【京都・奈良&和ふう】 2009.08.29 (Sat)
歌舞伎+シェイクスピア 『NINAGAWA 十二夜』

NHK教育で歌舞伎版・シェイクスピアの『十二夜』 を中継していました。
演出は天下の蜷川幸雄大センセー。
双子の兄妹の妹が男装して仕官したことから起こる恋のもつれを、中世日本に舞台を移して描く。 (他愛もない造作もないことだが、オーシーノは 「大篠」、オリヴィアは 「織笛」 …、日本人に置き換えた名前がいちいちウケた。)
この 『十二夜』、大好きな 『テンペスト』 や 『から騒ぎ』 ほど読み込んでいなかったので、とても新鮮な気持ちで楽しむことができました。じっさい素晴らしかった。
なんといっても双子の兄妹の二役、主演の尾上菊之助さん!
可憐でたおやかな娘 (妹ヴァイオラ) とその男装 (シザーリオ)、たくましい青年 (兄セバスチャン) の三層・三様をみごとに演じ分けていて、耽美な異世界に引き込まれたような妖しさ艶めかしさ。
(シェイクスピア時代の西洋演劇もそうだったように、) 歌舞伎が培ってきた 「女形」 の、どこか倒錯した魔力のようなものが最大限に発揮されていました。
ただ、男装のまま素顔の女心を吐露する場面は、オカマっぽくてどうにも珍妙だった。背中を向けて後ろ向きで演じさせるとかなかったものか。
またクライマックス、兄妹の再会シーンは代役を使う平凡な見せ方。この2か所は客席から笑いが漏れたりせき払いが聞こえるなど、ぼくも含めて一気に緊張感がゆるんでしまったのが残念。
…はさておき、本筋の恋物語と並行して描かれるもうひとつの見せどころ、イヤミで尊大な執事マルヴォーリオをやりこめる大騒動は、これぞ 「シェイクスピア+歌舞伎」 コメディの真骨頂。
この喜劇パートの主役であるマルヴォーリオを演じた御大・菊五郎さんは、道化フェステとの二役。さしずめ大原部長と両さんの 「ひとり≪こち亀≫」 は、さすがの芸達者ぶり。
左團次さん演じるサー・トービー一派とのイガミ合いは、ひとつひとつのセリフ回しや仕草が本当にうまくておかしい。
ほか、最近TVドラマやクイズ番組で活躍している若手の亀治郎さんも、悪知恵がきく侍女マライアを軽妙かつハツラツと演じていて、実にあだっぽかった。
今回の中継はイギリス公演のものだったので、笑いのカンどころが少しずれていましたが、これは仕方ないところか。
ニセの恋文にだまされて全身まっ黄っ黄で現れるマルヴォーリオや、弁慶みたいなフル装備で決闘にのぞむビビリのサー・アンドルー (翫雀さん) などのビジュアルは、日本では大爆笑だったことでしょう。
そして演出面もすばらしい。シンプルだがビビッドに浮かび上がらせた美術装置・衣裳は一分のスキもムダもなくインパクト満点。 ハープシコードと長唄がコラボした音楽も刺激的だった。
とくに背景一面に張りめぐらせた鏡は、瓜ふたつの兄妹を指した 「living in my glass (第3幕4場)」 というセリフを受けての趣向か。 これは兄の合わせ鏡として育ち、今こうして男と女の鏡の間で揺れるヴァイオラの、まだ自立に至らない不安定なアイデンティティを表しているとみた。
…とまぁ、シェイクスピアの名作恋愛喜劇を、字幕なし、本物の実力派で見ることができたのは幸福な出会いでした。かれこれ3時間、テレビでは休憩なしの長丁場も、まったく飽きることなく熱中。
現在も好評ロングラン中だそうなので、これはぜひ劇場に行かなくちゃいけませんね!
公式HP http://www.kabuki-bito.jp/juniya/
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【 ベランダでメダカ】 2009.08.27 (Thu)
めだか成人式

赤ちゃんのころ
ベランダ飼育のメダカちゃん、この夏までに5匹の稚魚がメイン水槽の仲間入りをしました。
じゃかすか生まれましたが、無事に成長するのは10匹中1匹くらいか。
今年は稚魚用水槽を少し大きめ (10リットル) にしたので、まだ育ったほうです。
ただいま計12匹。
うちの発泡スチロール水槽 (電子レンジ大) ではこのくらいがベスト。

生まれたて (親魚との同居は体長1cmを超えたころに)
これからの秋冬、あと1匹くらい増えてもいいかな。
稚魚用に新しい発泡スチロール箱をもらってきて、寒さをしのげる屋内に設置しました。
夏が終わるんだねえ。
≪メモ≫
メダカは多産型だが、無事成長できるのはごく少数。稚魚はとにかくストレスに弱い!
水温・水質が安定する大きめの水槽に。水を揺らす水換え・つぎ足しをしなくてもいいよう。
直射日光や吹きさらしは厳禁。 雨粒は小さい体には致命的。 人の気配もできるだけ避けたい。
消化力が弱いのでエサの与えすぎにも注意。水槽に藻やコケ類がついていればじゅうぶんか。
くわしくは≪シリーズめだか⑦~卵と稚魚≫へどうぞ。
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【なつやすみにっき】 2009.08.24 (Mon)
なつやすみにっき ⑮
8がつ24にち (げつようび) くもり
花火をしました。
はしゃぎすぎて、かみのけをこがしてしまいました。
サスペンスのにおいがしました。
おわり。
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【全世界音楽】 2009.08.20 (Thu)
イムジン河、しみた。
1968年、伝説的音楽ユニットによる伝説的名曲 (原曲・高宗漢)。 朝鮮半島を南北に分断する川に、「誰が祖国をわけてしまったの」 との想いを託した望郷の歌。
当時、政治的配慮とやらから発売中止となったため、このメロディをモチーフにして 『悲しくてやりきれない』 が生まれた、というのは有名なエピソードです。
今では堂々と聴ける。いい時代 (まともな時代) になったものだ。
♪
(こういうリンクはよくないけれど・・・) リンク先の映像は、ライブCD 『フェアウェル・コンサート』 のボーナスとしてついていたものと同じ。どうやら口パクみたいだけど、「フォークル」 の温かくやさしいハーモニーに変わりはありません。
しみた。
父のレコードで聴いたフォークルの音楽、現時点で手に入るCDアルバムは全部そろえました。 「日本のビートルズ」 と言われたくらい、メンバーやブレインひとりひとりが希有な才人だった。彼らは各国の音楽を取り入れるセンスが抜群でしたが、この 『イムジン河』 はまた格別です。
ただ、アメリカでは 「9.11」 後の暴力の連鎖にあたり、オノ・ヨーコさんが 『イマジン』 を掲げて平和を訴えたように、この歌の著作権者も、そのくらいのことをやってほしい。 現実社会を動かすアピールと説得力を持ってはじめて、ほんとうの名曲になれると思う。
そんなことしなくても平和なのが一番ではあるけれど・・・。
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【ニュース&カルチャー】 2009.08.19 (Wed)
金大中氏を悼む
金大中 元韓国大統領が亡くなった。
彼の 「太陽政策」 の相手は北朝鮮ばかりだと思われているが、
彼に贈られたノーベル平和賞、理由はたしか 「周辺諸国との宥和」 にあった。
周辺諸国…つまり日本も大きな宥和の対象だ。
その日本人は、彼に応える力を持っているだろうか。
功罪相半ば、清濁あわせ持った人ではあっただろうが、
少なくとも日本から、ノーベル賞級の 「宥和」 の人材はまだ出ていない。(佐藤にその価値なし)
不屈の意志と努力で、民主主義を成し遂げた人。
アジア現代史の巨人に、合掌。
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【ぐるめ…?】 2009.08.16 (Sun)
うなぎサマータイム

「丑の日」 は値が張るので、ピークを避けてその前と後。 はふはふのうまうまでした。
そして今日も、スーパーでお買い得のかば焼きを買ってきました。
チョチョイとお酒をふって魚焼きグリルであぶると、さらにうまうま度アップ。
とろろ芋も買ってくるんだった。ハフハフ。
あまりにうまかったので1曲歌います。聴いてください。(1、2、スリー、ホー)
『うなぎタイム』 Music : George Gershwin
Lyrics : DuBose Heyward,nacchann0904
Summertime,
and the livin' is not easy
Fish are slumpin'
and the cost is high
Oh your daddy's raised
and your ma is Made in China
So hush, little baby
don' yo' cry (DON wo kurai)
うなぎちゃん
あんたの生態わからんねえ
シラスは不漁
値段はうなぎ登り
あんたのパパは養殖もん
ママは中国産
よしよし、いい子だ
うな丼だ
センキュー。 ぼくの胃袋は夏バテ知らずなので、あと200回くらい食べたいです。
今年じゅうに絶滅さしたる。
オリジナルはエラとジャニスの2大歌姫で。
Ella
Janis
【京都・奈良&和ふう】 2009.08.08 (Sat)
歌舞伎版 『シンデレラ』!
きょう土曜日のお昼、NHK教育で 『歌舞伎版・シンデレラ』 が再放送されます。
歌舞伎界のファン感謝祭≪俳優祭≫での、オールスター総出演・スペシャルな出し物。
2年前に偶然観た 『歌舞伎版・白雪姫』 にハラがよじれるほど笑ったので
楽しみにして本放送を観ました。
ヒロインの 『シンデレラ』 は前作 『白雪姫』 と同じく玉三郎さん。
でも一番のMVPは、いじわるな姉を演じた福助さんだ。
ギャルメイクと盛りヘアでアゲまくり。 がなりまくり。
普段を知るファンにはぜったい衝撃だったろうけど、益若つばさよりよっぽどかわいかった。
ほかにも左團次さんの「魔法使いのおばあさん」。杖がライトセーバーって!
いじわるな次姉役の橋之助さんは、「アゲ嬢」 な長姉とは正反対のブチャイクおてもやん。
やぶからぼうに出てきたナゾの歌舞伎役者役・染五郎さんのお茶目っぷり。
海老蔵さんはちょっと暴走しすぎ。
菊之助さんは 「エロ詩吟」 を披露。似てると思います!
そして前作 『白雪姫』 での怪演で、ぼくがすっかり心酔してしまった菊五郎大先生は、
チョイ役ながら 「おくりびと」 に扮装。 あの濃い顔に ありものの安っぽいカツラ、
どっから見てもモックンじゃないのに、有無を言わせぬ なりきりぶり。
ムダにすごい存在感に、今回もなんだか感動すらおぼえてしまった。
全体的に、けいこ量が足りなくてグズグズだったのが残念ですが、
セリフ噛みまくりの玉三郎さんなんてなかなか見られないから、
ファンにはもうたまらないことでしょう。
前回の 『白雪姫』 や その前々の『タイタニック』 『ベルばら』 なんかも再放送してほしいなあ!
そして次こそは実際に見に行きたいなあ!
公式サイト⇒http://www.actors.or.jp/moyoshi/haiyusai/sai_35_2.html
舞台のもようをレポート。
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【なつやすみにっき】 2009.08.07 (Fri)
なつやすみにっき ⑭
8がつ7にち (きんようび) はれ
ぼくは、目をあけたまま いびき がかけます。
だから かいぎ中でもばれません。
すっげー。
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【 ゴーヤ絵にっき】 2009.08.02 (Sun)
にがゴーヤ収穫

まずは土のプランターから2本。
「土」 は放置プレイにしていたので、15センチ程度とやや小ぶりです。
一方の水耕栽培は生育が遅れていましたが、ここへきて急成長。
1日で水を数リットル吸い上げる勢いです。(水温は土温より低かったから遅れた?)
採れたゴーヤは、ウィンナーと炒めて朝ご飯になりました。
いれたてのコーヒーと交互に口にしたら、悶絶するような苦み。
お口の中で、三國連太郎とジョージ・クルーニーがダンシングしているような渋さです。
ベランダには今、舘ひろしと天知茂とティナ・ターナーがぶら下がっています。
そう思うとちょっと怖いです。

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