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【このアート!】 2019.11.12 (Tue)

美人画の巨匠・鏑木清方

鏑木清方
(東京国立近代美術館HPより拝借)

東京国立近代美術館の美人にひと目惚れしました。

鏑木清方(かぶらききよかた)作、『築地明石町』。1927年。(画像中央)


見返り美人のやわらかい曲線。その品と色気。

お召しものもすてき。

柵にからみつく朝顔。後方には帆船のマストがうっすらと見える。

楚々としていても深窓の山の手マダムとは違う、朝夕にぎわう商人の街の活きた身のこなしと、

磨きあげた趣味の良さ、センスの新しさを感じます。


近代美人画の第一人者・清方の代表作でありながらしばらく行方不明だったが、

このたび発見されての晴れてお披露目あいなったとか。


上の画像、「三部作」と呼ばれる 『新富町』 の傘を開く芸者、『浜町河岸』 のあどけない少女も、

無理にトリオを組ませるのはもったいない、ソロで売り出せるだろうにの別嬪ぞろい。

(コーディネートが粋でおしゃれ!)


ほか、季節のひとこまを12幅につづった 『明治風俗十二ヶ月』 も、

懐かしさとハイカラ両方の風情にあふれていて、いつまでも見飽きることはなかった。

近代日本画に疎かったぼくには、掛け軸に合わせたタテの構図も新鮮でした。


今までポスターや小説の挿絵など、大衆芸術のイメージくらいしかなかった清方ですが、

大きな感動とともにその真髄を知らしめてくれました。 ルノワールの 『イレーヌ嬢』 以来の恋。

 
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【『ガラスの仮面』全巻】 2019.11.06 (Wed)

ガラスの仮面第14巻≪「鬼千匹」の芸能界≫

 美内すずえ 『ガラスの仮面』 第14巻 ≪華やかな迷路(2)≫
 本巻から1980年代へ(コミックス発売日)。

ガラスの仮面~マヤ(白目・光)

 【スターへの階段】

 共演の里美茂に恋をしたマヤと、恋をしたことがないと見抜かれた亜弓…。
 亜弓は 「間 進(はざますすむ)」 という無名役者に接近して恋の表現を盗んでいくが、マヤはまるっきり演技ができなくなってしまう。


 もてあそばれた間進くんの立場、他人事には思えません。あぁ罪な亜弓さま…。(次15巻ではベテラン俳優・田口剣に接近。あぁ亜弓さま…。)
 ちなみに 「間進」 という名前は、当時絶頂を極めた吉本新喜劇の二枚看板 「間寛平」 と 「木村進」 からきてるんだろう。美内先生は大阪の人だから。


 大都芸能社による怒涛のマヤ売り出し計画。水城がマヤの正マネージャーに (「あなたはスターになるのよ!」)。マヤと里美の恋を知った真澄の 「白目」。
 真澄、北島母娘の 「感動の再会」 を演出するため、地方で療養中のマヤ母を軟禁状態に置く。
 こうしてマヤ、たちまちお茶の間の人気者になり、里美ともさらに親密に。天性の明るさと向上心で、恋わずらいもうまく乗り越えるのだが…。

 野暮ったい女優の卵・乙部のりえ登場。甲斐甲斐しくマヤの世話を焼いたり、意地悪なライバルにマヤのすごさを教えたりする。


 ぼくは2割くらい、「乙部のりえ」 の正体は亜弓だと思っていました。あとの4割は絶体絶命のマヤを救ってくれる正義の実力者か。…甘かった、はずかしいわ!



 【いじめの日々】
 以下、マヤを恨む人リスト。傍若無人な大都芸能のやり方だと、恨まれて当然? それでも元気と笑顔を貫こうとするマヤがけなげでけなげで…。話はハードだが、マヤの不屈の明るさでかなり救われた。

 ≪里美茂親衛隊
 里美と交際するマヤへの嫉妬。
 (次15巻) マヤに集団で暴行を加えるが・・・
 ・・・真澄に撃退される。(やっつける真澄のポーズがカッコよすぎて笑える。)

 ≪吉川みどり (下積み女優)≫
 マヤ売り出しのあおりを受け、大河ドラマ 『天の輝き』 の出番を削られる。
 マヤの衣装のエリにカミソリを入れるが・・・
 ・・・マヤの気高い演技力と、素の無邪気な笑顔に感服 (「不思議な子…負けたわ…」)。

 ≪巴万里 (アイドル歌手) とそのファンクラブ≫
 映画 『白いジャングル』 の初主役をマヤに奪われる。
 ファンが大都芸能の車を破壊し、マヤに抗議文。お手玉の糸を抜く。(バケツは違う)
 ・・・万里、マヤの素直さ (「あたし、お芝居が好き…」) と、お手玉が破れてもミカンでやり抜く舞台度胸に感服 (「あの子なら許せる」)。万里に叱られてファンクラブも謝罪。

 ≪山崎竜子 (大女優)≫
 長年つとめた 「日向電機」 のCMをマヤに奪われる。
 (次15巻) マヤの演技を酷評しようとするが・・・
 ・・・真澄から別の大きなCM出演に誘われてコロッと機嫌を直す。


 しかしまだまだ、「マヤのポスターを破損」 「パイにガラス片(文庫版8巻ラスト)」 「船のマストのネジが抜かれ、あわや転落」 「人力車の踏み板が外れる」 「くしに接着剤」 「タオルにコショウ」 「バケツが落ちて水びたし」・・・
 ・・・「いったい誰のしわざなの…?」

 
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22:54  |  『ガラスの仮面』全巻  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2019.10.31 (Thu)

オーレ!コルトレーン!

J・コルトレーン『オレ!』


 ジャズの哲人ジョン・コルトレーンのアルバム、『オレ!』。1961年。
 文字通りの躍進<ジャイアント・ステップス>を果たしたアトランティック・レコード時代の、その最後を飾る作品。

 前後の作品の集大成的というか、この時期のトレーンのおいしいところを集めたような充実ぶり。単作としてはもちろん、前後を通してみるとさらに楽しい 『スターウォーズ』 の劇場第1作(エピソードⅣ)みたいな感じかな。


 まずはタイトル曲 『Ole!』。スペイン旅行の思い出を音楽にしたのだそうで、アラビアンな味付けがとにかくカッコイイ! 前年の名作 『マイ・フェイバリット・シングス』 を思わせる、モード旋法のスパイラルも心地いい事この上ない。こんな洗濯機の中でいつまでも回っていたい。
 サイドメンたちの演奏がトレーン以上に素晴らしいものだから、「クールだけど熱い」という得がたい魅力を放つ。

 2曲目の 『ダホメ・ダンス』 とは、女戦士軍団が有名だったアフリカの王国のことだそう。といってもアフリカっぽさはなくて、むしろ'50年代ハード・バップと'60年代モード・ジャズのゆるやかなブレンド。過渡期のコルトレーンの自然で無理のない等身大像をよく映している。

 3曲目の 『アイシャ』 は、翌年の人気アルバム 『バラード』 を予告させるかのような親しみやすいメロディ。
 ボーナストラックの 『To Her Ladyship』 もしっとりと大人のバラード。(契約の関係で変名を使用している)エリック・ドルフィーのフルートが全編を通じておしゃれだった。


 この頃から、マッコイ・タイナー(p)やフレディ・ハバード(tp)らひと回り下の新鋭を起用。若い彼らに自由にやらせているから、トレーン自身は円熟を増しつつも、常に次の高みをめざし続けた彼らしい、とどまることを知らない攻めの意欲を感じさせる。
 それでいて東洋哲学にも似た知的で自然体なアプローチには、あらためてうならされた。前後の大傑作群にあってセンターに立つような大作ではないけれど、ふと気づくといいなって思う、「好編」 という言葉がぴったりな一枚。


 【Amazon試聴ページ】

 
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【  ゴーヤ絵にっき】 2019.10.23 (Wed)

【家庭菜園ミステリー】 犬ゴーヤ家の一族 (前)

P1090133(22).jpg


街はそろそろ秋めいてきましたが、わが家のゴーヤはまだまだ元気。

ペースこそ落ちたものの、途切れることなく次の実がなり続けています。


同じく「食べ蒔き」のピーマンも、ここへきて急に実りだしました。

今年は暖かい秋。夏野菜でも猛暑すぎるのは良くなかったのかな。

ししとうくらいの大きさにしかなりませんが、料理の緑の彩りにはじゅうぶん。

偶然芽が出た0円栽培で、ししとう2~3袋ぶんも採れれば御の字です。


・・・と、ここまで書いて、ふとある疑念が湧き上がってきました。

もしかして、今までピーマンだと思っていたこいつは、じつは 「ししとう」 なんじゃないか・・・。


堆肥のコンポストから偶然出てきた芽。誰も種を見た者はいません。

葉っぱの形を調べて、勝手にピーマンだと思いこんでいたのですが、ししとうだって同じ仲間。

そういえば、果実はピーマンのように肉厚でもなくパリッと感もなく、薄皮で細長め。

辛くはないものの、味も食感もししとうそのものです。


・・・ピーマンくん、君は本当はししとうじゃないのかね!?
 
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19:08  |    ゴーヤ絵にっき  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【『ガラスの仮面』全巻】 2019.10.17 (Thu)

ガラスの仮面第13巻≪華やかな芸能界へ≫

 美内すずえ 『ガラスの仮面』 第13巻 ≪華やかな迷路(1)≫

ガラスの仮面~マヤ(白目・光)

 【アカデミー芸術祭、受賞!】

 アカデミー芸術祭・助演女優賞は… 『奇跡の人』 ヘレン・ケラー役の北島マヤに!
 月影、マヤと亜弓のふたりを幻の名作劇 『紅天女』 の主演候補として公式に発表。


 マヤの受賞でひとつのクライマックスを迎え、つづいて本作最大のキーワード 『紅天女』 が胎動のきざし。マヤも物語も…そして亜弓も、次の大きな段階へ成長していくのだろう。



 【大河ドラマ出演】

 マヤ、月影の後押しで宿敵・速水真澄の 「大都芸能」 入り。テレビ大河ドラマ 『天の輝き』 (作者オリジナル)の令嬢 「田沼沙都子」 役に大抜擢される。勝手が違うテレビドラマ撮影に戸惑いながらも役を作り上げていく。
 共演の人気青春スター里美茂が登場! マヤ、気さくな里美に恋心を募らせる (里美 「半分かじりかけだけど、あの子のならいいや」)。それがもとで里美親衛隊に妬まれたり演技が出来なくなったりと、波乱の予感。


 急転直下の展開で読者をやきもきさせた≪華やかな迷路≫の章がスタート。
 恋におちたマヤ、ついに演技ができなくなる! …これまでどんなイジメや試練にも無邪気な本能で乗り越えてきたが、頼みのアイデンティティ(=演技)が揺らぐとは! いつかはその日が来ると分かっていながらショックだった。(娘の思春期…まさに思春期を迎えた父親の気持ち!?…バカな、おれともあろうものが!)
 次14巻からライバルたちのいやがらせが本格化するが、むしろこの「演技ができない」ほうにハラハラさせられた (さらに16巻からは、別の理由で演技ができなくなる!)。
 そして、マヤの高い演技力にも冷淡なテレビマンの一言 「まだ若いのに生意気だねえ」 もグサッときた。もはやマヤひとりを中心に動く物語世界ではないのだ。せめぎあう思春期と大人社会の活断層が、これでもかとばかり描かれていく。



 ≪今週の「紫のバラのひと」≫
 マヤと真澄、受賞パーティでダンス。もののはずみで抱きついた瞬間、長野の別荘での感触(10巻)がよみがえる。(マヤ「あの夏のときの…まさか…?」 真澄「ラブシーンはまだ早いよ、チビちゃん」
 水城秘書、独断で「紫のバラ」をマヤに贈る。口論の末、思わず水城に手をあげる真澄。(「あの子を愛してらっしゃるのね」 「愛しているだと…? 11も年下のあの小さな少女を…」


 ・・・水城秘書の独断のおかげで、「紫のバラのひと」 の正体を伏せたい真澄のアリバイが成立。



 【マヤと亜弓の「恋」】

 一方の亜弓もテレビドラマに進出(オリジナル作 『虹の記憶』 聖子役)。『紅天女』 両候補のTVドラマ競演が世間の話題に。しかし亜弓は、共演者から 「まだ恋をしたことがない」 ことを見抜かれてしまう。
 マヤ「恋してる…?」 亜弓「恋してない…!」


 亜弓、お姫様ロールから大人びたウェーブ・ヘアに。
 巻末、マヤと亜弓の「恋」を並行させ、マヤ「恋してる…?」 亜弓「恋してない…!」 でしめる演出が実にニクイ。完全無欠と思われた亜弓の意外な弱点、そしてふたりがいかに「恋」を芸の肥やしにしていくのか、とても印象的なラストだった。
 恋・・・その果てに紅天女の恋が待っている…! ホッホッホホホ…!(第15巻、月影先生ふう)

 
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07:29  |  『ガラスの仮面』全巻  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑

【クラシック音楽】 2019.10.10 (Thu)

新国立劇場オペラ 『トゥーランドット』 中継

プッチーニ『トゥーランドット』新国立劇場
(公式HPから拝借)

 BSでやっていたプッチーニのオペラ 『トゥーランドット』 を録画しました。
 大野和士指揮、バルセロナ交響楽団。この夏の東京公演。

 舞台は中国。求婚する者を次々と殺していく美しくも冷酷な王女が、突如現れた謎の王子の愛と才知に追い詰められ、そして・・・というお話。
 王子が歌うアリア 『誰も寝てはならぬ』 がとにかく有名ですね。ぼくもこの歌は大好き。
 『蝶々夫人』 同様、アジア趣味の音楽や描写はあざといけど、プッチーニ作品でも最大規模の壮大・壮麗さ。また (かの子供番組の名前にもなった)「ピン、ポン、パン」 のコミカルな大臣トリオや、謎解きクイズをからめた恋の駆け引きもおもしろい。


 ・・・んだけど、(ネタバレ) 自分のために死んだ侍女リューもそっちのけで、姫との色恋まっしぐらの薄情王子にどうしても肩入れできなくて、今はもう本気で物語を追う気にはなれません。

 しかも今回録画ぶんを観ていると、だんだん電波が弱ってきて映像がプチプチ途切れはじめた。
 はじめは故障かと思ったけどそうだ! 放送されたのは千葉など関東地方を襲ったあの巨大台風の夜だ! 録画の乱れは最大のハイライト、『誰も寝てはならぬ』 の曲中にも・・・。
 千葉の皆さん、お見舞い申し上げます。(そして1か月後のいま、次の台風が接近中・・・。)


 まぁ、そんなこんなで集中力も途切れて、ずっと「ながら見」していました。

◆トゥーランドット役の人は、巨体と短髪パーマでアジャ・コングみたい。
◆カラフ王子は名優マリオ・デル=モナコしか認めない。今回、名前を探すほどのものはなかった。
◆「リューの死」の場面は、泥だらけのメイクと「下から照明」で怖かった。
◆あれれ? リューの亡きがらは舞台上に残されたまま、感動・壮麗な大フィナーレへ――


 ――その大フィナーレ、「愛よ!太陽よ!生命よ!永遠よ!我らの限りない幸せよ!栄光あれ!」
 その瞬間、トゥーランドット姫が自らノドをかききったところで暗転、終幕!

 これには驚いた。従来の、人でなし同士のハッピーエンドに感じていた疑問とモヤモヤを吹き飛ばしてくれて、一種痛快でした。最後の最後に引きつけられた。


 「トゥーランドットの罪と罰」、じっさいは表面ウケだけで現実味のない演出だったかもしれない。深く考えると言葉足らずでまだ説得力に欠ける。が、しかし、誰も踏みこまなかった新たな視点を持ち込んだ演出家アレックス・オリエさんの提起は、もしかしたら『トゥーランドット』史の新しい一里塚になるかもしれません。これからの上演の進化に期待を抱かせるものがありました。

 日本人客は相変わらず狂ったような「ブラボー」の絶叫で、終演後の余韻を台無しにしてくれた。


 【公式ページ】 トゥーランドット [新制作] 新国立劇場 オペラ
 ハイライト動画では 『誰も寝てはならぬ』 をほぼ聴けます。


 
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【  ベランダでメダカ】 2019.10.04 (Fri)

秋のメダカあれこれ2019

P1090045 (アップ)
(メダカ2世代)


ベランダのメダカちゃんたち、順調すぎるほど育っています。

今年の稚魚は史上最高の20匹超え。ぼくの動体視力では正確に数えきれません。

早生まれの子は、もう親世代に近い大きさ。エサをやってもあっという間になくなるところが頼もしい。

1cm程度の末っ子組たちも負けてない。堂々としたものです。


けっきょく水槽は増やさなかった。そうやってズルズルと手を広げたくないので。

その代わり“浅瀬”の仕掛けなどは取っ払って、水面を広げてやりました。水量もギリギリまで入れて。


あと、水草ホテイアオイだけは今年はハズレ。枯れてしまったので買い直しました。

残る秋のあいだ、水の浄化がんばれ。


それにしても、今年突如として大繁殖した理由は、けっきょく何だったんだろう?

①冬の間は水槽を暖かい屋内に移したので、体力を消耗しなかった。 
②昨年生まれの親組が元気いい (特に次期ボス候補のメス)。
③稚魚避難用の浅瀬の仕掛けが完成形に近づく (網目の小物入れと野菜ネット)。
④肉っ気のエサ(人間の食べ端)をよく与えたので、成魚は卵や稚魚を襲う気がなくなった。


・・・④のエサが大きい気がします。ちなみに今日はアサリとごはん粒を干して砕いたもの。

ほかにもよく水槽のコケをついばんでいるので、栄養のバランスは満点!


①の屋内移動は大変なのでもうやらない。どのみち冬の寒さで死ぬことはないし。

そのぶん秋のうち、思う存分お肉で贅沢させてやります。

 
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