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【クラシック音楽】 2020.08.05 (Wed)

ベームとウィーンフィルのベートーヴェン


カール・ベーム
 久々に大指揮者カール・ベームの演奏を聴きました。
 1977年、最高の伴侶ウィーン・フィルとの来日公演。こんなぜいたくなカップリングがあっていいものなのか!
 曲はベートーヴェン『レオノーレ序曲第3番』


  
  【YouTube】Beethoven "Leonore" Overture No. 3/Böhm Wiener Philharmoniker


 あぁ、これこれ! これぞウィーン・フィルの音!
 老ベームはほとんど棒を振っていないのに、オケは見事に機動し、鳴ってくれます。『レオノーレ』といえば派手な盛り付けでサービスしてくれる演奏が多い中、名人のそば屋のような無駄のない所作。

 いちいち細かい指示やアクションを見せなくとも、長年の蓄積と準備があって呼吸と思想を完全に共有し、最上の能力を発揮してみせる――。音楽に限らず、組織を 「指揮」 するってこういうことなんだなあ、と図らずも教えられました。

 戦後ドイツ・オーストリア音楽界の重鎮として確たる地位を築いたベームさん、YouTube関連動画にあるインタビューではウィーンpo.とベルリンpo.の違いに触れ、ベルリン・フィルを 「プロシア的」 と評していたのがなるほど腑に落ちた。厳しく訓練・組織され、誰が振っても一定の結果を出すのがベルリン気質。ヘタが振ると途端に見くびって鳴らなくなるのがウィーン気質、というわけだ。


 あと、このたび 「動くカール・ベーム」 を見て、譜面台を置かない「暗譜」でやっているのも驚いた。この短い曲だけでなく他の交響曲クラスでも。 ドイツもののものさし・お手本にされるくらいドイツ音楽を体現した者の「自家薬籠中」ってやつなんだろう。

 この日の演奏会の本番は別の交響曲で、こっちは刺身のツマみたいなものなんでしょうが、むしろこの 『レオノーレ』 のほうに感動しました。

 
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【クラシック音楽】 2020.02.27 (Thu)

≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ベームとウィーンフィルのベートーヴェン
  燃えよ!クラシック名演集

  新国立劇場オペラ 『トゥーランドット』 中継
  ユリアンナ・アヴデーエワのショパン
  ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ (没後100年)
  バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)
  “愛の6度”~あなたの声に私の心は開く~

  夏の終わりのメンデルスゾーン
  ホロヴィッツ plays モーツァルト
  ドボルザークあるある
  ベートーヴェンの 『悲愴ソナタ』 聴き比べ
  カラヤンの『ツァラトゥストラ』聴き比べ

  シャンパン・バッハ
  世界一ヘタクソな『ツァラトゥストラはかく語りき』
  プーランクのピアノ曲集
  立ち上がれ!ブラームス弦楽六重奏曲
  洋食喫茶?ラフマニノフ

  オペラ映画 『リゴレット』 (ヴェルディ生誕200年)
  グルベローヴァの『夜の女王』
  水曜日はワグナーを聴いて♪(生誕200年)
  無限『トリスタンとイゾルデ』
  フィッシャー・ディースカウとわたし

  マリア・カラスの 『夢遊病の女』
  クレンペラー×ベートーヴェン 『荘厳ミサ曲』
  ハチャトゥリアン 『フルート協奏曲』
  衝撃の歌姫 !? フローレンス・フォスター・ジェンキンス!
  わが心のドボルザーク交響曲第8番

  フォーレのピアノ曲全集
  フルトヴェングラーのワーグナー
  レナード・バーンスタイン記念
  『だったん人の踊り』改め・・・?
  チャイコフスキー『交響曲第4番』って何だ!?

  ショパン生誕200周年の『プレリュード』
  マーラーの交響曲≪巨人≫聴きくらべ
  驚異のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ!
  イ・ムジチの『四季』50周年聴きくらべ
  トスカニーニのワーグナー

  プッチーニの『誰も寝てはならぬ』
  『展覧会の絵』めぐり
  カラヤンのモーツァルト『戴冠式ミサ』
  カラヤン愛憎
  ヴェルディ、怒りのレクイエム

  無伴奏チェロくらべ
  バッハとドラクエ
  バッハを兄弟に例えてみた。
  フルトヴェングラーの『第九』
  とすかにーにカンタービレ

  ブラームス交響曲第1番聴きくらべ
  アマデウス、走る
  さわやかな『皇帝』
  アラウのショパン『前奏曲』
  ショーシャンクのモーツァルト

 
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【クラシック音楽】 2020.02.26 (Wed)

燃えよ!クラシック熱演集


 クラシック音楽のお宝YouTube動画がたまったので、いくつか・・・。
 (例によって、人さまの著作物なので動画は貼らずにこっそりリンクだけにしときます。)



Screenshot_2020-02-26 ニュルンベルクのマイスタージンガーより第一幕への前奏曲(1)
(※サムネイル画像だけ拝借。動画は下↓のリンクから。)

 【YouTube】ニュルンベルクのマイスタージンガーより第一幕への前奏曲

 ごぞんじワーグナーの「名曲中の名曲」中の名曲。ジュゼッペ・シノーポリ指揮、ドレスデン国立歌劇場o.。1998年、サントリーホール。

 当時、(良くも悪くも)カラヤン&ベルリンフィルのようなグローバリゼーション時代に育ったぼくは、旧東独ドレスデンのこのオケのことを、「時代遅れで田舎くさい地方楽団」 という偏見の目で見ていました。同時にシノーポリのことも 「尖んがってて面倒くさいインテリ指揮者」 という色メガネで・・・。
 ・・・今は自分の不明を恥じております。明晰な指揮者と重厚なオケの濃密な緊張感と開放感! すばらしい名演です。

 このあと急逝されたシノーポリさん。今もご健在なら楽壇の勢力図も変わっていただろうに。 いちど生で聴きたかった・・・つくづく悔やまれます。




Screenshot_2020-02-26 山田一雄 マーラー「巨人」最終部分

 山田一雄指揮のマーラー『交響曲第1番』。オケは?です。

 【YouTube】山田一雄 マーラー「巨人」最終部分

 山田一雄といえば音楽の教科書にも載っていた人だけど、子供のころはピンとこなかった。むしろそういう「偉い人」扱いが嫌いだった。しかしまあ、こんなにアツいタクトさばきをする人だったのか! 今の人がやったらイヤらしいだけだけど、この熱演にはつい引き込まれてしまいました。
 久々にかっこいいジジイを見た。

 オケははっきり言って上手くありませんが、黙っていても盛り上がるマーラーの第1番。こういう「坂の上の雲」の勢いで押しまくるのも気持ちいいものです。

 ・・・ところで、YouTubeページ横の関連動画欄には、なぜか『ルパン3世』のアニメが挙がってきます。山田一雄さんとルパン「山田康雄」さん、顔も名前も似ているけど縁はないんですね?・・・ですよね?? (子供のころからずっと疑問だった!)
 
20:01  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2019.10.10 (Thu)

新国立劇場オペラ 『トゥーランドット』 中継

プッチーニ『トゥーランドット』新国立劇場
(公式HPから拝借)

 BSでやっていたプッチーニのオペラ 『トゥーランドット』 を録画しました。
 大野和士指揮、バルセロナ交響楽団。この夏の東京公演。

 舞台は中国。求婚する者を次々と殺していく美しくも冷酷な王女が、突如現れた謎の王子の愛と才知に追い詰められ、そして・・・というお話。
 王子が歌うアリア 『誰も寝てはならぬ』 がとにかく有名ですね。ぼくもこの歌は大好き。
 『蝶々夫人』 同様、アジア趣味の音楽や描写はあざといけど、プッチーニ作品でも最大規模の壮大・壮麗さ。また (かの子供番組の名前にもなった)「ピン、ポン、パン」 のコミカルな大臣トリオや、謎解きクイズをからめた恋の駆け引きもおもしろい。


 ・・・んだけど、(ネタバレ) 自分のために死んだ侍女リューもそっちのけで、姫との色恋まっしぐらの薄情王子にどうしても肩入れできなくて、今はもう本気で物語を追う気にはなれません。

 しかも今回録画ぶんを観ていると、だんだん電波が弱ってきて映像がプチプチ途切れはじめた。
 はじめは故障かと思ったけどそうだ! 放送されたのは千葉など関東地方を襲ったあの巨大台風の夜だ! 録画の乱れは最大のハイライト、『誰も寝てはならぬ』 の曲中にも・・・。
 千葉の皆さん、お見舞い申し上げます。(そして1か月後のいま、次の台風が接近中・・・。)


 まぁ、そんなこんなで集中力も途切れて、ずっと「ながら見」していました。

◆トゥーランドット役の人は、巨体と短髪パーマでアジャ・コングみたい。
◆カラフ王子は名優マリオ・デル=モナコしか認めない。今回、名前を探すほどのものはなかった。
◆「リューの死」の場面は、泥だらけのメイクと「下から照明」で怖かった。
◆あれれ? リューの亡きがらは舞台上に残されたまま、感動・壮麗な大フィナーレへ――


 ――その大フィナーレ、「愛よ!太陽よ!生命よ!永遠よ!我らの限りない幸せよ!栄光あれ!」
 その瞬間、トゥーランドット姫が自らノドをかききったところで暗転、終幕!

 これには驚いた。従来の、人でなし同士のハッピーエンドに感じていた疑問とモヤモヤを吹き飛ばしてくれて、一種痛快でした。最後の最後に引きつけられた。


 「トゥーランドットの罪と罰」、じっさいは表面ウケだけで現実味のない演出だったかもしれない。深く考えると言葉足らずでまだ説得力に欠ける。が、しかし、誰も踏みこまなかった新たな視点を持ち込んだ演出家アレックス・オリエさんの提起は、もしかしたら『トゥーランドット』史の新しい一里塚になるかもしれません。これからの上演の進化に期待を抱かせるものがありました。
 (追記・・・みずから首を斬る衝撃のラストは、チェン・カイコー監督の名作映画 『さらばわが愛/覇王別姫』(1993)からの発想かな?もしそんな安易だったらガッカリ。

 日本人客は相変わらず狂ったような「ブラボー」の絶叫で、終演後の余韻を台無しにしてくれた。


 【公式ページ】 トゥーランドット [新制作] 新国立劇場 オペラ
 ハイライト動画では 『誰も寝てはならぬ』 をほぼ聴けます。


 
23:22  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2019.04.09 (Tue)

ユリアンナ・アヴデーエワのショパン

ユリアンナ・アヴデーエワ
ショパン前奏曲集ほか(2CD、2014年)


NHK-BSの早朝にやってるクラシック音楽番組で、いい演奏に出会えました。

ロシアのピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワの来日公演。

アヴデーエワは2010年にショパン・ピアノコンクール優勝。

マルタ・アルゲリッチ以来の女性の優勝者として話題になった人。


番組では、ショパンのマズルカやピアノ・ソナタ第3番などを披露。

ハッとするような若さと華やぎ。力強い自信にあふれていて。

いつもこの番組は録画したものをBGMがわりに聞き流す程度ですが、

たまにあるいい演奏はちがう。

思わず画面に惹きつけられました。耳に釣り針を引っかけられたように。


このあとCDで、同じショパンの前奏曲集や『葬送』ソナタを聴きましたが、

深い表現はまだまだって印象。

それでも大きな肩書きにたがわぬ大器の片鱗を感じさせてくれました。

シューベルトやプロコフィエフは、鍵盤の上で踊るような文字どおりの躍動感が素晴らしかった。


たびたび来日しているそうで、放送はつい先日の公演ぶん。

次、秋の来日は企画ものみたいなので行くのやめた。もっと早く知っておけばよかったな。

 
21:53  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.11.12 (Mon)

ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ(没後100年)

ドビュッシー『前奏曲集』ミケランジェリ
(ミケランジェリ全曲盤)

今2018年はドビュッシーの没後100年だそうで、ピアノの 『前奏曲集』 を聴きました。

前後2巻。『亜麻色の髪の乙女』 が一番有名でしょうか。

でもぼくは 『デルフィの舞姫たち』 や 『沈める寺』 のような、もう始めっからホロホロに煮くずれて、

お口の中でふわりと融けていくような曲が好きです。(『亜麻色…』だってそうだけどね。)


わが家にあるのは名演ばかり3枚。

聴き比べというほどでもないけど、簡単に感想をまとめました。(各リンク先はAmazonの試聴ページ)



 ワルター・ギーゼキング 盤は、ドビュッシーのお手本・教科書とも言われてきた名演のひとつ。
 強い自己主張を好むロマン主義的な気風がまだ残る時代に、ドビュッシーの客観性や漂泊感がよく表れていると思う。
 ・・・が、もう古いかな。1953~54年。EMIレーベルとあって音が悪いのも古さに拍車をかける。


 アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ 盤は期待どおりのストライク! こういう曲をやらせたらさすがうまい。
 名残り惜しげに消えゆく音の波紋。夢幻の森をたゆとう柔らかくも色あざやかなタッチ。湿り気を感じさせるこの時代の録音もちょうどいいあんばい。1978年。
 今はもっぱらこれが愛聴盤です。


 クリスティアン・ツィマーマン は理知的で華も力強さもある大好きなピアニストだけど、この盤はハマらなかった。1991年。
 ギーゼキングとは好対照な、ひとつひとつの音がソリッドに立っていて、感覚的というより建築的。音の構造はとても明確に伝わるので、感傷を抜きにすれば現代の嗜好にマッチしているかもしれない。
 



演奏会でも人気の曲なので、なんだか今年はよく聴いていたイメージ。

CDは・・・これ以上増やすのは何だけど、まだ知られざる決定盤はありますか?

 
22:15  |  クラシック音楽  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.08.25 (Sat)

バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)


バーンスタイン『ブラームズのピアノ協奏曲』グールド

 きょうは指揮者レナード・バーンスタインの生誕100年記念日ということで、鬼才グレン・グールドと組んだ“問題作”、「ブラームスのピアノ協奏曲第1番」 を聴きました。
 1962年、カーネギーホールでのライブ録音。オケは手兵のニューヨーク・フィル

  ≪Amazon試聴ページへ≫

 CDには、バーンスタインによる異例のあいさつを収録。
 いきなり 「安心してください、グールド氏はちゃんと来てますよ」 と、グールドの“奇行”ぶりをチクリ。そして 「これから始まる演奏は彼の構想によるもので、自分はそれに賛同したわけではない」 と、えんえん言い訳。言いたい気持ちは分かるけど、そこで言わなくても。
 いっぽうCDには、グールドへの後日インタビューも併録。バーンスタインのいけずにも「自分は舞台裏で笑っていた」 と、この人らしい超俗ぶりがおかしかった。


 さてさて、じゃあ肝心の演奏は散々かというと、これが意外とそうでもない。
 スローすぎるテンポ、ぼくが苦手なグールドらしいトツトツと抑揚のないタッチ(――彼の言葉で言う、極端に「誇張」 を排した――)もありましたが、個人的にブラームス協奏曲への思い入れがないこともあって、そんなに違和感なく聴けました。
 バーンスタインとN.Y.フィルはいつも以上の大迫力。出だしのドカンと一発は、そういう「誇張」を嫌ったグールドへのあてつけだろうか? こんなに魅力的な曲だと知らなかったくらいです。


 べつに不仲とかスキャンダラスというより、革新的なグールドとの距離感を詰めきれなかっただけの話だろう。気軽におすすめはできないマニアックな一枚ではあるけど、かと言って「問題作」だ「失敗作」だというほどでもなかった。
 ただ、古いラジオ音源のCD化とあって、音質は最悪。また、ひっきりなしに聞こえる観客の咳も最新技術で消せないのか――そっちのほうにマイナス、でした。

 
23:47  |  クラシック音楽  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑