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【クラシック音楽】 2019.04.09 (Tue)

ユリアンナ・アヴデーエワのショパン

ユリアンナ・アヴデーエワ
ショパン前奏曲集ほか(2CD、2014年)


NHK-BSの早朝にやってるクラシック音楽番組で、いい演奏に出会えました。

ロシアのピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワの来日公演。

アヴデーエワは2010年にショパン・ピアノコンクール優勝。

マルタ・アルゲリッチ以来の女性の優勝者として話題になった人。


番組では、ショパンのマズルカやピアノ・ソナタ第3番などを披露。

ハッとするような若さと華やぎ。力強い自信にあふれていて。

いつもこの番組は録画したものをBGMがわりに聞き流す程度ですが、

たまにあるいい演奏はちがう。

思わず画面に惹きつけられました。耳に釣り針を引っかけられたように。


このあとCDで、同じショパンの前奏曲集や『葬送』ソナタを聴きましたが、

深い表現はまだまだって印象。

それでも大きな肩書きにたがわぬ大器の片鱗を感じさせてくれました。

シューベルトやプロコフィエフは、鍵盤の上で踊るような文字どおりの躍動感が素晴らしかった。


たびたび来日しているそうで、放送はつい先日の公演ぶん。

次、秋の来日は企画ものみたいなので行くのやめた。もっと早く知っておけばよかったな。

 
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【JAZZ】 2019.03.10 (Sun)

『パンゲア』マイルス・デイヴィス『アガルタ』

『アガルタ』
『アガルタ (1975)』

 1975年2月1日、大阪――。昼夜2部のライブを2作に分けて録音した、“ジャズの帝王”マイルス・デイヴィスのアルバム 『パンゲア』『アガルタ』

 当時としては画期的な、編集のハサミが入らない「ノーカット」でライブの高揚と熱狂を完全収録。電子楽器を取り入れて過激に進化した(――同時に多くのファンを戸惑わせた――)「エレクトリック・マイルス」時代の集大成となった。


 ぼくは 『デコイ('84)』 や 『TUTU('86)』 などもっと後の作品からマイルスに入ったはずなのに、これら「電子マイルス」に親しめるようになったのはごく最近のこと。パンゲア&アガルタも、CDを買ったはいいが棚に眠ること幾年月・・・。

 ・・・晴れて今回、冒頭の力強いドラムのリズムに一発で引き込まれた。電子マイルスがやりたかったのはリズムではないという指摘(下記の参考文献)もあるようだが、やっぱりリズムのカッコよさ、サイドを固める若手たちの荒れ狂う――しかし意外と計算された――新しい音の洪水だ。

 マイルスご本人の演奏はというと、交通事故の後遺症や麻薬中毒、来日時の風邪引きなどでコンディションは最悪。そのトランペットは「ワウ・ペダル」で音色を増幅させてはいるが力はなく、これならむしろ無いほうがいいくらい。(なお、この日はオルガンも演奏。)

 それより音楽全体の指揮者として前人未踏、「ジャズ」の枠を飛び出して「ファンク」「フュージョン」そして「ヒップホップ」誕生へと今まさに道を切り拓いていく、その一歩一歩にこそ不朽の価値があるというものだ。


 満身創痍のマイルスは、本作を最後にしばらく半引退状態に追い込まれてしまう。
 '80年代に復活を遂げたエレクトリック・マイルス晩年の作品群は、時代がひと回りした今聴くと、ことのほか落ち着いて聴けるから不思議。マイルスの播いた種がようやく実り、新しい音楽への違和感やアレルギーを払拭してくれたのだろう。

 ぼくが 『パンゲア』 『アガルタ』 という巨大な“地殻変動”を本当に理解するには、もう少し時間がかかりそうだ。それでも今、音のマグマに身をまかせて忘我の境地で楽しめたのは、ひとつ進化したってところか。
 
00:14  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【全世界音楽】 2019.01.26 (Sat)

『死亡遊戯』 にうっとり

ブルース・リー『死亡遊戯』
(サントラ盤)

 ブルース・リーの 『死亡遊戯』。1978年、香港。
 リーの急逝(1973)により、代役を立てて無理やり完成させたいわく付きの映画。
 「ブルース・リーと言えば」 な、あの黄色と黒ラインのトラックスーツ! お話はどうでもよかったけどリー(本物)のカッコよさは永遠!


 音楽は巨匠ジョン・バリー。
 勇壮なブラスと流麗なストリングスのテーマ曲、これもカッコいい! へんなアジア趣味が入ってる 『燃えよドラゴン(ラロ・シフリン作曲)』 より好きかも。

 そしてエンディングの主題歌 『Will This Be The Song I'll Be Singing Tomorrow』(YouTubeへ)
 雰囲気がらっと変わって、ここだけ 『007』 の主題歌みたいにしっとりと。バリーさんは 『007』 歴代主題歌の作曲者*でもあるので、そのまんまのイメージで作ってもらったのでしょう。(*有名なopの♪デンデレレンレン…「銃口<ガンバレル>シークエンス」は別人の作曲。)
 歌うは、劇中のヒロイン役もつとめたコリーン・キャンプ。


   「明日もこの歌を歌っているかな
   それは喜びの歌? 熱く夢中にさせる歌?
   それとも沈黙に変わって、忘れられた過去だけが残るのかしら」



 作詞もバリーによるもの。わざと難しい言葉や言い回しを使っていて、とても歌いづらい。この人の詞はあまり上手くない。
 でもメロディの美しさは、美しいメロディで知られたジョン・バリー作品でも白眉。いや、東西の全バラードの中でもマイベストに認定します! 誰か歌い継いでほしいなあ。詞がよければなあ。
 うっとりも永遠・・・。
 
20:43  |  全世界音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2018.12.09 (Sun)

≪JAZZ≫書庫もくじ

  ≪JAZZ≫もくじ

  『パンゲア』マイルス・デイヴィス『アガルタ』
  ミンガス・ビッグバンド~ゴージャスなジャズをクリプレ!
  真夏の夜にJAZZ<ボビー・ハッチャーソン>

  これぞ'70年代ファンク! ハービーの『マン・チャイルド』
  キース・ジャレットのスタンダードなジャズをどうぞ
  遅れて来たコルトレーン青の時代~没後50年
  アート・ファーマー “アート”の秋
  シェルブールの雨傘、ジャズ。

  JAZZスパルタカス/愛のテーマ
  真夏の夜にJAZZ <ウェザー・リポート>
  永遠の親指、ウェス・モンゴメリー
  サッチモでメリクリ
  ハービーの『ウォーターメロン・マン』

  『ムーン・リバー』をジャズ・メッセンジャーズで
  ミルト・ジャクソンの、ルパン三世ふうジャズ
  【追悼】 デイヴ・ブルーベック 『テイク・ファイブ』
  ジミー・スミスのジャズ煮込み
  ○○ & ジョン・コルトレーン

  電子マイルスの『On the Corner』!
  リアル・マッコイ・タイナー
  円熟の『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』
  リー・モーガン『クリフォードの想い出』
  マイルスの『いつか王子様が』のコルトレーンが

  ディジー・ガレスピー The Real
  ジャズの風雲児F・ハバード、逝く
  バド・パウエル『クレオパトラの夢』
  マイルスの『枯葉』
  おやすみデビー

  ステファン・グラッペリ~なんにもない休日のジャズ
  ジャズ界のグランマELLA
  かもめのチック・コリア
  ミルト・ジャクソン~ルパン三世ふうジャズ
  フレディ・ハバードの?『処女航海』

 
23:12  |  JAZZ  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2018.12.08 (Sat)

ミンガス・ビッグバンド~ゴージャスなジャズをクリプレ!

 
ミンガス・ビッグバンド

クリスマス・プレゼントがわりに、ゴージャスなジャズをどうぞ。

ミンガス・ビッグバンド
の第1弾アルバム 『ノスタルジア・イン・タイムズ・スクエア』、1993年。

≪Amazon試聴ページ≫


モダンジャズ黎明期の伝説のベーシスト、チャールズ・ミンガス(1979年没)にあやかって結成。

本来はビッグバンド団員ではないソリストたちが結集した、野性味あふれる粗っぽいアンサンブル。

あっちからこっちから音が飛び出してくる、個性と個性の熱いぶつかり合い。

「反骨の神様」 ミンガスの曲や演奏スタイルを見事に再現してくれます。


有名な(はずの) 『モーニン』 なんか、原曲が分からないくらいの暴れまくりバトル・ロワイヤル!

でも最後には、原曲なんてどうでもよくなるくらい激しく血がたぎり出す!


このたび、本家?ミンガス版の 『モーニン』 が入った 『ブルース&ルーツ』(1960)を買いましたが、

まったく一緒だ。

ミンガスは大編成のビッグバンドでブルースをやりたかったのがよく分かりました。


これまで、代表作 『直立猿人』(1956)の早すぎた 「フリージャズ」 の混沌っぷりや、

モダンジャズの開祖5人が奇跡的に集結した 『ジャズ・アット・マッセイホール』 (1953)の

おざなりオールスター戦から、チャールズ・ミンガスという人にあまりいい印象を持っていなかった。

本棚の古典文学全集、教科書の中の人って感じ。


しかし神様でありながら 「守り」 をよしとせず、攻撃と反骨を貫いたミンガスの生きざま。

その一端を知ったのは、マグナムでズドンとハートを撃ち抜かれるものがありました。


今も活動するミンガス・ビッグバンドも、メンバー流動という宿命があるけど、

初期の迫力と狂乱をぜひ取り戻してほしい。

 
19:35  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.11.13 (Tue)

≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ユリアンナ・アヴデーエワのショパン
  ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ (没後100年)
  バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)
  “愛の6度”~あなたの声に私の心は開く~

  夏の終わりのメンデルスゾーン
  ホロヴィッツ plays モーツァルト
  ドボルザークあるある
  ベートーヴェンの 『悲愴ソナタ』 聴き比べ
  カラヤンの『ツァラトゥストラ』聴き比べ

  シャンパン・バッハ
  世界一ヘタクソな『ツァラトゥストラはかく語りき』
  プーランクのピアノ曲集
  立ち上がれ!ブラームス弦楽六重奏曲
  洋食喫茶?ラフマニノフ

  オペラ映画 『リゴレット』 (ヴェルディ生誕200年)
  グルベローヴァの『夜の女王』
  水曜日はワグナーを聴いて♪(生誕200年)
  無限『トリスタンとイゾルデ』
  フィッシャー・ディースカウとわたし

  マリア・カラスの 『夢遊病の女』
  クレンペラー×ベートーヴェン 『荘厳ミサ曲』
  ハチャトゥリアン 『フルート協奏曲』
  衝撃の歌姫 !? フローレンス・フォスター・ジェンキンス!
  わが心のドボルザーク交響曲第8番

  フォーレのピアノ曲全集
  フルトヴェングラーのワーグナー
  レナード・バーンスタイン記念
  『だったん人の踊り』改め・・・?
  チャイコフスキー『交響曲第4番』って何だ!?

  ショパン生誕200周年の『プレリュード』
  マーラーの交響曲≪巨人≫聴きくらべ
  驚異のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ!
  イ・ムジチの『四季』50周年聴きくらべ
  トスカニーニのワーグナー

  プッチーニの『誰も寝てはならぬ』
  『展覧会の絵』めぐり
  カラヤンのモーツァルト『戴冠式ミサ』
  カラヤン愛憎
  ヴェルディ、怒りのレクイエム

  無伴奏チェロくらべ
  バッハとドラクエ
  バッハを兄弟に例えてみた。
  フルトヴェングラーの『第九』
  とすかにーにカンタービレ

  ブラームス交響曲第1番聴きくらべ
  アマデウス、走る
  さわやかな『皇帝』
  アラウのショパン『前奏曲』
  ショーシャンクのモーツァルト

 
20:01  |  クラシック音楽  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.11.12 (Mon)

ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ(没後100年)

ドビュッシー『前奏曲集』ミケランジェリ
(ミケランジェリ全曲盤)

今2018年はドビュッシーの没後100年だそうで、ピアノの 『前奏曲集』 を聴きました。

前後2巻。『亜麻色の髪の乙女』 が一番有名でしょうか。

でもぼくは 『デルフィの舞姫たち』 や 『沈める寺』 のような、もう始めっからホロホロに煮くずれて、

お口の中でふわりと融けていくような曲が好きです。(『亜麻色…』だってそうだけどね。)


わが家にあるのは名演ばかり3枚。

聴き比べというほどでもないけど、簡単に感想をまとめました。(各リンク先はAmazonの試聴ページ)



 ワルター・ギーゼキング 盤は、ドビュッシーのお手本・教科書とも言われてきた名演のひとつ。
 強い自己主張を好むロマン主義的な気風がまだ残る時代に、ドビュッシーの客観性や漂泊感がよく表れていると思う。
 ・・・が、もう古いかな。1953~54年。EMIレーベルとあって音が悪いのも古さに拍車をかける。


 アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ 盤は期待どおりのストライク! こういう曲をやらせたらさすがうまい。
 名残り惜しげに消えゆく音の波紋。夢幻の森をたゆとう柔らかくも色あざやかなタッチ。湿り気を感じさせるこの時代の録音もちょうどいいあんばい。1978年。
 今はもっぱらこれが愛聴盤です。


 クリスティアン・ツィマーマン は理知的で華も力強さもある大好きなピアニストだけど、この盤はハマらなかった。1991年。
 ギーゼキングとは好対照な、ひとつひとつの音がソリッドに立っていて、感覚的というより建築的。音の構造はとても明確に伝わるので、感傷を抜きにすれば現代の嗜好にマッチしているかもしれない。
 



演奏会でも人気の曲なので、なんだか今年はよく聴いていたイメージ。

CDは・・・これ以上増やすのは何だけど、まだ知られざる決定盤はありますか?

 
22:15  |  クラシック音楽  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑