FC2ブログ

【アメリカ映画】 2009.06.10 (Wed)

吹き替え映画まつり

 
 ここ1~2週、テレビの洋画劇場では 『ダイ・ハード』 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 『ターミネーター』 と、名作アクション映画のオンパレードでした。これらは同時に 「二ヶ国語吹き替え」 の名作でもあります。吹き替えマニアには、もうたまりません。


 『ダイ・ハード』 (日テレ)
 ブルース・ウィリス役の声優は樋浦勉、磯部勉、村野武範・・・と多士済々だが、こと 『ダイ・ハード』 にかぎっては御大・野沢那智さんで決まり! 凶悪事件に巻き込まれた中年オヤジのボヤキは、那智さんの芯の強さと軽妙さが絶妙にマッチしていて迫真。ウィリス本人より上手いのだから罪な人だ。
 そんな、ニヒルな二枚目からクレイジーな三枚目までこなす大御所・那智さん。『スターウォーズ』 のおしゃべりロボット・C3PO役も有名だが、その新3部作の際、ルーカス社はこの日本の 「伝統」 をかたくなに退けて別の声優をあて、ファンを大いに失望させた。 「大衆の娯楽」 を忘れて独りよがりに走る作り手にいいものができるはずがない。ビジネスやシステムに縛られて融通が利かないハリウッドの現状を物語る一件だった。


 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 (テレ東)
 「マイケル・J・フォックスなら宮川一郎太」 という、ぼく以上のコアなファンのこだわりも分かります。…分かりますが、やっぱり 「マーティ=三ツ矢雄二」 & 「ドク=穂積隆信」 のコンビでなくちゃ!
 (むかし織田裕二&三宅裕司版というのもあったが、渡辺徹・大場久美子・松崎しげるの 『スターウォーズ』、妻夫木聡&竹内結子の 『タイタニック』 と並ぶ、伝説的ダメ吹き替えとして語り継がれている…はさておき、)
 三ツ矢さんの頼りない 「ドぉ~ク!」、穂積さんのヨレた 「マぁぁティ…」 は もはや古典芸能の域。 そこに悪役ビフの 「おい、マクフるラぁイ!」 (←ちょっと巻き舌) が加われば、もう重要無形文化財もの。何十回と飽きるほど観たのに また観たくなります。じっさい今回、3作まとめてDVDに永久保存しました。


 『ターミネーター』 (テレ東、テレ朝、フジ)
 その悪役ビフを演じたのが、玄田哲章さん。飯塚昭三、銀河万丈、郷里大輔と並ぶ、声優界の 「デカマッチョ四天王」 だ。そして玄田哲章といえば アーノルド・シュワルツェネッガーが最大の当たり役。初期のシュワちゃんはいろんな声優が乱立していましたが、野太い声の奥にただよう端正な落ち着き・・・今では玄田さん以外ありえません。
 一方、ヒロインのサラ・コナー (演 リンダ・ハミルトン) 役は吉田理保子のイメージがあったのだが (第2作が吉田)、今回テレ東で放送された第1作新録バージョンのサラは、松本梨香さんという方。 『ポケモン』 などアニメ畑の人らしい。
 最近のアニメ声優はみんな同じ声、同じ演技で心底気味が悪いのだが、この人はアニメ臭や吹替ドラマ臭がなく、とても上手くて感心しました。 力強いけど若く奔放、まだ戦士として未熟な第1作サラの雰囲気を的確につかんでいた。
 なお、『T2』 でタフ&アダルトなサラを演じた先出の吉田理保子さんも、もとはアニメの美少女役 (『ハイジ』のクララや魔女っ子メグちゃん) で鳴らした方だと知って驚いた。今は声優の第一線から退かれているのだとか。「戦う強い女」 を演じさせたら戸田恵子と双璧だったのに・・・。惜しい!


 ・・・映画の吹き替えは、戦後半世紀に渡って培ってきた立派な文化です。歴史に残る名演は権利や何やらを乗り越えて、ぜひDVDソフトにも収録を! そして作り手は安易な芸能人起用に走らず、誇りを持って仕事をしてほしい。

 
関連記事
20:03  |  アメリカ映画  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑