生ける伝説エリントンともやってたんですね。この名前が並ぶこと自体が想像できない。
 カルテット編成の中で、老エリントンはブルージーなソロ・ピアノ。日進月歩のジャズ界の最先端ではなくなったけど、黄金のビッグバンド時代とはまた違った味わいがあります。
 コルトレーンほか若手たちは、そんな大先生にあわせた温かい雰囲気。 企画モノと言えばそれまでですが、ファンへのごほうび感にあふれた佳品です。


 『ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン』 (1962)
 コルトレーンは年々、芸術的・哲学的な音作りにのめりこんでいく一方で、同'62年の人気作 『バラード』 など親しみやすい作品も数多く残しています。
 ボーカルのハートマンが中尾彬みたいな甘い重低音でささやく本作は、ジャズ・ビギナーも聴きやすい一枚。コルトレーンも正統派な演奏でとても分かりやすい。
 この頃になると、コルトレーンの方が名前が先になってますね。

♪  ♪  ♪

 ・・・ほか、兄貴分のマイルス・デイヴィスとも連名でやっているのですが、あれこれあるので省略しました。
 こうして見ると、相手に合わせる謙虚でおとなしい性格のトレーンですが、その兄貴マイルスの 『いつか王子様が ('61)』 の客演では、バリバリと最先端モードでぶっ放して、マイルスたちを置いてけぼりにしています。
 きっと、怒らせるとコワいタイプだったんだろうなあ。

 
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【  段ボール箱コンポスト】 2012.01.19 (Thu)

生ごみコンポスト、血に染めて

 ≪哀・コンポスト編≫
 
 昨年一昨年と 「段ボール箱0円コンポスト」、順調に生ごみ処理を続けております。普通の土に生ごみを入れ、「米ぬか」 と混ぜるだけ。 1週間もすればただの土くれに。冬限定なので虫もニオイもありません。
 ただ、ずっと楽しみにしている 「発酵熱」 を出すのがむずかしい。冬だけに、もともとの気温が低すぎるのでしょうか。


ミハル(50)
だめだよカイさん、どうすりゃいいのさ?
(ミハル・ラトキエ 『大西洋、血に染めて』)


ハクション大魔王なみの山盛りハンバーグを焼いた脂、(油脂は高い熱量<カロリー>)
床にひっくり返してしまった砂糖、(糖分は微生物のエサに)
小さく砕いたカニ殻・玉子の殻、(分解されにくいが、むしろ土の通気性のため)
肉や魚のトレーをゆすいだ血の汁も。(適度な水分は発酵の助けに。下水も汚さない。)



2013-2-17.jpg


 さらに夏じゅう貯めておいた 「麦茶がら」 をレジ袋いっぱい。(土のベース「もみ殻くん炭」のかわり)
この 「麦茶がら」 が効いた! 通気性が良くなって、翌朝ダンボール箱を触るとほのかに温かい!
 ごみ処理だけならただの土でもじゅうぶんですが、発酵熱を出したいなら、通気性の良い 「もみ殻くん炭2:ピートモス3」 や 「わら」 ベースのほうがいいようです。

 晩に帰宅したころは、もう普通の土の温度に。うまくいけば湯気が出たりお風呂くらい熱かったりするそうですが、それでもひとまずは目標達成です。


 ・・・微生物は枯葉を菜くずを魚のアラを、容赦なく分解する。次回、『生ごみコンポストに散る!』。
 君は、生き延びることができるか?


 (『機動戦士ガンダム』)
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【ヒッチコック米時代】 2012.01.16 (Mon)

『私は告白する (1953米)』

(ヒッチコック全作品) 
38.『私は告白する』

 ≪感想≫
 他人の罪をかぶってでも沈黙を貫くカトリック神父の姿勢は、同じキリスト教圏では異論反論があり受けなかったそうですが、部外者には 「そういうものか」 と単純に受け入れられた。 その設定はじゅうぶんキャッチーで個性的。
 また、我が身可愛さゆえに奸智に走る真犯人の下男は根っからの悪者ではないし、その妻のかよわい怯えも多面的な人間ドラマを期待させる。 M・クリフト以下俳優陣の演技は素晴らしい。緊張感あふれる出色の心理描写。

 ところが、そんな深い心理劇を期待させておいて踏み込みが甘く、中盤以降は並のメロドラマになってしまった。ヒロインが回想する平板な恋物語や、不倫の是非を裁判で長々と問うくだりは実に退屈で、ラストのアクションも取ってつけたよう。 現代でも通用する傑作になりえたのに、ヘンに世間におもねってしまったのが残念です。



 A・ヒッチコック監督第38作 『私は告白する (1953米)』

 出演/モンゴメリー・クリフト (マイケル・ローガン神父)
      アン・バクスター (ルース・グランフォート)
      O・E・ハッセ (オットー・ケラー)
      ドリー・ハス(ケラーの妻アルマ)
      カール・マルデン (ラルー警視)

 ≪あらすじ≫
 カナダ・ケベックのカトリック教会。ローガン神父は下男のケラーから殺人を犯したとの懺悔を告白される。しかし人妻ルースとの怪しい密会から、神父自身が容疑者にされてしまう。カトリックの戒律により、信者の懺悔を他言することはできない。神父はこのまま身代わりとなって罰を受けるのか・・・?

 ≪解説≫
 真実と戒律のはざまで苦悩する神父を描く。テーマが宗教とあって、ヒッチらしからぬ重苦しい作品となった。
 一方で、はまり役のM・クリフトが素晴らしい演技を見せる。娯楽第一のヒッチにとって、クリフトや刑事役K・マルデンら、このころ台頭してきた舞台畑・メソッド演技系の俳優とは合わなかったというが、その彼らの名演でもっている。

 ≪余話~カトリックとしてのヒッチについて≫
 アイルランド系のカトリック信者は、英国国教のイギリスでは厄介者あつかいすらされたマイノリティ。青果店を営んでいたヒッチコック家は、経済的に不自由はなかったものの社会的には下級階層に属していた。
 両親と寄宿学校から、カトリックの厳しいしつけと教育を受けたヒッチ少年。後に彼自身が述懐するほど度を外れた厳しさではなかったと思われるのだが、繊細な気質の少年にはたしかに大きな重しとしてのしかかった。
 表立ってはとくべつ熱心な信仰心を表明していたわけではないが、このとき叩き込まれた道徳観は、彼の生涯の人格形成に決定的な影響を及ぼす。
 すなわち、抑圧を打ち破るスリルへの衝動の一方で、破綻を恐れる用心深い自制心――。 隣りあわせの不気味さと品格は、作品やヒッチ自身のキャラクターに共通して見られる傾向になっている。

 ≪ヒッチはここだ!≫
 冒頭、石段の上を横切る。



  『 I CONFESS 』

 監督・製作/アルフレッド・ヒッチコック
     脚本/ジョージ・タヴォリ
          ウィリアム・アーチボルト
     原作/ポール・アンテルム
     撮影/ロバート・バークス
     音楽/ディミトリ・ティオムキン
  共同制作/バーバラ・キーオン

  ワーナー 95分
 
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【アメリカ映画】 2012.01.13 (Fri)

『追憶』 のハッピーエンド

『追憶』

  『追憶 (1973米)』
  監督/シドニー・ポラック
  音楽/マーヴィン・ハムリッシュ
  主演/バーブラ・ストライザンド
      ロバート・レッドフォード


 第二次大戦に前後する約20年間の、思想も人生観も正反対の男女の愛を綴った名作ロマンス。
 何といっても、バーブラが歌う同名の主題歌 『The Way We Were』 の美しさよ! (詞はちょっと甘ったるいけど。)
 都会的で洗練されたメロディのM・ハムリッシュは、このころ脂がのりまくり。(アカデミー主題歌賞。たしか同年 『スティング』 と併せてオスカー3冠達成。)

 ストーリーは、政治に人生にそして恋に積極的な女と、ひたすら優しく静かに受け止める男・・・。ひと昔前の男女の立場が逆転して描かれているところが'70年代の新しさでしょうか。
 子供のころは単純に、美人じゃないバーブラの容姿に魅かれなかったのですが、攻撃的で危なっかしいキャラクターは理解できた。 「マッカーシズム」といういまわしい魔女狩りを採り上げてみせたのも、本作がただのメロドラマに終わらないところです。

 ラストは、愛が終わったふたりの静かな再会・・・。
 そのとき彼女はまだ闘っていた!
 よく切ないラストと言われていますが、恋愛の成就だけが女の人生ではない。どこまでも信念を貫いて生きるヒロインの力強さに、むしろすがすがしく心地よい風が吹き抜けていきました。
 すばらしいラストシーンです。
 
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【ぐるめ…?】 2012.01.09 (Mon)

芋と竜

 
あけましておめでとうございます。

今年のお正月は、「昼間っから飲んだくれる」 と心に決めて過ごしました。

おせちを突っつきながら、朝昼晩にイモ焼酎を1合また1合。


子供のころは 「アル中おやじって、ご飯食べなくても平気なのかなあ?」 と不思議でしたが、

このたび、酒だけでもお腹がふくれることをしかと確認。

またひとつかしこくなりました。


そして、お正月気分が抜けきらないうちに、成人の日3連休がスタート。

赤茶色のビンがまた一本、軽い音をたてて転がりました。

あたまの音と似ていました。


2012賀正(80)

 
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【ヒッチコック米時代】 2012.01.06 (Fri)

『ダイヤルMを廻せ! (1954米)』

(ヒッチコック全作品) 
39.『ダイヤルMを廻せ!』

 ≪感想≫
 3D撮影やグレース・ケリー初登場などで語られる人気作で、派手なシーンもありますが、ヒッチの演出は意外にもオーソドックス。 そもそも場面がほぼ固定されたセリフ劇で、ヒッチ作品としては地味な設定。それでも緻密に練り上げられた原作の面白さを前面に立てて、自分は基本の映像演出に徹する・・・、セリフや心理の流れに自然に寄り添うその 「基本」 の巧さにうならされるのです。
 前半、夫と同窓生のやり取りなどは作為を感じさせないまま、あれよあれよとその殺害計画に引きずり込まれていきます。「そんなことを言われた相手はどういう顔をするのだろう?」 なんていう観客の興味に忠実に応えるカット割りやカメラワークで、長ゼリフも飽きさせない。
 じつは物語としてはさほど魅かれなかったのですが、文句なしに面白い 『裏窓』 や 『北北西…』 もいいけど、プロの演出の神髄を語るなら本作の方が重要かもしれません。

 それから夫役R・ミランドの名演が光る! その悪だくみの機転にほれぼれ、思わず彼を応援してしまうほど。 ヒッチ作品の特徴である 「知的で紳士的な悪役」 のすばらしい代表例です。
 作家にいみじくも真相を言い当てられた彼はどう切り返すのか。また、陥れられた妻はどうやって冤罪の危機を逃れるのか。それだけに最後、警察の偽装と小細工で一件落着・・・はいまいましく感じました。



 A・ヒッチコック監督39作 『ダイヤルMを廻せ! (1954米)』

 出演/グレース・ケリー (マーゴ・ウェンディス)
     レイ・ミランド (トニー・ウェンディス)
     ロバート・カミングス (作家マーク・ハリデー)
     ジョン・ウィリアムズ (ハバード警部)
     アンソニー・ドーソン (刺客レズケート)

 ≪あらすじ≫
 妻マーゴが推理作家マークと不倫していることを知ったトニーは、彼女を殺して財産を我が物にせんと企む。マーゴは夫が差し向けた刺客に襲われるが、正当防衛で男を殺して危機を逃れる。しかしトニーも後には引けない。暗にマーゴへの容疑をふくらませ、計画的殺人犯に仕立てていく。

 ≪解説≫
 ブロードウェイの大ヒット劇の映画化で、ヒッチはアパートメントの一室内に場面を限定して、舞台劇の雰囲気を再現した。揺れ動く三角関係と二転三転の謎解きは、推理小説を読むような味わい。

 娯楽の王座を脅かすテレビへの対抗策としてハリウッドが打ち出した、立体映像 「3D」 方式を採用。前後に奥行きをもたせた調度品の配置や、ヒロインが手前のハサミに手を伸ばす立体的な動きなどに3D向けの工夫がされている。特殊な撮影法のため、ダイヤルを回す指のカットは巨大なハリボテだとか。
 ・・・ただし業界の3D戦略は軌道に乗らず、ほとんどは通常の方式で劇場公開された。3D版は最新ブルーレイなど一部ソフトで見られる。

 その3Dに合わせて、ヒッチは 『ロープ』 『山羊座のもとに』 以来のカラー撮影 (以後 『間違えられた男』と『サイコ』以外はすべてカラー作品)。 もともとヒッチは3Dに乗り気ではなく、本当は白黒で撮りたかったらしい。3D撮影は色彩・照明などに制約があったそうで、赤みが目立つ色調は野暮ったくてヒッチらしくない。

 ヒッチコック映画最高の「クール・ビューティ」 G・ケリーが初登場!
 はじめヒッチはそこまで彼女に入れ込んでいなかったことと、3D撮影上の制約もあって輪郭が硬く、言うほど美しく撮ってもらってはいない。 それでもいきなりふたりの男との連続キスが、魔性の 「ヒッチコック・ヒロイン」 を体現していてたまらない。 (「不倫」 という不道徳なふたりが最終的に勝利するのも、本作の特徴。)

 ≪ヒッチはここだ!≫
 13分ごろ、同窓会の写真の中にいる。技あり!  映画雑学クイズの定番。



 『DIAL M FOR MURDER』

 製作・監督・脚本/アルフレッド・ヒッチコック
        原作/フレデリック・ノット
        撮影/ロバート・バークス
        音楽/ディミトリ・ティオムキン

        ワーナー 105分
 
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【京都・奈良&和ふう】 2012.01.03 (Tue)

『厳島観月能』 中継

厳島観月能 - Google 検索


  この年末年始、教育テレビでは東西の古典芸能をたくさん放送していました。
 恒例の 『第九』 やウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは見られなかったけど、歌舞伎や義太夫の中継はBGMがわりに堪能しました。

 中でもよかったのが、『厳島観月能』 (2日深夜)。 広島・厳島神社の能舞台にて。

 演目は世阿弥作の 『 融 』 (とおる)。
 今はさびれた旧跡に、かつてのあるじ源融(みなもとのとおる--光源氏のモデルにもなった--) の霊が現れ、往時の栄華をしのぶというもの。

 ライトアップされた水面のゆらめきが舞台に反射して、幻想的な陰影をかたちづくる。 栄華のはかなさ、一夜の昔語りにぴったり。

 新年の大河ドラマ (平清盛) の宣伝まる見えなのがイヤらしかったけど、再放送してくれるならもうけもの。TV欄に 『厳島観月能』 が載ってたら録画し直します。
 そしてぜひぜひ、一度生で観てみたいな。(清盛熱がさめた頃。)

 
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【★特別企画★】 2012.01.01 (Sun)

あけまして飛龍革命

飛龍革命


まっすぐに自分の思うことをやります。
いいすか?やりますよ。
遠慮なんかしてないです。本気です。
やります。

(藤波辰爾「飛龍革命」「モイスチャーミルク配合」)
    
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