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【欧州&世界映画】 2011.11.09 (Wed)

『ひまわり (1970伊)』

『ひまわり』


 戦争に引き裂かれた愛のてん末を描く、名作中の名作。

 ソフィア・ローレンはやっぱりたまらない。 日本人のぼくにとって、彫りの深い美女の基準はいまだにこの人。手の届かないあこがれ。
 ロシア(ソ連)の場面では白髪が入っているようで老けて見えたのだが、これは意図してだろうか? 飛び乗った列車の中で泣き崩れるヒロイン。訳も分からず見守るだけの現地のおばちゃんたち・・・。このおばちゃんたちがいいんだ。

 そんな哀しい再会の名シーンは、ちょうど物語半ばの60分ごろ。その後のお話もつつましく流れ、深い余韻のラストへ。
 あまり露骨にヨリが戻るといやらしいし、ロシアのかわいい奥さんに気の毒だが、愛の力だけではどうにもならない時間の流れとめぐり合わせがとても自然でせつない。 理屈をこねて愛の終わりを描くのではなく、沈黙の時間が現実を告げるだけ。
 デ・シーカ作品はやっぱりいいなあ。

 それから音楽。映画史に残るメインテーマはもちろんだが、このたびロシアの場面のテーマにも心打たれた。
 重苦しさの中にも鼻腔をくすぐる ひとしずくの甘いロマン。ひまわり畑のヒロインに寄り添うオーケストラは、華美ではないが決して野暮にはならず、どっしりと場面を引きたてる。
 ヘンリー・マンシーニもさすがだなあ。

 まったく、真の 「名作」 とはこのくらいのレベルを言う。


『ひまわり (1970年イタリア)』
監督/ヴィットリオ・デ=シーカ
音楽/ヘンリー・マンシーニ
主演/ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ


 
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