【ヒッチコック全作品】 2013.04.29 (Mon)
≪ヒッチコック全作品≫もくじ

英1.もくじ、『快楽の園』~『リング』
2.『農夫の妻』~『殺人!』
3.『いかさま勝負<スキン・ゲーム>』~『間諜最後の日』
4.『サボタージュ』~『厳窟の野獣』、もくじ・・・
米1.もくじ、『レベッカ』~『疑惑の影』
2.『救命艇』~『山羊座のもとに』
3.『舞台恐怖症』~『ハリーの災難』
4.『知りすぎていた男』~『マーニー』
5.『引き裂かれたカーテン』~遺作 『ファミリー・プロット』
『ファミリー・プロット ('76)』 ~遺作
『フレンジー (’71英米)』
『トパーズ (’69)』
50『引き裂かれたカーテン(’66)』
『マーニー (’64)』
『鳥 (’63)』
『サイコ (’60)』 ~円熟期
『北北西に進路を取れ (’59)』
『めまい (’58)』
『間違えられた男 (’57)』
『知りすぎていた男 (’56)』
『ハリーの災難 (’56)』
『泥棒成金 (’55)』
40『裏窓 (’54)』
『ダイヤルMを廻せ!(’54)』
『私は告白する (’52)』
『見知らぬ乗客 (’51)』 ~黄金期
『舞台恐怖症 (’50)』
『山羊座のもとに (’49)』
『ロープ (’48)』
『パラダイン夫人の恋 (’47)』
『汚名 (’46)』
『白い恐怖 (’45)』
(『闇の逃避行(’44英)』 『マダガスカルの冒険(’44英)』 ~戦下の英政府による国策短編)
30『救命艇 (’43)』
『疑惑の影 (’43)』
『逃走迷路 (’42)』
『断崖 (’41)』
『スミス夫妻 (’41)』
『海外特派員 (’40)』
『レベッカ (’40米)』 ~渡米第1作。アカデミー作品賞。
『巌窟の野獣 (’39英)』
『バルカン超特急 (’38)』
『第3逃亡者 (’37)』
20『サボタージュ (’36)』
『間諜最後の日 ('36)』
『三十九夜 ('35)』
『暗殺者の家 ('34)』 ~以後サスペンスに専念。イギリス黄金期。
『ウィーンからのワルツ ('33)』
『第17番 ('32)』
『おかしな成金夫婦<リッチ・アンド・ストレンジ>('32)』
『いかさま勝負<スキン・ゲーム>('31)』
『殺人!('30)』
『ジュノーと孔雀 ('30)』
(『エルストリー・コーリング ('30)』 ~一部だけ監督したお祭り映画)
10『恐喝<ゆすり>(’29)』 ~イギリス初のトーキー映画
『マンクスマン ('28)』
『シャンペン ('28)』
『農夫の妻 ('27)』
『リング ('27)』
『ふしだらな女 ('27)』
『下り坂<ダウンヒル>('27)』
『下宿人(’26)』 ~初のサスペンス
『山鷲 ('26英独)』 ~現存せず
1『快楽の園('25英独)』 ~監督デビュー作
【ヒッチコック全作品】 2013.04.26 (Fri)
『快楽の園 (1925英独)』

≪感想≫
平凡なメロドラマ。
ヒッチの演出・編集は手堅くまとまってはいる。終盤のスリリングな場面は、ヒッチだからこそなのかな? ヒッチじゃなくても当時このくらい出来たのかな? いずれにせよ 「ヒッチコックの監督デビュー作」 と言われなければ、特に・・・が正直なところ。
例によって、後年ソフト用につけられた音楽が最低。喜びを盛り立てたり不安を誘ったり・・・のような劇伴音楽の役割を果たしていない。学生くさい独りよがり。
A・ヒッチコック監督第1作 『快楽の園 (1925英独)』
出演/ヴァージニア・ヴァリ (パッツィ)
カルメリータ・ゲラフティ (ジル)
マイルズ・マンダー (レヴェット)
ジョン・スチュワート (ヒュー)
≪あらすじ≫
ナイトクラブ“快楽の園”の踊り子パッツィは、上京したての田舎娘ジルの面倒を見ることに。またたく間に人気の踊り子になったジルは、婚約者ヒューをないがしろにし、華やかな世界に染まっていく。一方のパッツィも、ヒューの親友レヴェットと結ばれるのだが・・・。
≪解説≫
ヒッチコック26歳の初監督作は、意外にもメロドラマ。新人時代は会社から与えられた題材を作るサラリーマン監督だったので、さまざまなジャンルを手がけている。力をつけ、サスペンスに特化するのは'34年 『暗殺者の家』 から。
それでも当時の映画先進国ドイツの撮影所≪UFA (ウーファ)≫で多くのことを吸収したヒッチは、期待の新人監督として早くも注目の的に。監督名だけでも客を呼べる、イギリス映画初のスター監督として駆け上がっていく。
サイレント作品。
≪裏話≫
新人監督ヒッチと助監督、カメラマン2人に主演3俳優だけで回った独~伊ロケは、その日の食事にも事欠くほど困窮したらしい。その時の助監督こそ、婚約中の同僚アルマ・レヴィル。翌1926年結婚し、公私のパートナーとしてヒッチとその作品を生涯支えた。
またプロデューサーのマイケル・バルコンは、サイレント映画の字幕書きにはじまり、美術~脚本~助監督などで経験を積んだヒッチを監督に抜擢し、のちには大スランプのヒッチを救った最大の恩人。1963年アカデミー作品賞 『トム・ジョーンズの華麗な冒険』 の製作総指揮。 孫は現代の名優ダニエル・デイ=ルイス。
≪ヒッチはここだ?≫
※有名なヒッチ自身の 「カメオ(チョイ役)出演」 が始まるのは、第3作 『下宿人』 から。当初はエキストラ不足を埋めるためだったので、イギリス時代は出演していない、または判別できない作品が多い。
『THE PLEASURE GARDEN』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
原作/オリヴァー・サンディス
撮影/バロン・ヴェンティミリア
助監督・記録/アルマ・レヴィル (翌'26年にヒッチと結婚。)
製作/マイケル・バルコン、エーリッヒ・ポマー
英ゲインズボロー&独エメルカ社 98分 (資料によって上映時間がまちまち)
【ヒッチコック全作品】 2013.04.16 (Tue)
『山鷲 (1926英独)』

A・ヒッチコック監督第2作 『山鷲 (1926英独)』 (現存せず)
出演/ベルンハルト・ゲッケ (ペティグルー)
ニタ・ナルディ (ベアトリス)
マルコム・キーン (“山鷲”ジョン)
ジョン・ハミルトン (エドワード)
≪あらすじ≫
ケンタッキーの女教師ベアトリスは、傲慢な商人ペティグルーからしつこく言い寄られるが、これを突っぱねたことから商人の恨みを買ってしまう。山中に逃げ込んだ彼女は、そこで「山鷲」と呼ばれる青年ジョンと出会い恋に落ちるが、ペティグルーの横恋慕がふたりを阻む。
≪解説≫
今では数枚のスチール写真が残っているだけの、幻の作品。ヒッチコック監督作品で現代人が観られないのは本作だけ。 新人ヒッチの演出はある程度評価されたが、原作物語じたいが当時から古くさいとの評で、ほとんど興行に回されなかったためらしい。
監督第1作 『快楽の園』 および大ヒットした第3作 『下宿人』 とほぼ同時期に製作・公開。サイレント作品。
日本の解説書には、アメリカ公開時の題名 『神のおそれ(Fear o’ God)』 を用いているものもある。(アメリカにもフィルムは残ってないの?)
≪裏話≫
早くからヒッチの才能に気づく声が挙がる一方で、彼の当時斬新なセンスは業界内や観客の多くにはまだ理解しきれないのも、映画後進国イギリスの現実だった。またヒッチその人の不遜で小なまいきな態度も、一部の上層部から「出る杭は打たれる」ことにもなっていたという。
『THE MOUNTAIN EAGLE』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
撮影/バロン・ジョヴァンニ・ヴァンティミリア
製作/マイケル・バルコン
英ゲインズボロー&独エメルカ社
【ヒッチコック全作品】 2013.04.02 (Tue)
『下宿人(1926英)』

≪感想≫
緩と急のつけ方(忍び寄る下宿人とコミカルな一家団らんの対比)、スリルの引っぱり方と落とし方(暖炉の火かき棒を握る下宿人)など、何度観てもハラハラ。
中盤、下宿人と刑事がひと悶着後、刑事とデイジーが仲直りするシーン。デイジーが抱き合いながら天井に目をやると・・・例の「揺れる電灯」・・・でフェードアウト。
「揺れる電灯」は下宿人の「記号」になっているから、画面の手前に映りこむだけで怖い。疑惑がふつふつ沸きあがったところでフェードアウトっていうのが、なおのこと怖い。すばらしい構図とセンス、世界中でどれだけマネされてることか! ここはゾクゾクッときた。
一方、無声映画ソフトの常として、後年つけられたBGMが無神経で作品に寄り添っていないのが大きなマイナス。だからかどうかソフトの中にはまったくの無音バージョンもあるそうで、それはそれで売る側の怠慢だ。
A・ヒッチコック監督第3作 『下宿人(1926英)』
出演/イヴォー・ノヴェロ (下宿人)
ジューン・トリップ (デイジー・バウンディング)
マリー・オールト (デイジーの母)
アーサー・チェスニー (デイジーの父)
マルコム・キーン (刑事ジョー)
≪あらすじ≫
ブロンド女性ばかりをねらう殺人鬼が世を騒がせる中、金髪モデルのデイジーの両親が営む下宿屋に不気味な青年がやってくる。男の怪しげな振る舞いに不安を募らせる両親をよそに、デイジーは次第に男に魅かれていく。果たして下宿人の正体は・・・?
≪解説≫
19世紀末のロンドンを震撼させた 「切り裂きジャック」 事件を題材に、監督3作目にして初めてサスペンスを手がけたヒッチの実質上の出発点。サイレント作品。
天井をガラス張りにして下宿人の怪をかきたてるシーンが特に有名だが、男への疑惑を積み上げていく話法からしてすでに非凡なものを感じさせる。本作の成功により、若きヒッチコックの名は大きな熱狂をもってイギリス中に響き渡った。(※ただしヒッチひとりの手柄だけではないことは、下の【続き・・・】に裏話。)
≪ヒッチ結婚≫
同’26年12月2日、本作の助監督アルマ・レヴィルと結婚。もとは入社4年先輩のアルマのほうがずっと格上で、監督昇進も期待された俊才だったが、彼女にはそこまでの野心がなかったようだ。 ちなみに誕生日はヒッチ(1899. 8. 13生)の翌14日生まれ。
≪ヒッチはここだ!≫
①3分過ぎ、通信社のデスク、電話をかける後ろ姿。
②クライマックスの大騒動、鉄柵から乗り出したヒロインたちの右隣にハンチング帽姿で。
そのあと「犯人逮捕」の報に驚いた表情。めいっぱい演技しているところがカワイイ。
・・・おなじみヒッチ自身のカメオ(チョイ役)出演も本作から始まる。当初は 「エキストラ不足によるスクリーンの空白を埋めるため」 としていたので、イギリス時代は出ていない(または判別できない)作品も多い。 渡米後は彼一流の遊び心から恒例化し、ファンのお楽しみのひとつになった。
『THE LODGER』
監督・脚本/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
原作/ベロック・ローンズ
撮影/バロン・ヴェンティミリア
助監督/アルマ・レヴィル (ヒッチ夫人)
製作/マイケル・バルコン
ゲインズボロー社 71分 (上映時間のデータは資料によってまちまち)
【ヒッチコック全作品】 2013.03.21 (Thu)
『下り坂<ダウンヒル>(1927英)』

≪感想≫
人生の教訓めいた辛気くさい話だが、主人公が校長から呼び出される場面や、女性を照らす「情け容赦ない朝の光」の場面など、(まったく荒削りだが)スリル演出の芽がうかがえる。いずれにせよまだ 「習作」 のレベル。
それより、DVDタイトルをカッコよさげな横文字にして商売しようとしている映画ソフト会社の魂胆がいやらしい。それに乗っかる客もいるってことだろうから、なおさらいやらしい。
A・ヒッチコック監督第4作 『下り坂<ダウンヒル>(1927英)』
出演/イヴォー・ノヴェロ (ロディ)
ロビン・アーヴィン (親友ティム)
イザベル・ジーンズ (女優ジュリア)
ノーマン・マッキネル (父トマス卿)
≪あらすじ≫
良家の青年ロディは、親友ティムが犯した盗みの罪をかぶり、学校を退学させられる。父からも勘当され、ナイトクラブの給仕や踊り子として食いつなぐロディ。やがて女優ジュリアと結婚するが、彼はなおも人生の下り坂を転がっていく・・・。
≪解説≫
前作 『下宿人』 でも主演した当時のスター、I・ノヴェロ(写真)が脚本を執筆。 イギリス人らしく舞台劇から抜けきれない、映画に向かない作りだったが、若きヒッチの演出力は評価された。
≪ヒッチはここだ!≫
?
『DOWNHILL』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
原作/デヴィッド・レストレンジ (主演I・ノヴェロほかの共同ペンネーム)
撮影/クロード・マクダニエ
製作/マイケル・バルコン
ゲインズボロー社 82分 (上映時間のデータは資料によってまちまち)
【ヒッチコック全作品】 2013.03.12 (Tue)
『ふしだらな女 (1927英)』

≪感想≫
古い時代の古い道徳話なのでまったくおもしろくない。 悪女・妖婦好きのヒッチは「女の不貞」に比較的寛容なはずだが、本作に限ってはすべてが中途半端。 言葉の奥の情感にうったえる原作カワードと、建築的な職人気質のヒッチとはそもそもの作風が合ってない。
それでも前半の裁判シーンは、トリッキーな撮影を試みたり、裁判と回想を交錯させたりとヒッチらしい工夫が出ている。また後半、電話でのプロポーズのシーン、交換手の表情だけで成り行きを伝えるサイレント演出が上手いという評も。
A・ヒッチコック監督第5作
出演/イザベル・ジーンズ (ラリータ)
フランクリン・ダイオール (その夫フィルトン)
エリック・ブランズビー・ウィリアムズ (画家クロード)
ロヴィン・アーヴィン (新しい恋人ジョン)
≪あらすじ≫
美しい妻ラリータと、乱暴な夫フィルトンの離婚裁判が開かれている。
ラリータは晴れて離婚を勝ち取るが、愛人の画家クロードがフィルトン殺害未遂の果てに自殺していたことから、ラリータは男を惑わす悪女の汚名を着ることに。
南仏にのがれた彼女は名家の御曹司ジョンと出会い再婚するが、その隠してきた過去が暴かれる時が来る。
≪解説≫
社会の冷たい風にさらされる女の悲劇。サイレント作品。
原作は、当代随一の人気作家N・カワードの舞台劇。 恋や生活の悲喜こもごもを繊細に紡いだカワードの喜悲劇は、世界大戦や大恐慌で前世紀的な価値観が崩壊した時代に爆発的な人気を集めていた。(カワードもヒッチと同じ1899年生まれの 「ロスト・ジェネレーション」 組。世相をどこかナナメに見るふしは似ているか。)
≪この頃・・・≫
「労働者階級の娯楽」 とされ、伝統ある演劇界より地位が低かった初期のイギリス映画界。良作も少なく、芸術面ではドイツに、興行面ではアメリカに押されて低迷していた。政府の保護政策も焼け石に水。
数少ない売れっ子のヒッチはこのあと、新興会社ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズに引き抜かれて移籍。育ての親のプロデューサーM・バルコンのもとを離れる。
≪製作年について≫
海外の映画サイト 「IMDb」 などでは 「1928年製作」 とあるが、'27年時点でヒッチはゲインズボロー社からB.I.P社に移籍している。ドナルド・スポトー著のヒッチ伝記にも、本作の興行失敗後に移籍して 『リング('27)』 を作ったとあるので、従来どおり 「1927年製作」 としました。
≪ヒッチはここだ!≫
15分、南仏のテニスコート、汗をふきふき出ていくステッキの男。
『EASY VIRTUE』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
原作/ノエル・カワード
撮影/クロード・マクダニエル
製作/マイケル・バルコン
ゲインズボロー社 最長109分 (上映時間のデータは資料によってまちまち)
【ヒッチコック全作品】 2013.02.25 (Mon)
『リング (1927英)』

≪感想≫
こんなに昔の恋愛劇なのに、意外とハラハラ引き込まれた。 優しいけど少し頼りない、でもがんばる主人公を、K・ブリッソンが見た目のイメージどおりの好演。(翌'28年の『マンクスマン』でも恋人を奪われる役。)
三者三様の揺れ動く心理を、あますところなく映像で表現しようとする若きヒッチの心意気が伝わってくる。表情のカットの丁寧なつなぎ方や独創的な映像処理など、基本の上手さと大胆な実験精神の両方を見せてくれて、荒削りながら刺激的だった。
一方でメンデルスゾーンの『イタリア交響曲』など、ソフト化の際の選曲が適当すぎて興ざめ。
A・ヒッチコック監督第6作 『リング (1927英)』
出演/カール・ブリッソン (ジャック・サンダー)
リリアン・ホール=デイヴィス (ネリー)
イアン・ハンター (ボブ・コルビー)
≪あらすじ≫
見世物小屋ボクサーのジャックは、チャンピオンのボブにその腕を見込まれ、練習相手として雇われることに。おかげで恋人ネリーとの結婚にこぎつけるのだが、ネリーは力強いボブに急速に魅かれていく。ジャックは新妻の愛を取り戻すため、チャンプに挑戦状を叩きつけるのだった。
≪解説≫
ボクシングのリングと結婚リングを引っかけて、男女の三角関係を描いたロマンスもの。ヒッチが初めて自作の脚本を監督し、「『下宿人』に次ぐ真のヒッチコック映画」 (本人談) と納得のいく出来になった。サイレント作品。
カトリックのヒッチにとって、新妻の心変わりは「女の原罪」ということか。彼女の腕輪の形から、ヘビに誘惑された旧約聖書のイヴになぞらえているという解釈がされている。
≪裏話≫
主役のブリッソンは実際にボクシング経験者。「リアルな試合シーンを」 というヒッチの意向もあって、最後の大逆転劇は半ば演技を超えた真剣勝負。やられる側のチャンプ役ハンター(もちろん素人)は、食後すぐの撮影もあって散々だったという。
≪この頃・・・≫
ヒッチは育ての親マイケル・バルコンのゲインズボロー社を離れ、新興会社BIPに移籍。しかし管理的な社の方針と肌が合わず、イギリス映画史上初の長編トーキー映画 『恐喝<ゆすり>('29)』 のような話題作もあったが、他に特筆すべき作品は残せなかった。(この移籍第1作『リング』は、まだ創業まもなかったため自由に作らせてもらえたとか。)
浮き沈みを繰り返すヒッチが不動の名声を確立したのは、再びバルコンに拾われた 『暗殺者の家('34)』 から。
≪ヒッチはここだ!≫
?
『THE RING』
監督・脚本/アルフレッド・ヒッチコック
撮影/ジョン・J・コックス
製作/ジョン・マックスウェル (BIP社長)
ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャー社 89分

