【京都・奈良&和ふう】 2007.07.28 (Sat)
歌舞伎版 『白雪姫』!
すごい! おもしろすぎ!
染五郎、勘太郎、右近、獅童さんら今をときめく若手が、かわいい(?)森のどうぶつたちを演じたかと思えば、吉右衛門、仁左衛門、左團次さんら歌舞伎協会の理事クラスが、「7人の童」 となって登場!
いい年したおっさん・・・いや名だたる大御所が、おかっぱ頭にツンツルテンの着物で、愛らしくおどけてみせる・・・。ドリフも真っ青のおバカっぷり。梨園の度量の広さにド肝を抜かれました。
ド肝を抜かれたといえば、悪いお后と鏡の精を演じた團十郎&海老蔵親子の、あまりにゴツすぎるキャスティング! 「鏡よ鏡よ、鏡さん」って、歌舞伎界のラオウ&ケンシロウに何をさすねん!
あげくの果てには見得を切り、六方を踏む おきさき様! これには客席も大爆笑の嵐。
しかし最大のクライマックスは、作・演出も兼ねた本作の黒幕・菊五郎さんの 「北千住観音」 に尽きます。新宿歌舞伎町のバケモノのような厚化粧&ギラギラ衣装で、エグザイルばりの千手パフォーマンスを披露。
ここまでくると、もはや異次元のイリュージョン。
「北千住~、次は南千住~。眠りすぎてお乗り過ごしのなきよう」 には笑ったけど、夢に出てきそうでコワイ!
なお、肝心の主役・白雪姫には玉三郎さん、相手役の王子さまには幸四郎さんと、こちらは正統派の配役。
この両優までふざけすぎると爆笑劇も台無しになるのだが、そこは心得たもの。それでも幸四郎“王子”の「ハンカチ&ハニカミ」ネタで、ちゃっかりツボを押さえるところは油断ならない。
とまあ、ファン感謝祭ならではの、遊び心あふれまくりの大サービス。最初から最後まで笑った笑った。面白すぎたので、ぜひとも大晦日あたりに再放送してほしい! そして実際に観てみたかった!
歌舞伎とはあまり縁がなかったぼくも、大興奮の夜でした。
【【未整理】 世界ブラボー日記】 2007.07.26 (Thu)
道ばたのキューピーちゃん
帰宅の途中、道ばたにキューピーちゃんの人形が落ちているのを見つけました。
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【欧州&世界映画】 2007.07.25 (Wed)
『太陽がいっぱい』 の名人芸

地中海のまばゆいばかりの陽光と対比される、主人公の暗くゆがんだ野心の皮肉・・・。
サスペンス映画史上、五指に入るであろう名作中の名作です。
主演のアラン・ドロン、いつ見ても男前ですね~!
共演のモーリス・ロネとマリー・ラフォレも絵になる。
しかし彼ら美男美女が映えるのも、撮影カメラマン アンリ・ドカエによる名人芸のたまもの。
確かにドロンはいいし、ニーノ・ロータの音楽もいい。ルネ・クレマン監督の練達もさすがですが、
名手ドカエのことがもっと語られてもいい。
物語と人間心理を的確に追った、みごとな構図。(終盤、ドロンとラフォレのカットバックが美しい!)
海とシャツの強烈な青と、ヒロインと土壁の暖かい黄色。
この作品に限っては、「悪」 を象徴する色は黒ではなく 「青」 のようです。
ドカエといえば、コクトー&メルヴィルの 『恐るべき子供たち』 にはじまり、
“ヌーベル・バーグ”の傑作群 『死刑台のエレベーター』 『大人は判ってくれない』 『いとこ同志』 も彼。
さらに最高の仕事のひとつと言える 『シベールの日曜日』 などなど、枚挙にいとまなし。
フランス映画の名作にこの人あり。
聞けば「ドカエ」か「ドカ」か、名前すら固定されていないようですが、(ぼくは古くからの慣習に従います。)
何度目か忘れたこの日の 『太陽がいっぱい』、撮影監督アンリ・ドカエの映像美に
改めて酔いしれました。
『太陽がいっぱい (1960仏伊)』
監督/ルネ・クレマン
脚本/ポール・ジュゴフ
原作/パトリシア・ハイスミス
撮影/アンリ・ドカエ
音楽/ニーノ・ロータ
主演/アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ
※’60年当時は、若く野心的な映像作家たちが 新しい表現を競い合った“ヌーベル・バーグ”の時代。すでに巨匠のクレマン監督は、まさに匠ならではの巧さ・美しさで存在感を誇示してみせた。
なお、アンソニー・ミンゲラ監督、マット・デイモン主演でリメイクされた 『リプリー('99米)』 も、なかなかの力作。より原作に近い切り口でまったく別の魅力を引き出していて、二番煎じの負い目を感じさせません。(でも芸のない邦題、何とかならんか。)
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【 ゴーヤ絵にっき】 2007.07.23 (Mon)
ゴーヤのプロポーズ大作戦

「イヤン、アンタ、子供が見てるワ」「やらんでもええ」
梅雨の低温つづきでやや足踏みしましたが、いよいよ受粉です。
マンションだとなかなか虫が来てくれないので、人の手で。
雄花を切り取り、雌花にチョンチョンと。
うまくいけば、15~20日くらいで収穫できるそうです。
水天宮にお参りに行かなくちゃ。ゴーヤ殿のねがいを叶えたまえ~!
≪メモ≫
たいていは虫や風が自然受粉してくれるが、心配なら雄花を摘んで人工授粉を。
人工受粉はすずしい朝方に。
花粉は生もの。雄花は1日くらいしかもたないので、機会をのがさないよう。
植物にとって開花は体力を使うので、本当なら余計な雄花は摘み取るほうがよい。
できれば、別々の株に咲いた花で受粉。
安定・持続した収穫を得るため、以後2週間ごとに追肥。
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【ごあいさつ'06-'08】 2007.07.21 (Sat)
今週のかっこいい
最近、麦茶をこぼしたりヤブ蚊に食われたりと散々なので、たまにはかっこいいところもアピールしておきます。
【【未整理】 世界ブラボー日記】 2007.07.20 (Fri)
月のアポロと新潟の煙
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【【未整理】 世界ブラボー日記】 2007.07.19 (Thu)
もらい風鈴
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【JAZZ】 2007.07.16 (Mon)
ステファン・グラッペリ~なんにもない休日のジャズ

(・・・廃盤だと!?)
ステファン・グラッペリ(vi)、マッコイ・タイナー(p) 『時さえ忘れて』 (1990)
台風に地震に参院選挙戦と、日本列島が揺れに揺れた中、わが家はなぁ~んもない連休でした。
湿気とりのエアコンがきいた部屋で、地味~にテレビ見たり掃除したり。
最大のニュースは、歯ブラシでぐりっとやってしまった口内炎くらいです。
そんな暇な休日のしめくくりに、ステファン・グラッペリ (1908-97) のジャズを聴きました。
ジャズ・ヴァイオリンの第一人者にして、フランスのおしゃれなおじいちゃん。
魂だの芸術だのとは無縁の、肩のこらない軽快なヴァイオリンは、たとえば穏やかな昼下がりなんかにぴったり。
ぼくが持っているこのCDも、M・タイナーとのシンプルなデュオなので耳の邪魔にならないし、
『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』 『サマータイム』 『アイ・ガット・リズム』 といった有名曲ばかりなので聴きやすい。
こういう気軽な演奏のCDは、知ってる曲が多い方がいい。
眠れぬ夜をすごす新潟の人たちにも、ぜひ聴かせてあげたいものです。
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【ぐるめ…?】 2007.07.12 (Thu)
ブタになるまでぶたを食う
今夜のおかずはみんな大好き、トンカツです。
黒のとんかつソース、赤のケチャップ、黄色のマスタードと、ドイツ国旗の3色に染めていただきました。
うまリッヒ。
調子に乗って、肉厚1cm以上、揚げたらその倍にはなろうかというビッグ・サイズを、3枚たいらげました。
不屈。胃もたれ知らず。
このままブタに生まれ変わっても悔いはありませんが、どうせなら100g500円くらいのブタになりたいので、
ちゃんと野菜も摂取しました。ミートホープに回されるのはイヤですもんね。
いつか、ウニになるまでウニを食べたいです。
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【日本映画】 2007.07.11 (Wed)
小津安二郎 『浮草』

ぼくは、小津安二郎作品があまり好きではありません。
理由はひとつ、ジジくさいから。だんぜん黒澤明派。
でも晩年のカラー作品 『浮草』 は、軽妙でつやっぽくて大好きです。
物語は、ひなびた漁村を訪れた芝居一座の恋のさや当てと人間模様。
この地に残したひとり息子と再会するのが嬉しくて仕方ない座長だったが、看板女優であるその情婦はおもしろくない。座長を困らせようと、妹分をけしかけて、立派な青年に成長した息子を誘惑させるのだが・・・。
たまらなく艶っぽい京マチ子姐さんと、チョーかわいい!若尾文子さまの両ヒロインを迎えて、小津作品では珍しくにぎやかで扇情的。
どしゃ降りの中、軒下のあちらとこちらから 「あほ! ばかたれ! あほ! あほ!」 と 関西弁でいがみあう、鴈治郎さんとマチ子ねえさんの激しさが印象に残ります。
(若尾さんの郵便局のシーンは、以前S・セガールのうどんCMで使われてたやつ? かわいー!)
撮影カメラマンは、われらが宮川一夫大先生。
小津らしからぬ激しいどしゃ降りは宮川のアイディアを採りあげたのだそうで、後に宮川は 「小津さんに気を遣わせて悪いことをした」 と言っていますが、いやいや小津の抑制された作風と、宮川のビビッドな手腕が見事に融合。
従来の小津ファンはこの関西風味に違和感をおぼえるようですが、これまで小津の魅力が分からなかった関西人にとってはまさに 「新発見」。えもいわれぬ だし加減にため息しきりです。このくらいのピリリがちょうどいい。
ほか、サンローランの “モンドリアン・ルック”(懐かしい!)を連想させる赤みがかった色調に、アコーディオンが軽快なホームコメディ調の音楽など、絵に描いたようなレトロ風味。小津作品はひととおり観ましたが、こんなに楽しくてうれしくなる作品はありません。
ええなぁ。ほんまにええわ、です。
『浮草('59大映)』
監督/小津安二郎
脚本/野田高梧、小津安二郎
撮影/宮川一夫
音楽/斎藤高順
主演/中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩、杉村春子
※1934年の自作 『浮草物語』のリメイク。
松竹所属の小津が、唯一大映で製作 (大映の巨匠・溝口健二との約束だったそうだ)。大映の名キャメラマン宮川との一期一会のタッグが実現。
ええわぁ。
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