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【クラシック音楽】 2018.11.12 (Mon)

ドビュッシーの『前奏曲集』聴き比べ(没後100年)

ドビュッシー『前奏曲集』ミケランジェリ
(ミケランジェリ全曲盤)

今2018年はドビュッシーの没後100年だそうで、ピアノの 『前奏曲集』 を聴きました。

前後2巻。『亜麻色の髪の乙女』 が一番有名でしょうか。

でもぼくは 『デルフィの舞姫たち』 や 『沈める寺』 のような、もう始めっからホロホロに煮くずれて、

お口の中でふわりと融けていくような曲が好きです。(『亜麻色…』だってそうだけどね。)


わが家にあるのは名演ばかり3枚。

聴き比べというほどでもないけど、簡単に感想をまとめました。(各リンク先はAmazonの試聴ページ)



 ワルター・ギーゼキング 盤は、ドビュッシーのお手本・教科書とも言われてきた名演のひとつ。
 強い自己主張を好むロマン主義的な気風がまだ残る時代に、ドビュッシーの客観性や漂泊感がよく表れていると思う。
 ・・・が、もう古いかな。1953~54年。EMIレーベルとあって音が悪いのも古さに拍車をかける。


 アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ 盤は期待どおりのストライク! こういう曲をやらせたらさすがうまい。
 名残り惜しげに消えゆく音の波紋。夢幻の森をたゆとう柔らかくも色あざやかなタッチ。湿り気を感じさせるこの時代の録音もちょうどいいあんばい。1978年。
 今はもっぱらこれが愛聴盤です。


 クリスティアン・ツィマーマン は理知的で華も力強さもある大好きなピアニストだけど、この盤はハマらなかった。1991年。
 ギーゼキングとは好対照な、ひとつひとつの音がソリッドに立っていて、感覚的というより建築的。音の構造はとても明確に伝わるので、感傷を抜きにすれば現代の嗜好にマッチしているかもしれない。
 



演奏会でも人気の曲なので、なんだか今年はよく聴いていたイメージ。

CDは・・・これ以上増やすのは何だけど、まだ知られざる決定盤はありますか?

 
22:15  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【全世界音楽】 2018.09.26 (Wed)

追悼…アレサ・フランクリンといえばこれ!

アレサ・フランクリン『B・B』(加工)

8月に亡くなられた 「ソウルの女王」 アレサ・フランクリンさん。


思い出すのは1980年の映画 『ブルース・ブラザース』 へのゲスト出演です。

「女王」の彼女が演じるのは、よりによってうす汚い安食堂のおかみ。

バンド再結成の誘いに浮かれる夫に、自身1968年の曲 『Think』 を歌って聞かせる。


 「あんた、ガキみたいなこと言ってないで、もっとよく考えなさいよ。
  付き合わされる方はたまったもんじゃないわ」

 


と、まさにぴったりな歌詞。


  【YouTube検索ページ】 Aretha Franklin Think


なんという声量! オリジナル版よりゴージャスに、2倍激しく!

張本人の“B.B.”もダンスに加わって、それがまた素人くさい感じなのが笑える。


なお、歌は別撮りなので、ところどころ演技と合っていないのはご愛敬ってことで。

アレサのCDは何枚か持ってますが、彼女は「録音」より「舞台」のひとだったのかな。

お目当てのステージの動画を探したけどなかった。(人様の著作物なのでほどほどにしときます。)

だとしても、この 『Think』 を観たファースト・インパクトがちょっと凄すぎて、

いまだにアレサ・フランクリンと言えばこれです。


またひとつの時代が終わりました。合掌・・・。
 
19:49  |  全世界音楽  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.08.25 (Sat)

バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)


バーンスタイン『ブラームズのピアノ協奏曲』グールド

 きょうは指揮者レナード・バーンスタインの生誕100年記念日ということで、鬼才グレン・グールドと組んだ“問題作”、「ブラームスのピアノ協奏曲第1番」 を聴きました。
 1962年、カーネギーホールでのライブ録音。オケは手兵のニューヨーク・フィル

  ≪Amazon試聴ページへ≫

 CDには、バーンスタインによる異例のあいさつを収録。
 いきなり 「安心してください、グールド氏はちゃんと来てますよ」 と、グールドの“奇行”ぶりをチクリ。そして 「これから始まる演奏は彼の構想によるもので、自分はそれに賛同したわけではない」 と、えんえん言い訳。言いたい気持ちは分かるけど、そこで言わなくても。
 いっぽうCDには、グールドへの後日インタビューも併録。バーンスタインのいけずにも「自分は舞台裏で笑っていた」 と、この人らしい超俗ぶりがおかしかった。


 さてさて、じゃあ肝心の演奏は散々かというと、これが意外とそうでもない。
 スローすぎるテンポ、ぼくが苦手なグールドらしいトツトツと抑揚のないタッチ(――彼の言葉で言う、極端に「誇張」 を排した――)もありましたが、個人的にブラームス協奏曲への思い入れがないこともあって、そんなに違和感なく聴けました。
 バーンスタインとN.Y.フィルはいつも以上の大迫力。出だしのドカンと一発は、そういう「誇張」を嫌ったグールドへのあてつけだろうか? こんなに魅力的な曲だと知らなかったくらいです。


 べつに不仲とかスキャンダラスというより、革新的なグールドとの距離感を詰めきれなかっただけの話だろう。気軽におすすめはできないマニアックな一枚ではあるけど、かと言って「問題作」だ「失敗作」だというほどでもなかった。
 ただ、古いラジオ音源のCD化とあって、音質は最悪。また、ひっきりなしに聞こえる観客の咳も最新技術で消せないのか――そっちのほうにマイナス、でした。

 
23:47  |  クラシック音楽  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2018.08.01 (Wed)

真夏の夜にJAZZ<ボビー・ハッチャーソン>

 
B・ハッチャーソン『モントラ』
 
ジャズ・ヴァイブ(鉄琴)の巨匠ボビー・ハッチャーソン『モンタラ』。1975年。

「モード・ジャズ」をベースにラテンの名手も加えて、オトナのソウルフルを聴かせてくれます。


ハッチャーソンはビブラフォン(鉄琴)だけでなく、マリンバ(木琴)も駆使。

ジャズで木琴は意外と新鮮。まろやかに転がる音のしずくが、清らかな透明感にあふれていました。

アフリカへのルーツをたどることもできるのかな。


『キャメル・ライズ』『ラブ・ソング』はサイドマンたちの職人仕事が光る、抑制されたオトナの“モード”。

(ちなみにオリジナルのフレディ・ハバード版『キャメル…』は、艶っぽい茶目っ気をきかせていてまた違った面白さ。)

サルサのヒット曲から借りてきた 『ラ・マランガ』 『オエ・コモ・ヴァ』 は一転、キューバン・アフロ全開!

『リトル・エンジェル』はモードとラテンの見事な融合。ここだけトランペットはブルー・ミッチェルが客演。


そしてタイトル曲 『モンタラ』。

淡々と刻むリズムをバックに、こぶし?を転がせるハッチャーさんのソロが抜群にカッコいい!


冷んやりとしたヴァイブの金属音が、青白い炎のように静かに燃える。

真夏の夜にぴったりな一枚。


【Amazon試聴ページ】
 
00:06  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2018.03.28 (Wed)

≪JAZZ≫書庫もくじ

  ≪JAZZ≫もくじ (※クリックすると新しいウィンドウで開きます。)

  真夏の夜にJAZZ<ボビー・ハッチャーソン>

  これぞ'70年代ファンク! ハービーの『マン・チャイルド』
  キース・ジャレットのスタンダードなジャズをどうぞ
  遅れて来たコルトレーン青の時代~没後50年
  アート・ファーマー “アート”の秋
  シェルブールの雨傘、ジャズ。

  JAZZスパルタカス/愛のテーマ
  真夏の夜にJAZZ <ウェザー・リポート>
  永遠の親指、ウェス・モンゴメリー
  サッチモでメリクリ
  ハービーの『ウォーターメロン・マン』

  『ムーン・リバー』をジャズ・メッセンジャーズで
  ミルト・ジャクソンの、ルパン三世ふうジャズ
  【追悼】 デイヴ・ブルーベック 『テイク・ファイブ』
  ジミー・スミスのジャズ煮込み
  ○○ & ジョン・コルトレーン

  電子マイルスの『On the Corner』!
  リアル・マッコイ・タイナー
  円熟の『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』
  リー・モーガン『クリフォードの想い出』
  マイルスの『いつか王子様が』のコルトレーンが

  ディジー・ガレスピー The Real
  ジャズの風雲児F・ハバード、逝く
  バド・パウエル『クレオパトラの夢』
  マイルスの『枯葉』
  おやすみデビー

  ステファン・グラッペリ~なんにもない休日のジャズ
  ジャズ界のグランマELLA
  かもめのチック・コリア
  ミルト・ジャクソン~ルパン三世ふうジャズ
  フレディ・ハバードの?『処女航海』

 
23:12  |  JAZZ  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2018.03.27 (Tue)

これぞ'70年代ファンク! ハービーの『マン・チャイルド』

H・ハンコック『マン・チャイルド』


現代ジャズ界の総大将ハービー・ハンコックのCD 『マン・チャイルド』 を買いました。1975年。

'73年の 『ヘッド・ハンターズ』 以降、エレクトリック・ファンク路線にも進みはじめた時代の一作。


1曲目 『Hang Up Your Hang Ups』 がめちゃくちゃカッコいい!

1970年代ニューヨークの刑事ドラマみたい!


  【YouTube】herbie hancock - hang up your hang ups


・・・ちょうどそういう雰囲気の動画発見! (無断使用ごめんなさい)

この曲は、来日公演 『洪水 ('75)』 や 『V.S.O.P./ニューポートの追想('76)』 などライヴの名盤にも

収録されていますが、このオリジナルではじめてその真価を知りました。


「♪アッハ~ン、テケテケテケ・・・」 って聞こえるみたいな(聞こえない)ギターの “カッティング”(と言うらしい)

ファンキー!

ギターはワーワー・ワトソンWah Wah Watson)という方。

なんか面白い名前だけは存じ上げておりましたが、詳しくは知らなかった。お恥ずかしい。

本作では本名の「メルヴィン・レイジン」名義で、多くの作曲も手掛けているそうです。


洗練されたハービーのシンセと、ゴージャスなホーン・セクションの掛け合いにもシビれまくり。

多作なハービーは、アルバムの後ろの方がだんだんお座なりになっちゃうのが玉にキズなんですが、

本作はワーワーさんのおかげで緊張感を保ったまま全曲快演に仕上がっています。

あのスティーヴィー・ワンダーも、アルバム後ろの方の曲にハーモニカで参加。

隠れた傑作!

 
19:11  |  JAZZ  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2018.03.01 (Thu)

≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  ≪クラシック音楽≫書庫もくじ

  バーンスタインvs.グールド協奏曲(生誕100年記念)
  “愛の6度”~あなたの声に私の心は開く~

  夏の終わりのメンデルスゾーン
  ホロヴィッツ plays モーツァルト
  ドボルザークあるある
  ベートーヴェンの 『悲愴ソナタ』 聴き比べ
  カラヤンの『ツァラトゥストラ』聴き比べ

  シャンパン・バッハ
  世界一ヘタクソな『ツァラトゥストラはかく語りき』
  プーランクのピアノ曲集
  立ち上がれ!ブラームス弦楽六重奏曲
  洋食喫茶?ラフマニノフ

  オペラ映画 『リゴレット』 (ヴェルディ生誕200年)
  グルベローヴァの『夜の女王』
  水曜日はワグナーを聴いて♪(生誕200年)
  無限『トリスタンとイゾルデ』
  フィッシャー・ディースカウとわたし

  マリア・カラスの 『夢遊病の女』
  クレンペラー×ベートーヴェン 『荘厳ミサ曲』
  ハチャトゥリアン 『フルート協奏曲』
  衝撃の歌姫 !? フローレンス・フォスター・ジェンキンス!
  わが心のドボルザーク交響曲第8番

  フォーレのピアノ曲全集
  フルトヴェングラーのワーグナー
  レナード・バーンスタイン記念
  『だったん人の踊り』改め・・・?
  チャイコフスキー『交響曲第4番』って何だ!?

  ショパン生誕200周年の『プレリュード』
  マーラーの交響曲≪巨人≫聴きくらべ
  驚異のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ!
  イ・ムジチの『四季』50周年聴きくらべ
  トスカニーニのワーグナー

  プッチーニの『誰も寝てはならぬ』
  『展覧会の絵』めぐり
  カラヤンのモーツァルト『戴冠式ミサ』
  カラヤン愛憎
  ヴェルディ、怒りのレクイエム

  無伴奏チェロくらべ
  バッハとドラクエ
  バッハを兄弟に例えてみた。
  フルトヴェングラーの『第九』
  とすかにーにカンタービレ

  ブラームス交響曲第1番聴きくらべ
  アマデウス、走る
  さわやかな『皇帝』
  アラウのショパン『前奏曲』
  ショーシャンクのモーツァルト

 
20:01  |  クラシック音楽  |  EDIT  |  上へ↑