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【全世界音楽】 2021.02.27 (Sat)

松本隆×筒美京平×斉藤由貴 『卒業』


斉藤由貴 『卒業』


卒業シーズンに、斉藤由貴さんのデビュー曲 『卒業』。1985年。

仲のいい男友達を少し離れて見つめる、卒業式にもどこか冷めた女の子の歌。

華々しいデビューを手がけたのは、作詞・松本隆、作曲・筒美京平というこの上ない黄金コンビ。


はしゃいだり妬いたりと、「友達以上恋人未満」 の距離感が愛おしかった教室の思い出。

自分でも気づかない無邪気さと、冷めた大人であろうとする背伸びが入り交じる年頃の、

松本隆的なやさしさと鋭さが、物語の端々にまで詰め込まれています。


筒美京平さんのメロディーもプロの技。

サビの「ああ卒業式で泣かないと」 で一番高い音が出たあとは、

うれしいのか悲しいのか判らない、どっちつかずの同じ音が連打され、(「冷たい人と言われそう」

そしてそのまま音は下がって静かに曲は終わっていく。


あのD・ホフマンの同名映画 『卒業 (1967米)』 の名ラスト、いったん頂点に達した興奮が

次第に冷めていく恋人たちの表情・・・

・・・あの荒い息づかいと将来への不安感に似ていると言ったらこじつけすぎでしょうか。


いや、'80年代の女の子はもっと大人で賢かったかもしれない。

2番詞の最後、「でも過ぎる季節に流されて 逢えないことも知っている」――

旅立ちの季節に涙する時代じゃなくなったんだね。

これを最後にすべり込ませた松本さんの達観には、ただ脱帽するほかありません。


黄金コンビ不朽の名曲 『木綿のハンカチーフ (1975)』 を意識した、リアルな時代の変化を

反映したアンサー・ソングであることは間違いないでしょう。


昨年末に亡くなった筒美京平さんの作品でひとつ挙げるとしたら、これかな。

日本音楽史上最大のヒットメーカーに、合掌。

 
20:12  |  全世界音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2020.12.17 (Thu)

『第九』でよいお年を!

 ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン生誕250年記念―― 『交響曲第9番ニ短調op.125≪合唱つき≫』
ベートーヴェン

 「おお友よ、このような音ではない!
  もっと快い、歓喜に満ちた歌をうたおうではないか」
  (O Freunde, nicht diese Töne!
   Sondern laßt uns angenehmere anstimmen und freudenvollere.




   1月19日
   『インサイダー』 静かで熱い社会派映画 『インサイダー』

  「いや、これではない、もう少し違うものを。私が求めているのは心地よいものだ」
  (O nein, dieses nicht, etwas anderes gefälliges ist es was ich fordere.




   6月20日
   プラティベロドン 【激ムズ】卑怯すぎる10回クイズ

  「これもだめだ、良くなってはいない。ただいくらか明るいだけだ」
  (Auch dieses nich, ist nicht besser, sondern nur etwas heiterer.




   10月30日
   満月 月夜に寄せて

  「これも違う、やさしすぎる。何か目を覚まさせるものを探さなければ。たとえば、あなた達に歌って
   聞かせたくなるようなもの、そして私のあとについて歌いたくなるものを」
  (Auch dieses es ist zu zärtl. Etwas aufgewecktes muss man suchen
   wie ich werde sehn dass ich selbst euch etwas vorsinge was der stimm.. mir nach





  「これだ、ついに見つけたぞ」
  (Dieses ist es. Es ist nun gefunden)


  使用前(500)2

・・・??

・・・残念ながら見つかりませんでした。来年こそは見つけられるようがんばります。よいお年を!

(年内にいくつかは投稿できるかも。)

  
22:37  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2020.09.07 (Mon)

夏の終わりに、熱いジャズ・オルガンをどうぞ

ジャック・マクダフ『ソフィスティケイテッド・ファンク』
『ソフィスティケイテッド・ファンク (1976)』

夏の終わりに、ソウルフルなジャズ・オルガンをご紹介。

“ブラザー” ジャック・マグタフ

おもに1960年代以降、いわゆる「ジャズ」とだけ呼ばれていたものから、「ソウル」「ファンク」「ロック」

そして「フュージョン」へと多岐に広がっていった時代に活躍した人です。


  【YouTube】 Jack McDuff 検索ページ


ぼく自身、この時代のブラック・ミュージックは完全にソウル寄りになっているため、

彼のことはほとんど知りませんでした。ジャズ・オルガンの脂っこさも長く好きじゃなかった。

でももっと泥臭いソウルにも触れるようになると、だんだん分かるように。


 『スクリーミン (1962)』
 (前に記事にした、)ジャズ・オルガンの第一人者ジミー・スミスをもしのぐ、ゴリゴリのギトギト味。サイドメンたちもまぁ下品。 ここでも名手ケニー・バレルの上品なギターだけがお口を潤してくれます。
 でもクセになるとやめられないんだよなあ、この脂身! 最近はこのくらい高カロリーな方が好きです。


 『ソフィスティケイテッド・ファンク (1976)』
 貞操帯のレコ・ジャケが挑発的! (上の画像)
 音楽は、その名のとおりだいぶ「洗練<ソフィスティケイト>」されてきて、もはや「スムース・ジャズ」の部類に入るのだろうか。
 ぼくにとってマクダフの音楽といえばこのイメージ。ジャケットに釣られた「初マクダフ」がこれ。CD化はされてないみたいなのが残念。


 『ムーン・ラッピン (1969)』
 これはファンク全開でカッコいい! 盟友ジョー・デュークスの乾いたドラミングも個性が効いてる。
 一方で、今ひとつメジャーになりきれない、ローカルっぽい(正直言ってサイドメンは上手くない)ところがまたマニア心をくすぐります。

 しかしブルースからファンク、スムースまで、10年そこらで人をここまで変えた時代の流れよ。激動の'60年代を思う・・・。



・・・ほか、彼のバンド出身の名ギタリスト、ジョージ・ベンソンとの師弟共演作も有名らしい。

けど1964~65年の 『ジョージ・ベンソン&ジャック・マクダフ』 は、土臭すぎて好みじゃなかった。

(もはやジャズじゃなくなった)ベンソンは聴かずに育ったのでこれは初めて知りました。

 
18:55  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2020.08.07 (Fri)

≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  『第九』でよいお年を!(ベートーヴェン生誕250年)
  ベームとウィーンフィルのベートーヴェン
  燃えよ!クラシック名演集

  新国立劇場オペラ 『トゥーランドット』 中継
  ユリアンナ・アヴデーエワのショパン
  ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ (没後100年)
  バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)
  “愛の6度”~あなたの声に私の心は開く~

  夏の終わりのメンデルスゾーン
  ホロヴィッツ plays モーツァルト
  ドボルザークあるある
  ベートーヴェンの 『悲愴ソナタ』 聴き比べ
  カラヤンの『ツァラトゥストラ』聴き比べ

  シャンパン・バッハ
  世界一ヘタクソな『ツァラトゥストラはかく語りき』
  プーランクのピアノ曲集
  立ち上がれ!ブラームス弦楽六重奏曲
  洋食喫茶?ラフマニノフ

  オペラ映画 『リゴレット』 (ヴェルディ生誕200年)
  グルベローヴァの『夜の女王』
  水曜日はワグナーを聴いて♪(生誕200年)
  無限『トリスタンとイゾルデ』
  フィッシャー・ディースカウとわたし

  マリア・カラスの 『夢遊病の女』
  クレンペラー×ベートーヴェン 『荘厳ミサ曲』
  ハチャトゥリアン 『フルート協奏曲』
  衝撃の歌姫 !? フローレンス・フォスター・ジェンキンス!
  わが心のドボルザーク交響曲第8番

  フォーレのピアノ曲全集
  フルトヴェングラーのワーグナー
  レナード・バーンスタイン記念
  『だったん人の踊り』改め・・・?
  チャイコフスキー『交響曲第4番』って何だ!?

  ショパン生誕200周年の『プレリュード』
  マーラーの交響曲≪巨人≫聴きくらべ
  驚異のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ!
  イ・ムジチの『四季』50周年聴きくらべ
  トスカニーニのワーグナー

  プッチーニの『誰も寝てはならぬ』
  『展覧会の絵』めぐり
  カラヤンのモーツァルト『戴冠式ミサ』
  カラヤン愛憎
  ヴェルディ、怒りのレクイエム

  無伴奏チェロくらべ
  バッハとドラクエ
  バッハを兄弟に例えてみた。
  フルトヴェングラーの『第九』
  とすかにーにカンタービレ

  ブラームス交響曲第1番聴きくらべ
  アマデウス、走る
  さわやかな『皇帝』
  アラウのショパン『前奏曲』
  ショーシャンクのモーツァルト

 
20:01  |  クラシック音楽  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2020.08.05 (Wed)

ベームとウィーンフィルのベートーヴェン

 
 久々に大指揮者カール・ベームの演奏を聴きました。
 1977年、最高の伴侶ウィーン・フィルとの来日公演。こんなぜいたくなカップリングがあっていいものなのか!
 曲はベートーヴェン『レオノーレ序曲第3番』


  カール・ベーム(※画像だけ拝借。動画は下のリンク先から)
  【YouTube検索ページ】 Böhm Leonore live


 あぁ、これこれ! これぞウィーン・フィルの音!
 老ベームはほとんど棒を振っていないのに、オケは見事に機動し、鳴ってくれます。『レオノーレ』といえば派手な盛り付けでサービスしてくれる演奏が多い中、名人のそば屋のような無駄のない所作。それでいて勝負どころは押さえて手抜きひとつ許さない鋭い目の動き。

 いちいち細かい指示やアクションを見せなくとも、長年の蓄積と準備があって呼吸と思想を完全に共有し、最上の能力を発揮してみせる――。音楽に限らず、組織を 「指揮」 するってこういうことなんだなあ、と図らずも教えられました。

 戦後ドイツ・オーストリア音楽界の重鎮として確たる地位を築いたベームさん、YouTube関連動画にあるインタビューではウィーンpo.とベルリンpo.の違いに触れ、ベルリン・フィルを 「プロシア的」 と評していたのがなるほど腑に落ちた。厳しく訓練・組織され、誰が振っても一定の結果を出すのがベルリン気質。ヘタが振ると途端に見くびって鳴らなくなるのがウィーン気質、というわけだ。


 あと、このたび 「動くカール・ベーム」 を見て、譜面台を置かない「暗譜」でやっているのも驚いた。この短い曲だけでなく他の交響曲クラスでも。 ドイツもののものさし・お手本にされるくらいドイツ音楽を体現した者の「自家薬籠中」ってやつなんだろう。

 この日の演奏会の本番は別の交響曲で、こっちは刺身のツマみたいなものなんでしょうが、むしろこの 『レオノーレ』 のほうに感動しました。

 
22:22  |  クラシック音楽  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2020.03.18 (Wed)

≪JAZZ≫書庫もくじ

  ≪JAZZ≫もくじ

  ジャック・マグタフ~夏の終わりに、熱いジャズ・オルガンをどうぞ
  オーレ!コルトレーン!
  『パンゲア』マイルス・デイヴィス『アガルタ』
  ミンガス・ビッグバンド~ゴージャスなジャズをクリプレ!
  真夏の夜にJAZZ<ボビー・ハッチャーソン>

  これぞ'70年代ファンク! ハービーの『マン・チャイルド』
  キース・ジャレットのスタンダードなジャズをどうぞ
  遅れて来たコルトレーン青の時代~没後50年
  アート・ファーマー “アート”の秋
  シェルブールの雨傘、ジャズ。

  JAZZスパルタカス/愛のテーマ
  真夏の夜にJAZZ <ウェザー・リポート>
  永遠の親指、ウェス・モンゴメリー
  サッチモでメリクリ
  ハービーの『ウォーターメロン・マン』

  『ムーン・リバー』をジャズ・メッセンジャーズで
  ミルト・ジャクソンの、ルパン三世ふうジャズ
  【追悼】 デイヴ・ブルーベック 『テイク・ファイブ』
  ジミー・スミスのジャズ煮込み
  ○○ & ジョン・コルトレーン

  電子マイルスの『On the Corner』!
  リアル・マッコイ・タイナー
  円熟の『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』
  リー・モーガン『クリフォードの想い出』
  マイルスの『いつか王子様が』のコルトレーンが

  ディジー・ガレスピー The Real
  ジャズの風雲児F・ハバード、逝く
  バド・パウエル『クレオパトラの夢』
  マイルスの『枯葉』
  おやすみデビー

  ステファン・グラッペリ~なんにもない休日のジャズ
  ジャズ界のグランマELLA
  かもめのチック・コリア
  ミルト・ジャクソン~ルパン三世ふうジャズ
  フレディ・ハバードの?『処女航海』

 
23:12  |  JAZZ  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2020.03.17 (Tue)

リアル・マッコイ・タイナー(再)


 去る2020年3月6日に亡くなったジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーさんを偲んで・・・。(初出2011年Yahoo!ブログ)


リアル・マッコイ

のっけからチンチンに沸騰するドラムス!

洗練とは無縁のアフロイズムが、鍵盤の上を踏み荒らす。

魂の咆哮、That's エキサイティング!

ジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーの代表作 『ザ・リアル・マッコイ』。1967年。


  『ザ・リアル・マッコイ』 Amazon試聴ページ


タイナーといえば、偉大なジョン・コルトレーンの黄金期を支えた 「次元大介」 のような名・相棒。

一方で評論家は、彼個人を 「目新しさはない」 とか 「時代を進んでいない」 とかケンもほろろだが、

コルトレーンの先進・創造性と比べられても困るというもの。


それに 「古い」 ったって、現代人からすればどちらも半世紀前の演奏。 いま言われても、だ。

『リアル・マッコイ』 のようなジャズ本来の魅力、プリミティブ(原始的)な興奮を等しく評価してほしい。


急速に 「芸術化」 していくジャズの潮流にあって、ファンキーなハード・バップしかできなかった男と、

そんな楽しいジャズを心から楽しんでいるメンバーの一体感。

ほほえましいじゃないか。 大好きな1枚です。


  マッコイ・タイナー (piano)
  ジョー・ヘンダーソン (tenor sax)
  ロン・カーター (bass)
  エルヴィン・ジョーンズ (drums)



・・・いいなあ! シブいなあ!

ルパンや次元というより、みんな銭形のとっつぁんだ。

1曲目 『パッション・ダンス』 なんか景気よくって最高!
  
21:53  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑